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不妊治療でピルを飲む理由は?妊娠率を高める効果と副作用を解説

公開日:2025.12.30
不妊治療でピルを飲む理由は?妊娠率を高める効果と副作用を解説します。

不妊治療中に、避妊目的で使われる「ピル」を処方され、なぜ必要なのかと疑問に思うかもしれません。
ピルとは女性ホルモンを主成分とする薬で、不妊治療においてはホルモンバランスを計画的にコントロールし、治療効果を高める目的で使用されます。

具体的には、質の良い卵子を育てる準備や、子宮内膜の状態を整える効果が期待できます。
この記事では、不妊治療でピルを服用する理由や目的、考えられる副作用について解説します。

「不妊治療なのにピル?」その疑問にお答えします

不妊治療中にピルを処方されると、「妊娠したいのになぜ避妊薬を?」と戸惑うのは自然なことです。
しかし、不妊治療で用いられるピルは避妊目的ではなく、治療を効率的かつ効果的に進めるための重要な役割を担っています。

ホルモンバランスを調整することで、卵巣や子宮の状態を最適なコンディションに整えるのです。
治療で使われるピルの種類は主に低用量ピルや中用量ピルで、プラノバールなどの名前で処方されることがあります。

不妊治療でピルが処方される4つの主な目的

不妊治療でピルが処方されるのは、単に避妊するためではありません。
ピルに含まれるホルモンの作用を利用して、体内のホルモンバランスを意図的にコントロールし、妊娠に向けた最適な体の状態を作り出すことが主な目的です。
これにより、治療の成功率を高めるためのさまざまな準備が可能になります。

具体的には、質の良い卵子を育てる準備、子宮内膜の調整、卵巣の回復促進、そして治療スケジュールの管理という4つの重要な役割を担っています。

質の良い卵子を育てる準備をするため

不妊治療でピルを服用する目的の一つは、質の良い卵子を育てるための準備です。
ピルを服用すると排卵が一時的に抑制され、卵巣が休眠状態になります。
この期間に、前の周期から残ってしまった卵胞(遺残卵胞)を自然に消滅させることができます。

遺残卵胞があると、新しく育つ卵胞の成長を妨げる可能性があるため、これを取り除くことで卵胞の発育環境をリセットします。
その結果、次の周期で排卵誘発剤を使用した際に、質の良い卵胞が均一な大きさで育ちやすくなり、良好な卵子の獲得に繋がります。

移植に最適な子宮内膜の状態に整えるため

体外受精の胚移植周期において、ピルは受精卵が着床しやすいように子宮内膜の状態を整える役割を果たします。
特にホルモン補充周期で胚移植を行う場合、まずピルを服用して自然な排卵を抑え、生理周期をリセットします。

その後、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった薬剤を投与し、移植日に合わせて子宮内膜を最適な厚さと状態にコントロールします。
ピルによってホルモン環境を一度リセットすることで、計画的に着床に最も適した子宮環境を作り出すことが可能になります。

採卵後の卵巣を休ませて回復を促すため

体外受精の採卵では、排卵誘発剤を使用して複数の卵胞を育てるため、卵巣に大きな負担がかかり、腫れてしまうことがあります。
採卵後、つまり排卵後にピルを服用すると、脳からのホルモン分泌が抑制されて卵巣の働きが一時的に停止します。

この卵巣を休ませる期間を設けることで、刺激によって腫れた卵巣の回復を促し、元の状態に戻すことができます。
卵巣が正常な状態に回復することは、次の治療周期を良好なコンディションで迎えるために重要です。

治療スケジュールを正確にコントロールするため

ピルを服用することで、生理周期を人為的にコントロールし、治療スケジュールを正確に管理できます。
ピルを服用している間は生理が起こらず、服用を中止すると数日後に出血が始まります。

この仕組みを利用して、生理の開始日を調整し、採卵や胚移植の日程を計画的に設定することが可能です。
これにより、クリニックの診療日に合わせたり、仕事やプライベートの都合を考慮した治療計画を立てやすくなります。
特に遠方から通院する場合や、夫婦でスケジュールを合わせる必要がある場合に大きなメリットとなります。

ピルを飲むと将来妊娠しにくくなる?不妊との関係を解説

ピルを飲むと妊娠しにくくなるのではないか、という不安を抱く方は少なくありません。
特に不妊治療中に処方されると、その心配は大きくなるかもしれません。

しかし、ピルの服用が将来の妊娠能力に悪影響を及ぼす、つまり不妊に繋がるという考えは誤解です。
ここでは、ピルと不妊の関係性について、医学的な観点から詳しく解説し、その不安を解消していきます。
ピルが体に与える影響を正しく理解することが大切です。

ピルの服用で不妊になるという医学的根拠はありません

ピルの服用が将来の不妊の原因になるという医学的な根拠は存在しません。
ピルの主な作用は、排卵を一時的に抑制することです。
これは、妊娠中に起こる体内のホルモン状態を擬似的に作り出すことで実現しており、卵巣の機能を永続的に低下させるものではありません。

ピル服用によって卵巣や子宮にダメージが与えられたり、妊娠する能力そのものが失われたりすることはないのです。
むしろ、子宮内膜症などの疾患の進行を抑制する効果もあり、将来の妊娠に向けた体のコンディションを保つ上で有益な場合もあります。

服用中止後、排卵機能は自然に回復します

ピルの服用を中止すると、抑制されていた脳からのホルモン分泌が再開し、排卵機能は自然に回復します。
多くの女性は、服用中止後1〜3ヶ月以内に自力での排卵が戻り、月経周期も正常化します。

回復までの期間には個人差がありますが、ピルの服用期間の長短が回復速度に大きく影響するという報告はありません。
体は本来持っているリズムを取り戻し、再び妊娠可能な状態へと移行します。
したがって、ピルを服用したからといって、その後の排卵機能が失われる心配はありません。

過去のピル服用が現在の不妊の原因になることもありません

過去に避妊目的などで長期間ピルを服用していたことが、現在の不妊の原因となることはありません。
むしろ、ピルには子宮内膜症や子宮筋腫といった、不妊の原因となりうる疾患の進行を抑制する効果が期待できます。
そのため、過去のピル服用が将来の妊娠の可能性を守っていたという側面も考えられます。

不妊の原因は年齢や様々な身体的要因が複雑に関係しており、ピルの服用歴が直接的なリスクになることはないとされています。
安心して不妊治療に臨むためにも、正しい知識を持つことが重要です。

【治療ステップ別】ピルを服用するタイミングと役割

不妊治療、特に高度生殖医療である体外受精では、治療の各ステップでピルが効果的に活用されます。
ピルを服用するタイミングは治療計画によって異なり、それぞれの段階で明確な役割を持っています。

採卵周期の前や胚移植周期において、ピルはホルモン環境を整え、治療の成功率を高めるための重要な鍵となります。
ここでは、具体的な治療ステップごとに、ピルがいつ、どのような目的で使われるのかを解説します。

採卵周期前:卵胞の大きさを均一に揃える

質の良い卵子を効率良く採取するため、採卵周期の前の周期(前周期)からピルを服用することがあります。
目的は、卵胞の大きさのばらつきをなくし、均一に揃えることです。

自然周期では主席卵胞だけが大きく育ちますが、ピルで卵巣の働きを一度リセットすることで、全ての卵胞を同じスタートラインに立たせることができます。
この状態で排卵誘発剤を使用すると、多くの卵胞が同じようなペースで成長するため、成熟した質の良い卵子を一度に複数個採取できる可能性が高まります。

胚移植周期:ホルモン補充周期の開始時期を調整する

凍結胚を移植する周期において、移植スケジュールを調整する方法はいくつかあります。特にホルモン補充周期では、自然な排卵を抑制し、薬剤によって子宮内膜を育てます。多くの施設では、生理開始から3~5日目にホルモン剤の投与を開始し、移植スケジュールを調整することが一般的です。また、ピルの服用を指示しない場合もあります。

まず、生理周期の始まりに合わせてエストロゲン製剤の投与を開始します。これにより、子宮内膜が最も着床に適した状態になるタイミングと胚の移植日を正確に合わせることができ、妊娠率の向上に繋がります。

知っておきたいピルの主な副作用

不妊治療で用いられるピルは、妊娠率を高めるために有効な薬剤ですが、副作用が起こる可能性もあります。
ピルに含まれる女性ホルモンの影響で、服用を開始した時期に一時的な体調の変化を感じることがあります。
ただし、副作用の現れ方には個人差が大きく、全く感じない人も少なくありません。

多くは軽度で、服用を続けるうちに体が慣れて自然に解消されますが、事前にどのような症状があるかを知っておくことで、安心して治療に臨むことができます。

飲み始めに起こりやすい吐き気や頭痛

ピルの服用開始後、特に最初の1〜3周期は、体内のホルモンバランスが変化するため、副作用が現れやすい時期です。
代表的な症状として、吐き気や嘔吐、頭痛、下腹部痛、倦怠感などが挙げられます。

これらの症状は、体がピルに含まれるホルモンに慣れるまでの一次的な反応であり、多くの場合、服用を継続するうちに自然と軽快していきます。
吐き気が気になる場合は、就寝前に服用するなど、飲む時間を工夫することで症状を和らげることができる場合もあります。

ホルモンの影響による胸の張りやむくみ

ピルに含まれる女性ホルモンの影響で、体内に水分が溜まりやすくなることがあります。
その結果、副作用として胸の張りや痛み、体のむくみ、体重の増加といった症状が現れる場合があります。

これらの症状も、主に飲み始めの時期に見られることが多く、体がホルモン状態に慣れてくると次第に落ち着いていくのが一般的です。
もし症状が強く出たり、長期間続いたりして日常生活に支障をきたすようであれば、我慢せずに担当の医師に相談してください。

服用初期に見られる少量の不正出血

ピルの服用を始めてから体が慣れるまでの期間に、生理以外のタイミングで少量の出血が起こることがあります。
これは「不正出血」や「点状出血」と呼ばれ、特に珍しい副作用ではありません。
ホルモンバランスが安定していく過程で起こる一時的なもので、通常は服用を継続するうちに自然に消失します。

ただし、出血量が多かったり、長期間続いたりする場合は、他の原因も考えられるため、自己判断せずに処方を受けたクリニックに連絡し、指示を仰ぐようにしてください。

最も注意すべき重大な副作用「血栓症」の初期症状

ピルの副作用の中で最も注意が必要なのが、血栓症です。
血栓症は、血管の中に血の塊(血栓)ができて詰まってしまう病気で、発生頻度はごく稀ですが、命に関わる可能性があります。

初期症状として、ふくらはぎの痛み・むくみ・赤み、突然の息切れ、激しい胸の痛み、強い頭痛、めまい、舌のもつれ、視力障害などが挙げられます。
これらの症状が一つでも現れた場合は、直ちにピルの服用を中止し、速やかに医療機関を受診する必要があります。

ピルの服用ができない人の特徴

ピルは多くの人にとって安全に使用できる薬ですが、健康状態によっては服用できない場合があります。

特に、血栓症のリスクが高い人は禁忌とされています。例えば、35歳以上で1日15本以上喫煙する人、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの持病がある人、前兆を伴う片頭痛を持つ人などが該当します。また、乳がんや子宮体がんの既往歴や疑いがある場合も服用できません。安全な治療のため、処方前には必ず詳しい問診や必要な検査が行われ、医師が服用の可否を慎重に判断します。

不妊治療でのピル服用に関するよくある質問

不妊治療でピルを服用するにあたり、具体的な飲み方や期間、服用後のことなど、さまざまな疑問が浮かぶことでしょう。
治療を安心して進めるためには、これらの疑問を解消しておくことが大切です。

ここでは、患者さんから寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。
ピルの服用に関する不安を少しでも減らし、前向きに治療に取り組むための参考にしてください。

Q1.ピルを飲み忘れた場合はどうしたらいいですか?

1錠飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに飲み忘れ分を服用し、その日の分も通常通りの時間に飲んでください。
ただし、2錠以上飲み忘れた場合や、いつ飲むべきか不安な場合は、自己判断せず速やかに処方されたクリニックに連絡し、指示を仰ぐことが重要です。

特に不妊治療では、正しい服用が治療計画に影響するため、医師の指示に従う必要があります。

Q2.不妊治療のピルはいつまで飲み続ける必要がありますか?

服用期間は治療計画や目的によって異なります。
一般的には卵巣を休ませたり治療スケジュールを調整したりするために1周期分(約21〜28日間)服用するケースが多いです。

採卵や移植といった次のステップに進むための準備として処方されるため、医師が体の状態を見ながら服用終了のタイミングを判断します。
必ず指示された期間を守って服用を続けてください。

Q3.ピルの服用をやめたら、すぐに妊活を再開できますか?

はい、再開できます。

ピルの服用をやめると、通常1〜3ヶ月以内に体のホルモンバランスが元に戻り、自然な排卵が再開します。
ピルの成分が体内に蓄積して妊娠に悪影響を及ぼすことはありません。
服用終了後、医師の指示に従って次の月経が来たら、不妊治療の次のステップに進むか、タイミング法などの妊活を再開することが可能です。

まとめ

不妊治療におけるピルは、避妊のためではなく、ホルモンバランスを計画的にコントロールし、妊娠の成功率を高めるための積極的な治療薬です。
卵巣を休ませて質の良い卵子の準備をしたり、子宮内膜を最適な状態に整えたりと、その役割は多岐にわたります。

副作用や将来の妊娠への影響について不安を感じるかもしれませんが、医学的に不妊に繋がることはないとされています。
疑問や心配な点があれば、自己判断せず、かかりつけのクリニックの医師に相談し、納得した上で治療を進めることが重要です。

この記事の監修者

峯岸 里美

峯岸 里美

本八幡鍼灸院 院長

日本鍼灸理療専門学校/学校法人花田学園卒業後、鍼灸院3年、鍼灸整骨院2年勤務後2008年6月株式会社ブレイシングに入社。
住吉鍼灸院で5年勤務した後2013年2月本八幡鍼灸院を開院し院長に就任。
開院から13年院長に従事。
不妊、男性不妊をメインに不妊に悩むご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校
住吉鍼灸院勤務
本八幡鍼灸院院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会

《SNS》

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