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子宮内膜を厚くする方法|薄い原因から食事・鍼灸まで改善策を解説

公開日:2025.12.25

妊活において重要な役割を担う子宮内膜ですが、厚さが足りないという悩みを抱える方は少なくありません。
子宮内膜を厚くするには、まずその原因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

この記事では、子宮内膜が薄くなる原因から、自分で実践できる食事や生活習慣の改善、さらにクリニックで受けられる治療法まで、子宮内膜を厚くする方法を網羅的に解説します。
今日から始められるセルフケアを取り入れ、妊娠しやすい体づくりを目指しましょう。

そもそも子宮内膜とは?妊娠における重要な役割

子宮内膜とは、子宮の内側を覆っている膜のことで、受精卵が着床するためのベッドのような役割を果たします。
月経周期に合わせて女性ホルモンの影響を受け、厚みや状態が変化するのが特徴です。

卵胞期には卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌によって増殖して厚くなり、排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用でさらに厚く、ふかふかな状態に変化し、受精卵が着床しやすい環境を整えます。
妊娠が成立しなかった場合は、この内膜が剥がれ落ちて血液とともに体外へ排出され、これが月経となります。

妊娠の成功率を高めるために目指したい子宮内膜の厚さ

妊娠の成功率を高めるためには、子宮内膜がある程度の厚さを持つことが望ましいとされています。
一般的に、受精卵が着床しやすい厚さは8mm以上が目安とされ、体外受精の胚移植を行う際も8mm以上を基準とするクリニックが多いです。

研究データによると、子宮内膜が8mm以上ある場合に妊娠率が高まる傾向が見られます。
ただし、これはあくまで目安であり、8mm未満でも妊娠・出産に至るケースは存在します。
厚さだけでなく、血流が豊富で柔らかいといった「質」も着床には重要です。

なぜ子宮内膜は薄くなる?考えられる4つの原因

子宮内膜が十分に厚くならない背景には、さまざまな要因が考えられます。
ホルモンバランスの乱れや血行不良といった体質的な問題から、過去の病気や手術が影響しているケースまで、原因は一つとは限りません。

自身の体がどのような状態にあるのかを理解するためにも、考えられる主な原因を把握しておくことが大切です。
ここでは、子宮内膜が薄くなる代表的な4つの原因について解説します。

加齢にともなう女性ホルモンの分泌量低下

年齢を重ねると、卵巣機能が徐々に低下し、女性ホルモンの分泌量も減少していきます。
特に、子宮内膜を厚くする働きを持つ卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減ることで、子宮内膜は増殖しにくくなります。

35歳を過ぎたあたりからこの傾向は顕著になり、40代になるとさらに分泌量が減少するため、加齢は子宮内膜が薄くなる大きな原因の一つと言えます。
卵巣機能の低下は、卵子の質の低下にもつながるため、妊活においては無視できない要素です。

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

心身への過度なストレスは、ホルモンバランスを乱す大きな要因です。
女性ホルモンの分泌をコントロールしているのは、脳の視床下部という部分ですが、この部位はストレスの影響を非常に受けやすい特徴があります。

強いストレスを感じると、視床下部からの指令が乱れ、卵巣へホルモンを分泌するよう促す命令が正常に伝わらなくなります。
その結果、エストロゲンの分泌が低下し、子宮内膜が十分に厚くならないことがあります。
妊活中のプレッシャーや不安自体がストレスとなり、悪循環に陥るケースも少なくありません。

血行不良による子宮への栄養不足

子宮内膜が厚くなるためには、十分な血液によって栄養素やホルモンが届けられる必要があります。

しかし、体の冷え、運動不足、長時間のデスクワークによる同じ姿勢などは、全身の血行不良を引き起こす原因となります。特に骨盤周りの血流が滞ると、子宮や卵巣への血流も悪化し、内膜を育てるための栄養やホルモンが届きにくくなってしまいます。その結果、子宮内膜は十分に厚くなることができず、着床しにくい状態につながります。

過去の子宮手術やクラミジア感染症などの影響

過去に行われた子宮内の手術、例えば流産や人工妊娠中絶に伴う子宮内膜掻爬術などが、子宮内膜にダメージを与えている可能性があります。
手術によって内膜の最も深い層である基底層が傷つけられると、内膜が再生しにくくなり、十分に厚くならないことがあります。

また、クラミジアなどの性感染症に気づかずに放置していると、炎症が子宮内膜に及び、内膜が薄くなったり、癒着を起こしたりする原因となる場合もあります。

【セルフケア編】今日から実践できる子宮内膜を厚くする方法

子宮内膜を厚くするためには、日々の生活習慣を見直すことが基本です。
子宮内膜を厚くするには、体全体の健康状態を向上させ、妊娠しやすい体づくりを目指すことが欠かせません。

食事や運動、睡眠といった基本的な生活習慣を整えることで、ホルモンバランスや血流の改善が期待できます。
ここでは、今日からでも始められる具体的なセルフケア方法を紹介します。
継続的に取り組むことで、体を内側から変えていきましょう。

栄養バランスの整った食事で体の中から改善する

子宮内膜を育てるためには、栄養バランスの整った食事が不可欠です。
特定の食べ物だけを摂取するのではなく、体を作る基本となるタンパク質、体の調子を整えるビタミンやミネラルなどを、多様な食材からバランス良く摂ることが重要です。

特に、体を温める作用のある食材や、血行を促進する効果が期待できる食べ物を意識的に取り入れると良いでしょう。
健康な体は、質の良い子宮内膜を作るための土台となります。

ビタミンEを多く含むアーモンドやアボカドを摂取する

ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、血行を促進する働きがあることから「子宝ビタミン」とも呼ばれています。
血流が改善されることで、子宮や卵巣に十分な酸素と栄養が届き、子宮内膜が厚くなるのを助ける効果が期待されます。

また、ホルモンバランスを整える働きもあるとされています。
ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類、アボカド、かぼちゃ、うなぎ、植物油などに豊富に含まれているため、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。

鉄分が豊富なレバーやほうれん草を意識して摂る

鉄分は、血液の主成分であるヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。
子宮内膜も血液からできているため、鉄分が不足すると、質の良い内膜を作ることが難しくなります。

特に女性は月経によって毎月多くの鉄分を失うため、貧血になりやすい傾向があります。
レバーや赤身肉、カツオ、ほうれん草、小松菜、あさりなどに豊富な鉄分を意識して摂取しましょう。
また、細胞分裂をサポートする亜鉛も重要なミネラルです。

良質なタンパク質で丈夫な体づくりをサポートする

タンパク質は、筋肉や血液、子宮内膜やホルモンの材料となる、体づくりに不可欠な栄養素です。
良質なタンパク質が不足すると、健康な体はもちろん、ふかふかな子宮内膜も作られません。

肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など、さまざまな食品からバランス良く摂取することが大切です。
また、アミノ酸の一種であるアルギニンには血管を拡張させて血流を改善する働きがあり、子宮内膜を厚くする効果が期待できるという研究報告もあります。

サプリメントを活用して必要な栄養素を効率よく補う

バランスの良い食事を心がけていても、必要な栄養素を毎日十分に摂取するのは難しい場合があります。
そのような時には、サプリメントを上手に活用するのも一つの方法です。
特に、妊活中に需要が高まる葉酸や鉄分、血流改善が期待できるビタミンE、L-アルギニンなどは、サプリで効率的に補うことができます。

ただし、自己判断での過剰摂取は避け、かかりつけの医師や薬剤師に相談の上、自分に合ったものを適切に取り入れることが重要です。

ウォーキングなどの適度な運動で全身の血流を促進する

適度な運動は、全身の血行を促進し、子宮や卵巣への血流を増やす効果が期待できます。
血流が改善されれば、子宮内膜に必要な栄養やホルモンが届きやすくなります。

ただし、ランニングなどの激しい運動はかえって体にストレスを与え、活性酸素を増やす原因にもなりかねません。
おすすめは、ウォーキングや軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなどの有酸素運動です。
無理のない範囲で、楽しみながら毎日少しずつでも継続することが大切です。

体を温める「温活」で子宮周りの冷えを解消する

体の冷えは万病のもとと言われるように、血行不良を招き、子宮や卵巣の機能を低下させる一因となります。
特に下半身の冷えは、子宮周りの血流を直接的に悪化させるため、意識的に体を温める「温活」を習慣にしましょう。

腹巻きやカイロでお腹周りを温める、シャワーで済ませず湯船に浸かる、よもぎ蒸しを利用する、体を温める食材(生姜、根菜類など)を摂るといった方法が有効です。
靴下やレッグウォーマーで足元を冷やさない工夫も大切です。

質の良い睡眠を7時間以上確保する

睡眠は、体の疲れを癒すだけでなく、ホルモンバランスを整える上で非常に重要な時間です。
睡眠中には、成長ホルモンをはじめとする様々なホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。

睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、ホルモンバランスの乱れにつながり、子宮内膜の成長にも悪影響を及ぼす可能性があります。
毎日7時間以上の質の良い睡眠を確保することを目指しましょう。
就寝前にスマートフォンやパソコンを見るのを控える、寝室の環境を整えるなどの工夫が有効です。

自分なりのストレス解消法を見つけてリラックスする

妊活中は、思うようにいかない焦りや周囲からのプレッシャーなど、何かとストレスを感じやすい時期です。
しかし、前述の通り、過度なストレスはホルモンバランスを乱し、子宮内膜の状態に悪影響を与えます。

そのため、意識的にリラックスする時間を作り、上手にストレスを発散させることが重要です。
趣味に没頭する、好きな音楽を聴く、アロマを焚く、友人と話すなど、自分が心からリラックスできる方法を見つけ、日々の生活に取り入れましょう。

鍼灸やツボ押しで東洋医学の力を借りる

東洋医学では、体全体の気の巡りや血流、陰陽のバランスを整えることで、妊娠しやすい体づくりを目指します。
特に鍼灸治療は、特定のツボを刺激することで自律神経のバランスを整え、全身の血流を改善する効果が期待できます。

骨盤内の血流が促進されることで、子宮や卵巣の機能が高まり、子宮内膜が厚くなりやすい環境が整うとされています。
また、自宅でできるツボ押し(三陰交など)や、体質改善を目的とした漢方の服用も有効な選択肢の一つです。

【クリニック編】病院で受けられる子宮内膜を厚くする治療法

セルフケアを続けてもなかなか子宮内膜の厚さに改善が見られない場合や、医学的なアプローチが必要と判断された場合には、不妊治療を専門とするクリニックで治療を受ける選択肢があります。
病院では、ホルモン剤の投与や血流を改善する薬の使用など、より直接的な方法で子宮内膜を厚くすることを目指します。

ここでは、クリニックで一般的に行われている代表的な治療法について解説します。

ホルモン剤を投与して子宮内膜の増殖を促す

子宮内膜を直接的に厚くする働きを持つ卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が不足している場合、ホルモン剤を投与して補充する治療法が一般的です。
エストロゲン製剤(飲み薬、貼り薬、塗り薬など)を使用し、子宮内膜の増殖を促します。

また、排卵後は、内膜の質を維持し着床しやすい状態を保つために黄体ホルモン製剤を併用することもあります。
これらのホルモン補充療法は、特に体外受精の凍結融解胚移植周期などで広く用いられています。

アスピリンなどで子宮内の血流改善を目指す

子宮内の血流が悪いことが内膜が薄くなる原因と考えられる場合、血流を改善する薬が用いられることがあります。
代表的なものに、低用量アスピリンがあります。
アスピリンには血液を固まりにくくする作用があり、子宮内の微小な血栓を防いで血流を良くする効果が期待されます。

これにより、子宮内膜へ十分な栄養と酸素が供給され、内膜が厚くなるのを助けます。
この治療は、不育症の治療などにも用いられることがありますが、医師の診断と処方が必要です。

子宮内膜を厚くする方法に関するよくある質問

子宮内膜の厚さについて悩んでいると、さまざまな疑問や不安が浮かんでくるものです。
ここでは、多くの方が抱く子宮内膜に関するよくある質問とその回答をまとめました。

正しい知識を得ることで、過度な心配を解消し、前向きに妊活に取り組む一助としてください。

Q1.子宮内膜が薄くても妊娠できた人はいますか?

はい、います。

一般的に着床しやすいとされる厚さの目安は8mm以上ですが、これはあくまで統計的なデータであり、絶対的な基準ではありません。

7mm台、あるいはそれ以下でも妊娠・出産に至るケースは報告されています。

厚さだけでなく、血流が豊富で受精卵を受け入れる準備が整っているかといった「内膜の質」も着床には大きく関わっています。

Q2.子宮内膜の厚さはどれくらいの期間で変化しますか?

子宮内膜の厚さは、月経周期に合わせて約1ヶ月という短い期間でダイナミックに変化します。
月経直後には1〜2mm程度まで薄くなりますが、排卵日に向けて徐々に厚みを増し、排卵期には8mm以上に達します。

排卵後は着床に備えてさらに厚く、ふかふかになります。
生活習慣の改善による体質変化を期待する場合は、一般的に3ヶ月程度の期間が必要とされています。

Q3.子宮内膜が薄いと生理の出血量が少なくなるのは本当ですか?

その可能性はあります。
経血は、妊娠が成立しなかった場合に剥がれ落ちた子宮内膜そのものです。
そのため、もともとの子宮内膜が薄ければ、剥がれ落ちる量も少なくなり、結果として経血量が少なくなる傾向が見られます。

ただし、経血量には個人差が大きく、ホルモンバランスなど他の要因も影響するため、出血量が少ないことだけが内膜の薄さに直結するわけではありません。

まとめ

子宮内膜を厚くするためには、セルフケアと医療的アプローチの両面から対策を考えることが可能です。
日々の生活では、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、質の良い睡眠、ストレス管理を基本とし、体を温める「温活」や鍼灸などを取り入れることが有効です。
これらのセルフケアで改善が見られない場合は、ホルモン剤や血流改善薬を用いたクリニックでの治療も選択肢となります。

子宮内膜の状態は月経周期で変化するため、一喜一憂せず、長期的な視点で体づくりに取り組むことが求められます。
不安な点があれば、一人で抱え込まずに専門の医療機関に相談してください。

この記事の監修者

峯岸 里美

峯岸 里美

本八幡鍼灸院 院長

日本鍼灸理療専門学校/学校法人花田学園卒業後、鍼灸院3年、鍼灸整骨院2年勤務後2008年6月株式会社ブレイシングに入社。
住吉鍼灸院で5年勤務した後2013年2月本八幡鍼灸院を開院し院長に就任。
開院から13年院長に従事。
不妊、男性不妊をメインに不妊に悩むご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校
住吉鍼灸院勤務
本八幡鍼灸院院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会

《SNS》

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