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鍼灸は不妊治療に効果ある?最新論文のエビデンスを基に解説

公開日:2026.02.12
鍼灸は不妊治療に効果ある?最新論文のエビデンスを基に解説します。

妊活の一環として、あるいは専門的な不妊症の治療と並行して鍼灸を検討する方が増えています。
しかし、その効果に対しては期待と同時に疑問を持つことも少なくありません。
この記事では、鍼灸が不妊治療にどのような影響を与えるのかについて、最新の海外論文などで示されている科学的エビデンス(根拠)を基に、その有効性や作用メカニズムを客観的な視点から解説します。

【結論】不妊治療における鍼灸の効果は複数の論文で報告されている

不妊治療における鍼灸の効果については、肯定的な研究結果と「効果なし」とする研究結果の両方が複数の論文で報告されており、医学的な見解が完全に一致しているわけではありません
しかし、多くの研究において、体外受精の妊娠率を高める可能性や、子宮・卵巣の血流改善、ホルモンバランスの調整など、妊娠しやすい身体環境づくりをサポートする可能性が示唆されています。
そのため、西洋医学的な治療を補完する選択肢として世界的に注目されています。

↓こちらの記事を先にお読み下さい。↓

不妊鍼灸は効果なし?医学的根拠と効果が出ない人の特徴を解説

不妊治療と鍼灸に関する科学的エビデンス(根拠)

不妊治療に対する鍼灸の有効性を客観的に評価するため、世界中で数多くの研究が行われています。
体外受精を受ける女性を対象とした個別の臨床試験から、複数の論文データを統合してより高い見地から分析するメタアナリシスまで、様々な角度から科学的なエビデンス(根拠)の蓄積が進んでいます。
ここでは、不妊と鍼灸に関する代表的な研究論文を基に、現時点で科学的に何が分かっているのかを具体的に見ていきます。

体外受精の妊娠率向上を示唆した海外の研究論文

2002年にドイツのPaulusらが発表した研究論文は、不妊鍼灸の議論において頻繁に引用される代表的なものです。
この研究では、体外受精を受ける160名の女性を2つのグループに分け、一方のグループにのみ胚移植の直前と直後に鍼灸施術を行いました。

その結果、鍼灸を受けなかったグループの妊娠率が26.3%だったのに対し、鍼灸を受けたグループの妊娠率は42.5%と、統計的に有意な差をもって高い数値を示しました。
この結果は、鍼灸が着床環境の改善に寄与する可能性を世界に示し、その後の研究を大きく促進させるきっかけとなりました。

卵子の質や子宮内膜への好影響を示した研究データ

鍼灸が卵子の質や子宮内膜の状態に良い影響を与える可能性も、複数の研究データで示唆されています。
特定のツボへの刺激が、卵巣や子宮へ栄養を供給する動脈の血流を増加させることが、いくつかの論文で報告されています。

卵巣への血流が豊かになると、卵子の成長に必要な酸素や栄養素が十分に行き渡り、質の向上が期待できます。
同様に、子宮内膜への血流が増加することで、内膜は厚く、受精卵が着床しやすい柔らかな状態に整えられると考えられます。

これらの作用は、妊娠成立に不可欠な要素を身体の内側からサポートするものです。

複数の研究を統合したメタアナリシスから見える現状

個別の研究結果にはばらつきがあるため、複数の論文データを統計的に統合・分析する「メタアナリシス」が、より信頼性の高いエビデンスとして重視されます。
不妊と鍼灸に関するメタアナリシスでは、現時点で見解は完全には一致していません。
しかし、2018年に発表された比較的新しい論文では、鍼灸が偽の鍼治療と比較して、臨床妊娠率を有意に向上させるとの結論が示されています。

研究デザインや対象者の条件によって結果は変わるものの、鍼灸が不妊治療の有効な補助療法となりうる可能性は高いと考えられ、さらなる研究が続けられています。

科学的に解明!鍼灸が不妊にアプローチする3つのメカニズム

なぜ鍼灸が不妊治療のサポートとして有効と考えられるのか、その科学的なメカニズムは徐々に解明されています。
鍼灸による刺激は、単なるリラックス効果に留まらず、体内で具体的な生理的変化を引き起こすことが分かってきました。

ここでは、特に妊娠に関わる「血流促進」「ホルモンバランス調整」「自律神経の安定」という3つの主要な作用機序に焦点を当て、鍼灸が不妊治療に対してどのようにアプローチするのかを解説します。

メカニズム①:子宮・卵巣の血流を促進して着床環境を整える

鍼灸が不妊治療に与える影響として最も重要視されているメカニズムの一つが、骨盤内臓器の血流改善作用です。
腹部や腰仙部、下肢にある特定のツボに鍼をすることで、子宮動脈や卵巣動脈の血流抵抗が低下し、血流量が増加することが研究で確認されています。
血流が促進されると、卵巣には質の良い卵子を育むための酸素や栄養が豊富に届けられ、子宮には厚く柔らかな内膜が形成されやすくなります。

これにより、受精卵が着床しやすい良好な子宮環境が整うため、西洋医学的な治療の効果を高める上でも重要な要素です。

メカニズム②:乱れやすいホルモンバランスを正常化へ導く

妊娠の成立と維持には、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)、エストロゲン、プロゲステロンといったホルモンの精緻な連携が不可欠です。
ストレスや生活習慣の乱れは、これらのホルモン分泌を司る視床下部や脳下垂体の機能に影響を与え、バランスを崩す一因となります。

鍼灸による刺激は、脳内の血流を変化させ、内分泌系の中枢に働きかけることで、ホルモンバランスを正常な状態に近づける作用が期待されています。
このアプローチは、排卵障害や月経不順といった不妊治療の対象となる症状の改善にも寄与します。

メカニズム③:自律神経を安定させ妊娠へのストレスを緩和する

不妊治療は、結果がすぐに出ないことへの不安や焦りから、精神的・身体的に大きなストレスを伴います。
過度なストレスは、体を緊張させる交感神経を優位にし、血管を収縮させて子宮や卵巣の血流を悪化させたり、ホルモンバランスを乱したりする原因になり得ます。
鍼灸には、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にする働きがあることが科学的にも知られています。

施術によって自律神経のバランスが整うと、心身の緊張が和らぎ、安定した状態に導かれます。
このストレス緩和効果は、治療のつらさを軽減するだけでなく、妊娠しやすい身体づくりにも間接的に貢献します。

体外受精と鍼灸を併用する場合に推奨されるタイミング

体外受精などの高度生殖医療と鍼灸を併用する場合、その効果を最大限に引き出すためには、治療の各段階に合わせた適切なタイミングで施術を受けることが重要になります。
良質な卵子を育てることを目的とする採卵周期と、受精卵の着床環境を万全に整えることを目的とする胚移植周期では、鍼灸のアプローチも異なります。

ここでは、それぞれの周期において、いつ頃鍼灸を受けるのが望ましいか、具体的な推奨タイミングを解説します。

【採卵周期】卵子の質の向上を目指すための鍼灸

質の良い卵子を育てるためには、卵子が成熟するまでの期間を見据えた継続的なケアが大切です。
卵子の元となる原子卵胞が発育を開始してから成熟卵胞になるまでには約3ヶ月かかると言われています。
そのため、採卵予定日の3ヶ月程度前から、週に1〜2回のペースで鍼灸を始めるのが理想的です。

この期間に鍼灸を継続することで、卵巣への血流を安定的に促進し、卵子の発育に必要な栄養素を届けやすい身体環境を維持します。
これにより、採卵時に質の高い成熟卵が得られる可能性を高めることを目指します。

関連記事:卵子の質を上げる食べ物とは?老化を防ぐ食生活と避けるべき食品

【胚移植周期】着床率を高めるための移植前後の鍼灸

胚移植周期においては、受精卵が着床しやすいよう子宮内膜のコンディションを最適な状態に整えることが目標となります。
特に重要とされるのが、胚移植の直前と直後のタイミングでの鍼灸です。
先行研究でも、このタイミングでの施術が妊娠率の向上に寄与したことが示されています。

移植前の施術は、子宮の血流を最大限に高め、内膜を厚くふかふかにする目的で行います。
一方、移植直後の施術は、子宮の過度な収縮を抑制し、精神的な緊張を緩和することで、受精卵が穏やかに着床するのを助ける狙いがあります。

不妊鍼灸を始める前に知っておきたい2つのポイント

不妊治療のサポートとして鍼灸を検討する際には、事前に理解しておくべき点がいくつかあります。
鍼灸は誰にでも必ず同じ効果が現れるわけではなく、また、施術を受ける施設の専門性によっても結果は左右されかねません。
ここでは、鍼灸による改善が期待できるケースとそうでないケースの違い、そしてエビデンスに基づいた信頼できる専門鍼灸院を選ぶための基準について具体的に解説します。

鍼灸で効果が期待できる人と改善が難しいケース

鍼灸は、血行不良による冷え、ホルモンバランスの乱れ、自律神経の不調、強いストレスなどが不妊の原因となっている場合に効果を発揮しやすいとされています。
特に機能性の不妊や、病院の検査では異常が見つからない「原因不明不妊」に対して有効な場合があります。

一方で、卵管が完全に詰まっている卵管閉塞や重度の子宮内膜症、男性の無精子症など、物理的・器質的な問題が不妊の主因である場合、鍼灸のみでの根本改善は困難です。
この場合、鍼灸は効果なしというよりも、あくまで医療機関での治療を補完し、身体のコンディションを整える役割と捉える必要があります。

エビデンスに基づいた施術を行う信頼できる鍼灸院の選び方

不妊治療をサポートする鍼灸院を選ぶ際は、まず不妊領域に関する専門知識と豊富な臨床経験を持つ施術者が在籍しているかを確認することが重要です。
ウェブサイトなどで、不妊症に関する最新の研究論文を学び、エビデンスに基づいた施術方針を掲げているかをチェックするのも一つの方法です。

また、初回のカウンセリングに十分な時間をかけ、病院での検査データなども参考にしながら、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの施術計画を立ててくれるかどうかも大切なポイントです。
医療機関での治療内容を尊重し、連携を意識してくれる専門性の高い鍼灸院を選びましょう。

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不妊治療における鍼灸に関するよくある質問

不妊症の改善を目指して鍼灸治療を検討するにあたり、多くの方が様々な疑問や不安を抱えています。
施術に伴う痛みや副作用の有無、男性不妊への効果、そして現在受けている病院での治療と両立できるのかなど、具体的な点について事前に知っておきたいと考えるのは当然です。

ここでは、不妊治療における鍼灸に関して頻繁に寄せられる質問をピックアップし、それぞれ簡潔に回答します。

Q1.鍼灸の施術に痛みや副作用はありますか?

治療に用いる鍼は髪の毛ほどの極細のものであるため、注射のような痛みはほとんどありません。
チクッとしたごく軽い刺激や、ズーンと響くような独特の感覚(得気)を覚える場合がありますが、強い苦痛を伴うものではないです。

副作用は基本的にありませんが、まれに皮下で微細な血管が傷つき内出血(青あざ)が生じることや、施術後に一時的なだるさを感じることがあります。

Q2.男性不妊に対しても鍼灸は効果が期待できますか?

はい、男性不妊症に対しても効果が期待できます。
鍼灸によって全身の血流を促進し、自律神経やホルモンバランスを整えることで、精巣機能の改善が目指せます。

精子の数や運動率、質(正常形態率)の向上が認められたという研究報告もあり、近年では不妊の原因が男性側にある場合や、夫婦で身体のコンディションを整えたい場合に鍼灸を受けるケースも増えています。

Q3.病院で行う不妊治療と鍼灸を併用しても問題ありませんか?

はい、全く問題ありません。
むしろ鍼灸は、病院で行われるタイミング法、人工授精、体外受精といった不妊治療の効果を最大限に引き出すことを目的として併用されるケースがほとんどです。
病院での治療計画やホルモン剤の使用状況、身体の状態に合わせて施術内容や頻度を調整するため、安心して両立させることが可能です。

通院中のクリニック名を鍼灸師に伝えておくと、よりスムーズな連携が期待できます。

まとめ

不妊症に対する鍼灸治療は、その効果に関する科学的エビデンスが蓄積されつつあり、多くの論文で妊娠率の向上や妊娠しやすい身体環境づくりへの貢献が示唆されています。
特に、子宮や卵巣の血流改善、ホルモンバランスの正常化、自律神経の安定といった作用メカニズムは、不妊の原因に多角的にアプローチするものです。

体外受精などの西洋医学的治療と鍼灸を併用することは、それぞれの長所を活かし、効果を高め合う可能性があります。
多様化する妊活や不妊治療の中で、鍼灸は心身のコンディションを整える有力なサポート手段の一つと言えます。

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この記事の監修者

峯岸 里美

峯岸 里美

本八幡鍼灸院 院長

日本鍼灸理療専門学校/学校法人花田学園卒業後、鍼灸院3年、鍼灸整骨院2年勤務後2008年6月株式会社ブレイシングに入社。
住吉鍼灸院で5年勤務した後2013年2月本八幡鍼灸院を開院し院長に就任。
開院から13年院長に従事。
不妊、男性不妊をメインに不妊に悩むご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校
住吉鍼灸院勤務
本八幡鍼灸院院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会

《SNS》

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