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流産後の生理はいつから?無排卵や不順は異常?次の妊娠に向けた期間

公開日:2025.12.25

流産という辛い経験の後、ご自身の体の変化に大きな不安を感じている方は少なくありません。
特に、次の生理がいつ来るのか、いつもと様子が違っても大丈夫なのか、そしていつから次の妊娠を考えられるのか、気になることは多いでしょう。

流産後の生理は、ホルモンバランスが元に戻る過程で、再開時期や経血量、周期が不順になることがあります。
最初の生理は無排卵である可能性も考えられます。
体の回復には個人差があるため、まずはご自身の体の状態を正しく理解し、焦らずに心身を休ませる期間を設けることが、次のステップへ進むために大切です。
正常な回復の目安や、安定に向けた過ごし方を知ることで、少しでも不安を和らげましょう。

流産後の最初の生理はいつから?再開時期の目安は4〜8週間

流産後に生理がいつ来るかについては個人差が大きいですが、一般的には流産した日から数えて4〜8週間後、つまり約1ヶ月から2ヶ月で再開することが多いです。
早い方では3週間ほどで来たというケースもありますが、最短でもそれくらいの期間はかかると考えられます。
いつ来たかという具体的な日数は、流産したときの妊娠週数や、手術の有無、ホルモンバランスの回復速度によって変動します。

通常、妊娠によって分泌されていたhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの値が下がり、体が妊娠前の状態に戻ることで排卵が起こり、生理はいつものように再開します。
6週を過ぎても生理がこない場合も珍しくありませんが、8週間(約2ヶ月)を過ぎても再開しない場合は、医療機関に相談することをおすすめします。

流産後の生理はいつもと違う?量や周期のよくある変化

流産を経験した後の最初の生理は、普段の生理と比べて変化が見られることが多く、おかしいと感じるかもしれません。
これは、妊娠によって大きく変動したホルモンバランスが、まだ完全に安定していないために起こります。
特に、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が不安定になりやすく、子宮内膜の厚みや剥がれ方に影響を与えるため、生理の周期や出血量が変わることがあります。

多くの体験談でも、生理の量がいつもより多かったり、逆に少なかったり、周期が乱れるといった声が聞かれます。
こうした変化は、体が元のリズムを取り戻そうとしている過程で起こる一時的なものである場合がほとんどです。
血の量や周期が安定しない状態は、数回の生理を経て徐々に元に戻っていくことが多いでしょう。

経血の量が普段より多い・レバー状の塊が出る

流産後の最初の生理では、経血の量が多いと感じたり、レバー状の血の塊が出たりすることがあります。
これは、妊娠によって厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちる際に、普段の生理よりも排出される内膜の量が多いためです。
特に、妊娠週数が進んでいた場合、子宮内膜も厚く成長しているため、出血量が大量になる傾向があります。
また、出血量が多いと、血液が腟内で固まってから排出されるため、レバーのような塊となって出てくることも珍しくありません。

通常、こうした症状は最初の1〜2回の生理で見られ、その後は徐々に落ち着いていきます。
ただし、ナプキンが1時間もたないほどの大量の出血が続いたり、強い腹痛を伴ったりする場合は、他の原因も考えられるため医療機関に相談しましょう。

経血の量が普段より少ない・すぐに終わる

経血の量が普段よりも明らかに少ない、あるいはごく少量の出血が短期間で終わるというケースも、流産後の生理ではよく見られます。
これは、ホルモンバランスがまだ完全に回復しておらず、排卵が正常に行われなかったり(無排卵月経)、子宮内膜が十分に厚くならなかったりすることが原因です。

子宮内膜が薄い状態では、剥がれ落ちる経血の量も少なくなるため、生理が軽いと感じたり、茶色やピンクなど色が薄い出血で終わったりすることがあります。
体が回復していくにつれてホルモンバランスが整い、子宮内膜も適切な厚さに戻ることで、生理の量も徐々に普段の状態に近づいていきます。
数回様子を見ても量が少ない状態が続く場合は、一度医師に相談してみるのもよいでしょう。

生理周期が乱れて予定より早く来たり遅れたりする

流産後はホルモンバランスがリセットされる過程にあるため、排卵のタイミングがずれやすく、生理周期が乱れることがよくあります。
そのため、予定より早いタイミングで生理が来たり、逆に大幅に遅れたりすることは珍しくありません。

特に、流産後すぐ、例えば2週間後など早い時期に見られる出血は、生理ではなく、手術や自然排出の際に子宮内に残った組織が出てくることによる不正出血の可能性も考えられます。
生理周期が短い場合や長い場合も、体が排卵のリズムを取り戻すにつれて、数ヶ月かけて徐々に元の周期に落ち着いていくことがほとんどです。
ただし、あまりに出血が頻繁に起こる場合や、周期が不安定な状態が長く続く場合は、医師の診察を受けることを検討してください。

生理痛がいつもより重いと感じることがある

流産後の生理では、いつもより生理痛が重いと感じることがあります。
この痛みにはいくつかの原因が考えられます。

一つは、子宮を収縮させて経血を排出する働きを持つ「プロスタグランジン」という物質の分泌量が、ホルモンバランスの乱れによって増加することです。
また、妊娠によって厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちる際に、子宮が強く収縮するため、下腹部痛や腰の痛みが増すこともあります。
さらに、流産という経験による精神的なストレスや悲しみが、痛みをより強く感じさせる要因となることも少なくありません。
痛みがひどく、日常生活に支障が出るような場合は、我慢せずに鎮痛剤を使用したり、婦人科で相談したりすることが大切です。

最初の生理は無排卵の可能性も?基礎体温でチェックしよう

流産後の最初の生理は、排卵を伴わない「無排卵月経」である可能性が考えられます。
流産後はホルモンバランスがまだ不安定で、脳からの排卵指令がうまくいかず、卵胞が成熟しないまま生理が来ることがあるためです。
無排卵月経の場合、通常の生理と同じように出血はありますが、排卵が起きていないため、基礎体温を測っても体温が上昇する「高温期」が見られません。
低温期がだらだらと続くのが特徴です。

自分の体がきちんと排卵しているかを確認するためには、基礎体温を記録することが非常に有効です。
毎朝、決まった時間に体温を測ることで、排卵の有無や体のリズムを把握でき、次の妊活に向けたコンディションを知る手がかりにもなります。

こんなときは病院へ|受診を検討すべき症状のサイン

流産後の体の回復過程では、いつもと違う症状が出ることがありますが、その多くは一時的なものです。
しかし、中には医療機関での診察や治療が必要なケースも存在します。
特に注意すべきサインを知っておくことで、適切なタイミングで受診し、深刻なトラブルを防ぐことができます。

自己判断で様子を見続けることで、貧血が進行したり、感染症が悪化したりするリスクも考えられます。
これから説明するような症状が見られる場合は、ためらわずに流産後の経過を診てもらった病院や、かかりつけの婦人科へ相談してください。
必要に応じて薬の処方や処置が行われます。

2ヶ月(8週間)以上たっても生理が来ない場合

流産した日から数えて2ヶ月(8週間)以上たっても生理が来ない場合は、医療機関を受診しましょう。
生理がこない原因としては、強い精神的ストレスやホルモンバランスの乱れが長引いていることなどが考えられますが、中には医学的な対応が必要なケースもあります。
例えば、子宮内に胎盤などの組織の一部が残っている「遺残絨毛」や、手術の影響で子宮内が癒着してしまう「アッシャーマン症候群」などが原因で、生理が止まってしまうことがあります。

これらの状態を放置すると、将来の妊娠に影響を及ぼす可能性もあるため、超音波検査などで子宮の状態を確認し、適切な治療を受けることが重要です。

大量の出血や激しい腹痛が続く場合

生理の出血量が極端に多く、ナプキンが1時間ももたない状態が続いたり、レバー状の大きな塊が何度も出たりする場合は注意が必要です。
また、日常生活を送るのが困難なほどの激しい腹痛や、生理期間を過ぎても出血が長引く不正出血も、受診が必要なサインです。

これらの症状は、子宮内に組織が残っている「遺残絨管」や、子宮の回復がうまくいっていない可能性があります。
出血が大量に続くと貧血を引き起こし、体力を著しく消耗してしまいます。
我慢できる範囲の痛みや出血量だと自己判断せず、異常を感じたら速やかに医師の診察を受けるようにしてください。

発熱や悪臭のあるおりものが見られる場合

流産後の処置や排出に伴い、子宮内に細菌が侵入し、感染症を引き起こすことがあります。
38度以上の発熱や、下腹部痛、そして普段とは違う悪臭を伴うおりものが見られる場合は、子宮内感染症の疑いが強いです。

この状態を放置すると、炎症が卵管や骨盤内全体に広がり、腹膜炎などの重篤な状態に進行する危険性があります。
また、将来の不妊の原因になる可能性も否定できません。
これらの症状は、体が発している危険信号です。
特に熱を伴う場合は、緊急性が高いと考えられるため、休日や夜間であってもすぐに医療機関に連絡し、指示を仰ぐようにしてください。

次の妊娠はいつから?妊活再開のタイミングと注意点

流産を経験した後、多くの方が「次はいつから妊娠を目指せるのだろう」と考えます。
気持ちが前向きになる一方で、焦りや不安を感じることもあるでしょう。

次の妊娠を健やかに迎えるためには、身体的な回復と精神的な安定の両方が大切です。
医師から特別な指示がない限り、妊娠後の体の回復を待ってから妊活を再開するのが一般的です。
ここでは、多くの医療機関で推奨されている妊活再開のタイミングや、その理由、そして注意点について解説します。
ご自身の心と体の状態を見つめながら、焦らずに準備を進めていくことが重要です。

妊活の再開は生理を1〜2回見送ってからが一般的

多くの医師は、流産後の妊活再開のタイミングとして、生理を1回ないし2回見送ってからを推奨しています。
これは、医学的に明確なルールがあるわけではありませんが、母体の回復を優先するための一般的な目安です。
最初の生理が来ることで、妊娠によって厚くなった子宮内膜がきれいにリセットされ、ホルモンバランスも整い始めます。

さらに、2回目の生理を迎える頃には、生理周期が安定し、排卵のリズムも戻ってくることが多いため、妊娠に適した体の状態になったと判断しやすくなります。
心身ともに回復するための期間を十分に確保することが、次の健やかな妊娠につながります。

なぜ生理を見送る必要がある?子宮の回復を待つため

流産後に生理を1〜2回見送ることを推奨される主な理由は、子宮が妊娠前の状態にしっかりと回復するのを待つためです。
妊娠すると、子宮内膜は受精卵が着床しやすいように厚く、ふかふかな状態になります。
流産後は、この厚くなった子宮内膜や妊娠組織を一度すべて排出し、きれいにリセットする必要があります。
生理が再開することで、このリセットが完了した一つのサインと見なせます。

また、妊娠を維持するために変動していたホルモンバランスが、通常の月経周期のリズムに戻るための期間も必要です。
子宮内膜が十分に回復し、安定したホルモン環境が整うことで、次の受精卵が着床しやすく、育ちやすい環境が作られます。

生理が来る前に妊娠する可能性と避妊の必要性

流産後、最初の生理が来る前に排卵が再開することがあります。
排卵があれば妊娠する可能性があるため、妊活の再開を考えていない場合は、医師から許可が出るまで性交渉を控えるか、必ず避妊をする必要があります。

生理を待たずに妊娠した場合、子宮の回復が不十分なために着床がうまくいかなかったり、再び流産につながるリスクが高まったりする可能性が指摘されています。
また、最終月経が不明なため、正確な出産予定日の算出が難しくなり、妊娠初期の胎児の成長評価や管理がしにくくなるという側面もあります。
心身の回復を最優先し、医師の指示に従って計画的に次のステップへ進むことが大切です。

心と体をいたわる流産後の過ごし方

流産は、体に大きな負担をかけるだけでなく、心にも深い悲しみや喪失感をもたらします。
身体的な回復はもちろんのこと、精神的なケアも同じように非常に重要です。

周りからは「大丈夫?」と心配されても、気丈に振る舞ってしまうことがあるかもしれません。しかし、無理をすることは心身の回復を遅らせてしまう可能性があります。自分自身の心と体を最優先に考え、いたわる時間を持つことが、穏やかな日常を取り戻し、次のステップへ向かうための力になります。焦らず、ご自身のペースで回復していくための過ごし方を取り入れてみてください。

無理せずリラックスできる時間を作る

流産後の体は、自分が思っている以上に疲労しています。
身体的な回復を促すためにも、まずは無理をせず、ゆっくりと休むことを最優先にしましょう。

家事や仕事は周りの人に頼るなどして、できるだけ負担を減らす工夫が必要です。
趣味に没頭したり、好きな音楽を聴いたり、温かいハーブティーを飲んだりと、自分が心からリラックスできる時間を作ることを意識してください。
悲しい気持ちや自分を責める気持ちが湧いてくるのは自然なことです。
そうした感情を無理に抑え込もうとせず、信頼できるパートナーや友人に話を聞いてもらうことも、心の回復につながります。

栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠を意識する

体の回復には、栄養と休養が不可欠です。
特に、出血によって失われがちな鉄分を補うために、レバーやほうれん草、赤身の肉などを意識して食事に取り入れましょう。
また、体の組織を修復するために必要なたんぱく質や、ホルモンバランスを整える働きのあるビタミン、ミネラルもバランス良く摂取することが大切です。
体を冷やさないよう、温かいスープや飲み物を摂ることもおすすめです。

そして、質の良い睡眠を十分に確保することで、心身の疲労回復が促されます。
寝る前にスマートフォンを見るのを控え、リラックスできる環境を整えるなど、安眠できる工夫を試してみてください。

基礎体温をつけて体のリズムを把握する

心身の負担にならない範囲で、基礎体温の計測を再開するのもおすすめです。
基礎体温を記録することで、生理の再開時期を予測したり、排卵がきちんと起こっているかを確認したりすることができます。
低温期と高温期の二相に分かれているかを見ることで、ホルモンバランスが整い、体が正常なリズムを取り戻しているかを客観的に知る良い手がかりになります。

日々の体温の変化を記録することは、ご自身の体の回復具合を把握する上で役立ち、次の妊活を考える際の安心材料にもなります。
ただし、計測がストレスになる場合は無理に行う必要はありません。

流産後の生理に関するよくある質問

流産後の体の変化については、多くの疑問や不安がつきものです。
ここでは、特に多くの方が抱える質問について、簡潔に解説します。

個人差があることを前提に、一般的な目安として参考にしてください。

Q1. 流産手術後と自然流産後で生理の再開時期に違いはありますか?

手術と自然排出で生理再開の時期に大きな違いはないことが多いですが、個人差があります。
稽留流産などで手術を行った場合、子宮内容物が除去されるためホルモン値の低下が比較的早く、回復がスムーズな傾向があります。

一方、自然排出の場合は、組織が完全に排出されるまでに時間がかかると、その分ホルモン値の低下が遅れ、生理再開も少し遅くなることがあります。

Q2. 化学流産の場合、生理はいつ来ますか?

化学流産の場合、生理は通常の生理予定日から数日〜1週間程度遅れて来ることが一般的です。
化学流産は、受精はしたものの着床が継続しなかった状態で、ごく初期段階での流産です。

そのため、体への身体的な影響は比較的少なく、ホルモンバランスの乱れも軽度なため、次の生理周期への影響も小さい傾向にあります。
出血量は普段の生理と同じか、少し多いくらいのことが多いです。

Q3. 流産後、妊娠しやすくなるというのは本当ですか?

流産後は子宮内がきれいになるため妊娠しやすくなるという話を聞くことがありますが、これに明確な医学的根拠はありません。
しかし、流産を乗り越え、心身のコンディションを整えて前向きに妊活に取り組むことで、精神的な安定が結果として妊娠につながる可能性は考えられます。

大切なのは、焦らずにご自身の体がしっかりと回復するのを待つことです。

まとめ

流産後の生理は、一般的に1ヶ月から2ヶ月で再開しますが、ホルモンバランスが不安定なため、最初のうちは流産後の生理量や周期に変化が見られることが少なくありません。
出血が1週間以上続く、2ヶ月経っても生理が来ない、あるいは発熱や激しい腹痛を伴う場合は、医療機関を受診してください。

次の妊娠は、子宮の回復を待つために生理を1〜2回見送ってからが推奨されます。
何よりも大切なのは、ご自身の心と体の声に耳を傾け、無理をせずに過ごすことです。
焦らず、ゆっくりとご自身のペースで回復していきましょう。

この記事の監修者

峯岸 里美

峯岸 里美

本八幡鍼灸院 院長

日本鍼灸理療専門学校/学校法人花田学園卒業後、鍼灸院3年、鍼灸整骨院2年勤務後2008年6月株式会社ブレイシングに入社。
住吉鍼灸院で5年勤務した後2013年2月本八幡鍼灸院を開院し院長に就任。
開院から13年院長に従事。
不妊、男性不妊をメインに不妊に悩むご夫婦に貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校
住吉鍼灸院勤務
本八幡鍼灸院院長就任

《所属》

日本不妊カウンセリング学会

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