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レトロゾールの副作用で太る?不妊治療中の体重増加の原因と効果

公開日:2025.12.25

レトロゾールとは、排卵を誘発する効果がある不妊治療薬です。
服用を検討する方の中には、副作用として体重が増えるのではないかと心配する声も聞かれます。

この記事では、レトロゾールの副作用と体重増加の関係性、不妊治療中に太りやすくなる原因、そして体重管理の具体的な対処法について詳しく解説します。

レトロゾールの副作用で太るって本当?体重増加の真相を解説

不妊治療でレトロゾールを服用し始めたら体重が増えた、という経験談を聞いて不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、医学的にレトロゾールの直接的な副作用として体重増加が明記されているわけではありません。

ここでは、レトロゾールの副作用と体重増加の関係性について、なぜ太ったと感じる人がいるのかという理由もあわせて解説します。

医学的に見るレトロゾールの副作用と体重増加の関係性

レトロゾールの添付文書や製薬会社の情報によると、主な副作用として、ほてり、頭痛、吐き気、めまい、関節痛などが挙げられています。

これらは、薬の作用によって女性ホルモン(エストロゲン)が一時的に低下することで生じる、更年期障害に似た症状です。

体重増加はレトロゾールの副作用として報告されている事例がありますが、その頻度は高くなく、医学的な因果関係は明確ではないとされています。添付文書においても体重増加は5%未満の副作用として記載されています。ホルモンバランスの変化や、排卵誘発による一時的なむくみ、食欲の変化が原因となることもありますが、レトロゾールを服用したからといって、必ずしも直接的に体重が増加するわけではないと考えられています。

なぜ?レトロゾール服用中に太ったと感じる人がいる理由

レトロゾールの副作用として体重増加が挙げられる場合があります。ホルモンバランスの変化による食欲の変動、代謝の変化、体内に水分が溜まりやすくなることによる「むくみ」などが、体重が増加したと感じる要因として考えられます。また、不妊治療に伴うストレスや生活習慣の変化も影響する可能性があります。

不妊治療中に体重が増加する4つの主な原因

不妊治療中に体重が増える原因は、特定の薬の影響だけとは限りません。
治療に伴うホルモンバランスの変化、精神的なストレス、生活リズムの乱れなど、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。

排卵のタイミングを気にするあまり、自分自身のケアがおろそかになることもあります。
ここでは、不妊治療中に体重が増加しやすくなる主な原因を4つの側面から解説します。

原因1:ホルモンバランスの変動による食欲の変化

不妊治療では、排卵を促す効果のある薬を使用して卵胞の発育をコントロールします。
この過程で、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンのバランスは大きく変動します。
特に、プロゲステロンには食欲を増進させたり、体内に水分を溜め込んだりする働きがあるため、このホルモンの分泌量が増える時期には食欲が増し、むくみやすくなることがあります。

また、ホルモンバランスの変化は自律神経にも影響を与え、代謝が低下して脂肪が燃焼しにくくなることも、体重増加の一因として考えられます。

原因2:治療のストレスによる心身への影響

不妊治療は、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。
「いつになったら妊娠できるのか」というプレッシャーや、通院による時間的制約、高額になりがちな費用への不安は、知らず知らずのうちにストレスとして蓄積されます。

慢性的なストレスは、ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌を増加させ、食欲を増進させたり、特に内臓脂肪を溜め込みやすくしたりする働きがあります。
ストレスから過食に走ってしまったり、気分が落ち込んで活動量が減ったりすることも、体重増加につながる要因です。

原因3:生活リズムの乱れや運動不足

不妊治療を始めると、排卵のタイミングに合わせて頻繁に通院する必要が出てきます。
仕事と治療を両立している場合、早朝や仕事終わりにクリニックへ通うことで生活リズムが不規則になりがちです。

これにより、食事の時間が乱れたり、睡眠時間が不足したりすることがあります。
睡眠不足は食欲を増進させるホルモンの分泌を促すため、体重増加につながりやすくなります。
また、治療による精神的な疲れや体への負担を考えて、これまで続けていた運動を控えてしまうことも、消費カロリーが減少し体重が増える一因となります。

原因4:むくみによる一時的な体重増加

不妊治療中に使用されるホルモン剤の副作用や、ホルモンバランスの変動によって、体内に水分が溜まりやすくなることがあります。
これは「むくみ」として現れ、特に下半身や顔がむくむことで体重が1〜2kg程度増加することがあります。

この体重増加は、脂肪が増えたわけではなく、あくまで一時的な水分の増加によるものです。
しかし、体重計の数字が増えることで「太った」と感じ、ストレスにつながることも少なくありません。
適切な水分摂取や塩分を控える食事、軽い運動などで改善が期待できる場合が多いです。

他の排卵誘発剤(クロミッド)との副作用の違いを比較

不妊治療で用いられる代表的な排卵誘発剤には、レトロゾールの他に「クロミッド(一般名:クロミフェン)」があります。
これらの薬は排卵を促すという目的は同じですが、作用の仕方や副作用の現れ方が異なります。
どちらの薬が自分に適しているのかを知るために、それぞれの特徴を理解しておくことは重要です。

ここでは、レトロゾールとクロミッドの副作用の違いについて比較し、解説します。

レトロゾールとクロミッド、太りやすいのはどっち?

どちらの薬が太りやすいかという問いに対して、明確に断定することは困難です。
体重増加は、レトロゾール、クロミッドいずれの添付文書でも主な副作用としては記載されていません。

しかし、一般的にクロミッドの方が抗エストロゲン作用が強く、体への影響が長く続く傾向があるため、副作用として体重増加やむくみを感じるという声が聞かれることがあります。
一方で、レトロゾールは作用時間が比較的短く、体への負担が少ないとされることから、体重への影響も少ないと感じる方もいます。
ただし、薬の反応には個人差が大きいため、一概には言えません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療でレトロゾールが選ばれる理由

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、多くの小さな卵胞が卵巣にでき、排卵しにくくなる疾患です。
このPCOSの治療において、レトロゾールは第一選択薬として推奨されるケースが増えています。
その理由の一つは、クロミッドで効果が見られなかった(クロミッド抵抗性)場合でも、レトロゾールなら良好な排卵誘発効果が期待できるためです。

また、レトロゾールは単一の卵胞が育ちやすいという特徴があり、多胎妊娠のリスクを低減できます。
さらに、クロミッドの副作用として知られる子宮内膜が薄くなる影響が少ないため、着床環境を良好に保ちやすい点も、レトロゾールが選ばれる大きな理由です。

レトロゾール服用中の体重増加が気になるときの対処法

レトロゾールの服用中に体重の増加が気になり始めた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
自己判断で薬をやめてしまうのは治療の妨げになるため避けるべきです。
体重増加の背景には、薬の副作用だけでなく、不妊治療中の様々な要因が関わっている可能性があります。

ここでは、体重増加が気になったときに試せる、具体的で実践的な対処法について解説します。

まずは医師に相談し自己判断で服用を中止しない

体重増加やその他の副作用が気になった場合、最も重要なのは自己判断で服用を中止せず、まずは処方した医師に相談することです。
体重増加の原因が薬によるものなのか、あるいはストレスや生活習慣によるものなのかを専門家の視点で判断してもらう必要があります。

医師に相談することで、薬の用量を調整したり、漢方薬を併用したり、別の治療法を提案してもらえたりする可能性があります。
治療計画を円滑に進めるためにも、体調の変化は正直に伝え、医師の指示を仰ぐことが大切です。

栄養バランスを意識した食生活に見直す

体重管理の基本は日々の食生活です。
不妊治療中は特に心と体の健康を支える栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
極端な食事制限はストレスを増大させるためタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランス良く摂取することが重要です。

特に血糖値の急上昇を抑えるために野菜や海藻から先に食べる「ベジファースト」を実践したり体を温める食材を選んだりするのも効果的です。
近年不妊治療は保険適用が拡大されましたが日々の体調管理という自己投資も忘れてはなりません。

ストレス解消にもつながる適度な運動を取り入れる

適度な運動は、体重管理だけでなく、血行促進やストレス解消にも非常に効果的です。
治療中は激しい運動は避けるべきですが、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、心身をリラックスさせる軽度な運動を日常生活に取り入れることをお勧めします。
特にウォーキングは、特別な道具も必要なく、気軽に始められる運動です。

ただし、移植後など、運動が推奨されないタイミングもあります。
どのような運動がどの程度可能なのか、事前に医師や看護師に確認してから行うようにしましょう。

十分な睡眠を確保して心と体を休ませる

睡眠不足は、食欲をコントロールするホルモン(レプチンとグレリン)のバランスを乱し、食欲増進や代謝の低下を招くことが知られています。
1日に2錠のレトロゾールを服用するなど、薬の管理に気を配るだけでなく、質の良い睡眠を確保することも治療の一環と捉えましょう。

毎日できるだけ同じ時間に就寝・起床し、体内リズムを整えることが大切です。
寝る前にスマートフォンを見るのをやめ、リラックスできる音楽を聴いたり、温かい飲み物を飲んだりするなど、自分なりの入眠儀式を見つけるのも良い方法です。

レトロゾールに関するよくある質問

レトロゾールとは不妊治療に用いられる排卵誘発剤の一つですが、服用にあたっては様々な疑問や不安がつきものです。

ここでは体重増加以外にも多くの方が疑問に思う点について、よくある質問としてQ&A形式で簡潔にお答えします。

Q1.体重増加以外にレトロゾールの主な副作用は?

レトロゾールの主な副作用は、ほてり、頭痛、吐き気、めまい、関節痛などです。
これらは薬の作用で女性ホルモンが一時的に低下するために起こる症状で、更年期障害の症状に似ています。

ほとんどの場合、症状は軽度で一過性のものです。

Q2.体重が増えたらレトロゾールの服用をやめてもいいですか?

自己判断で服用を中止することは絶対に避けてください。
計画通りに排卵が起こらなくなり、治療全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

体重増加が気になる場合は、必ず処方した医師に相談し、適切な指示や用量の調整を仰ぎましょう。

Q3.不妊治療中にできる体重管理のコツはありますか?

バランスの取れた食事、無理のない範囲での適度な運動、十分な睡眠が基本です。

特にストレスは過食につながりやすいため、趣味の時間を持つなど自分なりのリフレッシュ方法を見つけることが大切です。通院のタイミングなども考慮し、継続可能な方法で取り組みましょう。

まとめ

レトロゾールの直接的な副作用として、体重増加が報告されることは稀です。
しかし、不妊治療の過程で起こるホルモンバランスの変化や、治療に伴うストレス、生活習慣の乱れなどが複合的に作用し、結果として体重が増加することがあります。

大切なのは、体重の変化に一喜一憂せず、その原因を冷静に見つめることです。
不安な点は一人で抱え込まずに医師に相談し、薬の効果を最大限に引き出すためにも、栄養バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、心身ともに健康な状態を保つことが重要です。

この記事の監修者

峯岸 里美

峯岸 里美

本八幡鍼灸院 院長

日本鍼灸理療専門学校/学校法人花田学園卒業後、鍼灸院3年、鍼灸整骨院2年勤務後2008年6月株式会社ブレイシングに入社。
住吉鍼灸院で5年勤務した後2013年2月本八幡鍼灸院を開院し院長に就任。
開院から13年院長に従事。
不妊、男性不妊をメインに不妊に悩むご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校
住吉鍼灸院勤務
本八幡鍼灸院院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会

《SNS》

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