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円錐切除後に妊娠しにくいって本当?妊娠率への影響と早産リスク

公開日:2025.12.30
円錐切除後に妊娠しにくいって本当?妊娠率への影響と早産リスクについて解説します。

子宮頸がんの前段階である異形成の治療として行われる円錐切除術。
将来妊娠を考えている方にとって、手術が妊娠に与える影響は大きな不安要素です。
特に「手術後に妊娠しにくい身体になるのではないか」という心配の声をよく耳にします。

この記事では、円錐切除術が妊娠率に与える影響や、妊娠後に知っておくべき早産リスク、そして妊活を再開するタイミングについて詳しく解説します。

円錐切除術を受けても妊娠率が大きく下がることはない

円錐切除術を受けた後、「妊娠しにくいのでは?」と不安に思う方は少なくありません。
しかし、医学的には、この手術が直接的な原因で不妊になる可能性は低いとされています。
手術は子宮の入り口である子宮頸部の一部を切除するもので、卵巣や子宮体部といった妊娠の成立に直接関わる器官には影響を与えません。

そのため、排卵や受精、着床といった妊娠に至る基本的な機能は保たれることがほとんどです。

ただし稀に頸管粘液の減少で妊娠しにくくなるケースも

円錐切除術によって妊娠率が大きく下がることはありませんが、ごく稀に妊娠しにくい状態になることがあります。
その原因の一つが、子宮頸管から分泌される「頸管粘液」の減少です。
頸管粘液は、排卵期に精子が子宮内へスムーズに進入するのを助ける役割を担っています。

しかし、手術で粘液を分泌する腺組織ごと切除されると、粘液の量が減ってしまう場合があります。
その結果、精子が子宮に到達しにくくなり、不妊の一因となる可能性が指摘されています。
ただし、これは頻繁に起こるわけではなく、多くの場合は妊娠能力に大きな変化はありません。
もし術後に妊娠しにくいと感じる場合は、このような可能性も念頭に置き、医師に相談することが重要です。
人工授精など、頸管粘液の状態に左右されない不妊治療によって妊娠を目指すこともできます。

妊娠率よりも知っておくべき円錐切除後の早産・流産リスク

円錐切除術後の妊娠において、妊娠率そのものよりも重要視されているのが、妊娠中期以降の流産や早産のリスクです。
手術によって妊娠する能力が大きく損なわれるわけではありませんが、妊娠を維持する力、つまり子宮が赤ちゃんを支える力に影響が出ることがあります。

したがって、円錐切除術後の妊娠では、無事に出産まで妊娠を継続するための適切な周産期管理が非常に重要になります。

手術で子宮頸管が短くなることが早産リスクを高める原因

円錐切除術後に早産のリスクが高まる主な原因は、手術によって子宮頸管が物理的に短くなることにあります。
子宮頸管は、妊娠中に重くなる子宮を支え、胎児が外に出てこないように子宮の出口を固く閉じておくという重要な役割を持っています。

この子宮頸管が手術で短くなると、子宮を支える力が弱まってしまいます。
その結果、妊娠週数が進み胎児が大きくなってくると、その重みに耐えきれずに子宮口が開いてしまう「子宮頸管無力症」という状態を引き起こしやすくなります。
これが、円錐切除術後の妊娠における流産や早産の直接的な原因となります。
妊娠が判明した際には、このリスクを念頭に置いた慎重な経過観察が必要です。

切除した範囲が広いほど早産のリスクは高まる傾向

円錐切除術後の早産リスクは、切除した組織の範囲、特に深さ(高さ)によって変わってきます。
切除範囲が広く、深くなるほど子宮頸管はより短くなるため、子宮を支える機能が低下し、早産のリスクは高まる傾向にあります。

一般的に、切除した高さが10mmを超えると、早産のリスクが上昇すると報告されています。
手術前に、病変の進行度に応じてどの程度の範囲を切除するのか、医師から説明を受けておくと良いでしょう。
そして、妊娠した際にはその情報を産婦人科医に正確に伝えることが、適切なリスク管理の第一歩となります。
自身の状態を正しく把握し、医師と共有することが、安全な出産につながります。

円錐切除後の妊活はいつから再開していい?

円錐切除術後、すぐにでも妊活を始めたいと考える方もいるかもしれませんが、まずは手術で受けたダメージから身体が回復するのを待つ必要があります。
子宮頸管の切断面が完全に治癒する前に性交渉や妊娠をすると、感染症や出血のリスクが高まるためです。

焦る気持ちを抑え、医師の許可を得てから安全なタイミングで妊活を再開することが、結果的に健やかな妊娠への近道となります。

性交渉の再開は術後1ヶ月、本格的な妊活は2〜3ヶ月が目安

円錐切除術後の身体の回復には個人差がありますが、一般的な目安として、性交渉の再開は術後1ヶ月程度が推奨されます。
多くの医療機関では、術後1ヶ月検診で内診を行い、子宮頸管の傷の治り具合を確認します。
そこで問題がなければ、性交渉の許可が出ることが多いです。
ただし、これはあくまで目安であり、出血や痛みがある場合は無理をしないでください。

本格的な妊活(妊娠を目的とした性交渉)を開始するのは、子宮の状態がより安定する術後2〜3ヶ月以降、あるいは2〜3回の正常な月経周期を確認してからが望ましいとされています。
焦らずに、まずはご自身の体の回復を最優先に考えましょう。

妊活開始前には必ず医師の診察で子宮の状態を確認しよう

術後の妊活再開のタイミングは、自己判断で決めるべきではありません。
一般的な目安期間はありますが、回復の進度は人それぞれ異なるため、妊活を始める前には必ず手術を受けた病院、またはかかりつけの産婦人科で診察を受けましょう。

診察では、超音波検査などで子宮頸管の傷がきちんと治癒しているか、炎症が起きていないかなど、子宮の状態を詳細に確認します。
その上で、医師から正式に妊活再開の許可を得ることが、安全な妊娠のための非常に重要なステップです。
円錐切除術後のデリケートな時期だからこそ、専門家の判断を仰ぎ、万全の状態で妊活をスタートさせることが大切です。

円錐切除後に妊娠した場合に知っておきたい3つのポイント

無事に妊娠した場合、円錐切除術後の妊娠は「ハイリスク妊娠」として扱われることがあります。
これは、前述したように早産のリスクが通常よりも高いためです。
しかし、事前に注意点を知り、適切な管理を行えば、過度に心配する必要はありません。

安全な出産を迎えるために、妊娠中に特に意識しておくべき3つの重要なポイントを理解しておきましょう。

ポイント①:産婦人科医には円錐切除の経験を必ず伝える

妊娠がわかり産婦人科を初めて受診する際には、過去に円錐切除術後であることを必ず医師に伝えなければなりません。
これは最も重要なポイントです。
問診票への記入はもちろんですが、診察時に口頭でもはっきりと告げてください。
いつ頃手術を受けたのか、可能であれば手術を行った病院名や切除範囲などの情報も共有できると、より的確な管理につながります。

医師はこの情報を基に、早産のリスクを念頭に置いた上で妊婦健診の計画を立てます。
この申告がないと、リスクに応じた適切なフォローが受けられず、早産の兆候を見逃すことにもなりかねません。
母子の安全を守るため、最初の段階で正確な情報共有を行いましょう。

ポイント②:妊婦健診で子宮頸管の長さを定期的に測定する

円錐切除術後の妊娠管理では、早産のリスクを早期に発見するため、通常の妊婦健診に加えて子宮頸管の長さを定期的に測定することが極めて重要です。
一般的には、経腟超音波検査を用いて、妊娠中期(16週頃)から定期的に長さを計測し、経過を観察していきます。

妊娠が進むにつれて子宮が大きくなり、子宮頸管への負担が増加しますが、その際に頸管長が25mm未満になるなど、基準より短くなっていないかを確認します。
もし短縮傾向が見られた場合は、早産の兆候と判断し、後述するような予防的措置を早期に講じることが可能になります。
医師の指示に従い、定期的な健診を必ず受けましょう。

ポイント③:早産の兆候があれば子宮頸管縫縮術などの予防措置をとる

妊婦健診で子宮頸管が短くなっているなど、切迫早産のリスクが高いと判断された場合、妊娠をできるだけ長く維持するための予防措置が検討されます。

代表的な治療法が「子宮頸管縫縮術」です。
これは、妊娠12〜16週頃に子宮の出口を糸で縛り、物理的に子宮口が開くのを防ぐ手術です。
また、子宮の収縮を抑えるための張り止めの薬を内服したり、場合によっては仕事や家事を休んで自宅安静や入院を指示されたりすることもあります。
これらの措置は、早産のリスクを低減させ、赤ちゃんがお腹の中で十分に成長する時間を確保するために行われます。
医師とよく相談し、自身の状態に合った最適な対応をとることが大切です。

円錐切除後の妊娠に関するよくある質問

ここでは、円錐切除術後の妊娠に関して、多くの方が抱く疑問や不安についてお答えします。

手術が出産方法に与える影響や、複数回の手術が妊娠に及ぼすリスク、また仕事との両立など、具体的な質問について解説します。

これらの情報を参考に、今後のライフプランを考える上での不安を少しでも解消してください。

Q1.円錐切除術を受けると出産方法は帝王切開になりますか?

必ずしも帝王切開になるわけではなく、円錐切除術後でも経腟分娩は可能です。
しかし、手術の影響で子宮頸管が硬くなり、陣痛が来ても子宮口がスムーズに開かない「頸管熟化不全」が起こる場合があります。

この場合、お産が長引いたり母子の負担が大きくなったりするため、安全を優先して予定帝王切開や緊急帝王切開が選択されることがあります。

Q2.手術を2回以上受けている場合、妊娠への影響はさらに大きくなりますか?

はい、影響は大きくなる可能性があります。
円錐切除術を複数回受けると、その分だけ子宮頸管はさらに短くなるため、早産や流産のリスクは初回の手術よりも高まる傾向にあります。

また、頸管粘液を分泌する組織もより多く失われるため、妊娠しにくい状態になる可能性も高まります。
妊娠を強く希望する場合は、再手術の必要性やその後の影響について、事前に医師と十分に話し合うことが重要です。

Q3.円錐切除後の妊娠でも仕事は続けられますか?

仕事の内容や妊娠経過によりますが、デスクワーク中心であれば多くの場合で継続可能です。
ただし、円錐切除術後の妊娠は早産のリスクを伴うため、長時間の立ち仕事や重い物を持つ作業、身体的負担の大きい業務は避けるべきです。

切迫早産の兆候が見られた場合は、医師から休職や自宅安静を指示されることもあります。
早い段階で職場に状況を説明し、勤務時間の短縮や業務内容の変更など、無理なく働ける環境を整えることが大切です。

まとめ

円錐切除術を受けた後も妊娠しにくい状態になったり、不妊になったりする可能性は低いと一般的に考えられています。多くの場合、手術前と同様に自然妊娠が可能です。

しかし、手術によって子宮頸管が短くなることがあるため、妊娠率自体への影響よりも、妊娠後の流産や早産のリスクが高まる可能性があるという点が重要です。妊活を再開する際には必ず医師の許可を得て、妊娠した後は手術歴を産婦人科医に正確に伝え、定期的な健診で子宮頸管の状態を注意深く観察することが必要です。リスクを正しく理解し、適切な医療管理を受けることで、無事に出産を迎える可能性は十分にあります。

この記事の監修者

峯岸 里美

峯岸 里美

本八幡鍼灸院 院長

日本鍼灸理療専門学校/学校法人花田学園卒業後、鍼灸院3年、鍼灸整骨院2年勤務後2008年6月株式会社ブレイシングに入社。
住吉鍼灸院で5年勤務した後2013年2月本八幡鍼灸院を開院し院長に就任。
開院から13年院長に従事。
不妊、男性不妊をメインに不妊に悩むご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校
住吉鍼灸院勤務
本八幡鍼灸院院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会

《SNS》

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