妊婦の血圧が低い原因と対策|鍼灸で体調を整える方法
妊娠中は、ホルモンの変化や血液量の増加に伴い血圧が低くなることがあります。これは多くの妊婦が経験する自然な変化ですが、血圧低下に伴うめまいや倦怠感といった症状が発症する場合もあり、日常生活に影響を与えることがあります。本記事では、妊婦の低血圧の原因、基準値、症状、発症リスク、そして効果的な対処法を詳しく解説し、妊娠期間を快適に過ごすためのヒントをお届けします。
妊婦の血圧が低いとはどういう状態か
妊婦の血圧が低い状態とは、収縮期血圧が90mmHg未満、または拡張期血圧が60mmHg未満になることを指します。この状態は、妊娠中のホルモンバランスの変化や血液量の増加による影響が主な原因とされています。血圧が低下すると、脳や全身への血流が不足し、めまいや立ちくらみ、倦怠感といった症状を引き起こすことがあります。これらの症状は母体の健康だけでなく、胎児の発育にも影響を及ぼす可能性があります。特に胎盤への血流が減少することで、胎児への酸素供給や栄養供給が不十分になるリスクが高まります。妊娠中は血圧が変動しやすいため、定期的な血圧測定を行い、自分の状態を把握することが重要です。軽度の低血圧であれば生活習慣の改善で改善できる場合もありますが、症状が続く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師や専門家に相談し適切な対応をとることが求められます。
妊娠中の血圧の正常値とは
妊娠中の血圧の正常値は、収縮期血圧(上の血圧)が90〜139mmHg、拡張期血圧(下の血圧)が60〜89mmHgの範囲内とされています。この範囲は、母体と胎児の健康を維持するための重要な指標です。妊娠中はホルモンの影響で血管が拡張しやすくなり、一時的に血圧が低下することがあります。このため、正常範囲内での変動は自然な反応とみなされますが、大きく逸脱すると低血圧や高血圧のリスクが高まり、母体や胎児に影響を与える可能性があります。特に血圧が変動しやすい妊娠初期から中期にかけては、定期的な血圧測定を行い、異常がないか確認することが大切です。
血圧が低いとされる基準値
低血圧とは、一般的に収縮期血圧が90mmHg未満、または拡張期血圧が60mmHg未満の状態を指します。妊娠中にこの基準を下回る場合、めまいや立ちくらみ、倦怠感といった症状が現れることがあります。血圧が極端に低下すると、胎盤への血流が不足し、胎児への酸素供給や栄養供給が十分に行われなくなるリスクも考えられます。そのため、低血圧が続く場合は、医師や専門家に相談し適切な対策を講じることが必要です。また、妊婦健診での血圧測定を怠らず、状態を把握しておくことが母体と胎児の健康を守る鍵となります。血液は脳→内臓→その他の順に優先して送られるため子宮は内臓ですが生命維持には関与しないため送られる優先度が低いので注意しましょう。ただ、そんなに身体は弱くないので過敏になる必要はありません。
妊娠中に血圧が低くなる主な原因
妊娠中は母体の体内でさまざまな変化が起こり、その結果として血圧が低下します。妊娠に伴い、胎児を育む子宮への血流が増加し、全身の血液循環が変化することで血圧が下がることが一般的です。これは自然な反応ですが、母体や胎児の健康に影響を与える可能性があるため、原因を理解し適切な対策を取ることが重要です。主にホルモンバランスの変化、血液量の増加、ストレスや疲労の影響が血圧低下の原因として挙げられます。以下では、それぞれの原因について詳しく説明します。
ホルモンバランスの変化
妊娠中、プロゲステロンというホルモンが多く分泌され、血管を拡張させる働きをします。この作用により血液の流れがスムーズになる一方で、血圧が低下しやすくなるのです。特に妊娠初期はホルモンバランスの急激な変化が起こり、この影響を受けやすい時期といえます。このホルモンによる変化は胎児の発育をサポートするための自然な過程ですが、めまいや立ちくらみなどの症状が強く現れる場合には注意が必要です。鍼灸治療を取り入れることで、自律神経を整え、ホルモンバランスの乱れを改善するサポートが期待できます。また、ホルモンは血液によって運ばれるため血液をサラサラに保つことも必要です。
血液量の増加による影響
妊娠中は胎児と胎盤に酸素や栄養を送るため、母体の血液量が約50%増加します。この急激な血液量の増加により、血管が拡張し、一時的に血圧が低下することがあります。特に妊娠中期以降にはこの影響が顕著になり、倦怠感やめまいが現れることも少なくありません。このような症状を緩和するためには、日常的な水分補給や栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。鍼灸による血流改善も、血圧低下による不調の対策として有効です。
ストレスや疲労が影響する場合
妊娠中のストレスや疲労は、自律神経の乱れを引き起こし、血圧の調整機能に影響を与えることがあります。ストレスが高まると交感神経が優位になり、血管が収縮したり拡張したりして血圧が不安定になります。また、疲労が蓄積すると体内のエネルギーが不足し、低血圧を引き起こしやすくなるのです。こうした場合は、適度な休養やリラクゼーションが必要不可欠です。鍼灸施術は、ストレス緩和や疲労回復をサポートする効果が期待できるため、妊娠中の不調を感じた際に試してみる価値があります。
妊娠中の低血圧の症状とそのリスク
妊娠中の低血圧は母体にさまざまな症状を引き起こすだけでなく、胎児にも影響を与える可能性があります。以下では、低血圧に関連する具体的な症状とそのリスクについて詳しく解説します。めまいや倦怠感などの日常的な不調から、胎児への影響まで理解を深め、適切な対策を取りましょう。
めまいや立ちくらみ
低血圧の代表的な症状がめまいや立ちくらみです。これは、血液が脳に十分供給されないことが原因で起こります。特に朝起きた直後や急に立ち上がった際に症状が出やすく、ひどい場合は倒れてしまうこともあります。妊婦が転倒すると、母体だけでなく胎児にも大きなリスクをもたらすため、注意が必要です。この症状を緩和するためには、ゆっくりとした動作を心がけることが重要です。特に立ち上がり動作は注意してください。
また、鍼灸による血流改善や自律神経の調整は、めまいの頻度を減らす効果が期待できます。
倦怠感や集中力の低下
低血圧により全身の血液循環が不十分になると、酸素や栄養が各組織に行き渡らず、倦怠感や集中力の低下が生じることがあります。この状態は、日常生活の中で活動量を大きく制限し、家事や仕事の効率を低下させる原因となります。妊婦にとってこうした疲労感が続くと、ストレスの増加や体調不良に繋がる可能性が高まります。適切な栄養摂取や休養をとってください。
胎児への影響はあるのか?
低血圧が続くと、胎児への酸素や栄養の供給が不足するリスクがあります。特に胎盤への血流が減少すると、胎児の発育が遅れる可能性や、場合によっては早産のリスクが高まることもあります。ただし、軽度の低血圧であれば胎児に直接的な影響を与えることは少ないとされています。それでも、母体の症状が重い場合や不安がある場合は、早めに医師や専門家に相談し、適切な処置を受けることが重要です。鍼灸治療を活用することで、血流の改善やリラクゼーション効果が期待でき、胎児の健全な発育をサポートできます。また、ケッセントールというサプリメントを取ると使われていない毛細血管が復活するとともに、内膜から胎児への血管も増えて栄養を送りやすくなります。
妊婦の低血圧を改善する方法
妊娠中の低血圧は、日常の習慣を見直すことで改善できる場合があります。適切な栄養摂取や生活習慣の調整、医師や専門家のサポートを受けることが重要です。以下では、妊婦が低血圧を改善するための具体的な方法を解説します。
栄養バランスを整える食事
低血圧の改善には、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。特に、鉄分やビタミンB12を豊富に含む食品は、血液の質を向上させ、血流を改善する効果があります。また、たんぱく質や塩分も適度に摂取することで、血圧を安定させる手助けとなります。食事の回数を増やして少量ずつ摂ることで、血糖値の急激な変動を防ぎ、体調の安定に繋がります。鍼灸治療との併用により、栄養の吸収をサポートし、体内の循環をより効率的に改善することが期待できます。
無理のない適度な運動
適度な運動は血流を促進し、自律神経を整えるのに役立ちます。妊娠中の運動は無理のない範囲で行うことが大切です。ウォーキングやヨガ、軽いストレッチなどが推奨され、特に妊婦向けのプログラムを取り入れることで安全性が高まります。運動はストレス軽減にも効果的で、体全体の血行を良くし、低血圧の症状を緩和します。鍼灸治療を併用することで、筋肉の緊張を和らげ、血流改善の相乗効果が得られるため、運動と組み合わせることをおすすめします。
休養とリラックスを心がける
妊娠中はホルモンバランスや血流量の変化により疲れやすくなるため、十分な休養が必要です。昼間の短い休憩や夜間の質の高い睡眠を確保することで、身体が回復しやすくなります。また、アロマやマッサージ、瞑想などのリラクゼーション方法を取り入れることで、自律神経のバランスを整えることができます。鍼灸治療も、リラックス効果と自律神経の調整に役立つため、妊婦さんが安心して利用できる施術法として推奨されます。ただ、妊婦さんの治療を受け入れてくれる鍼灸院は少ないかもしれません。本八幡鍼灸院では妊娠初期から臨月まで鍼灸治療をすることができます。
妊婦健診を欠かさない
妊娠中の低血圧に限らず、定期的な妊婦健診は母体と胎児の健康を守る上で不可欠です。血圧の測定や血液検査を通じて、異常を早期に発見することが可能です。特に、低血圧が続く場合や症状が悪化する場合は、医師と相談し、必要な対策を講じることが重要です。
妊娠中の低血圧時に注意したいポイント
妊娠中の低血圧を改善し、快適な日常生活を送るためには、日々の行動にいくつかの注意点を取り入れることが重要です。以下では、低血圧時に特に気を付けたいポイントを詳しく解説します。
朝は急に起き上がらない
妊娠中は低血圧によるめまいや立ちくらみが起こりやすく、特に朝の急な起き上がりが原因で症状が悪化することがあります。朝起きる際は、まずベッドの上で体を横にしたまま数分間深呼吸を行い、ゆっくりと上体を起こすようにしましょう。また、起きる前に軽く手足を動かして血流を促進することも有効です。こうした動作を習慣化することで、朝の不快な症状を予防することができます。鍼灸治療を併用すれば、自律神経を整え、血流改善をさらにサポートするとともに睡眠の質を向上できます。
長時間の立ち仕事や外出はなるべく避ける
妊娠中の低血圧は、長時間立ち続けたり、過度に活動したりすることで症状が悪化することがあります。特に立ち仕事では、血液が下半身に溜まりやすく、脳への血流が不足することでめまいや疲労感が強まります。適度に休憩を取り、足を高くしてリラックスする時間を確保することが大切です。外出時も、長時間歩き続けるのではなく、こまめに座るなどして体を労わりましょう。鍼灸治療で血流を改善し、体調を整えることで、日々の活動がより快適になります。
水分補給を怠らない
水分補給は妊娠中の低血圧対策として非常に重要です。脱水状態になると血液量が減少し、血圧がさらに低下するリスクがあります。1日を通してこまめに水分を摂取する習慣を身につけましょう。特に夏場や運動後は体内の水分が失われやすいため、意識的に補給することが必要です。水だけでなく、適度な塩分やミネラルを含む飲料を摂ると、体内の電解質バランスも整いやすくなります。盲点は冬場です。寒いとなかなか水を取らなくなってしまうので時間を決めて飲んでください。
妊娠中の低血圧と上手に付き合うコツ
妊娠中の低血圧は多くの妊婦に起こりうるものですが、適切な対応を取ることで症状を和らげ、日常生活を快適に過ごすことが可能です。以下では、低血圧と上手に付き合うための具体的なコツを解説します。
自分の体調に敏感になる
妊娠中は、日々の体調が変化しやすいため、自分の身体のサインに敏感になることが大切です。めまいや立ちくらみ、疲労感を感じた際は無理をせず、すぐに休息を取るよう心がけましょう。また、日記やアプリを活用して体調の変化を記録することで、症状が出やすい時間帯や状況を把握しやすくなります。これにより、自分に合った予防策や改善策を見つけることができます。鍼灸治療を併用することで、自律神経を整え、日々の不調を軽減する助けになります。本八幡鍼灸院では、妊娠中のつわりや腰痛、頭痛や眩暈、妊娠線予防など様々なお悩みに対処いたします。
医師や専門家に相談する
低血圧の症状が続く場合や、日常生活に支障をきたすほど重い場合は、医師や専門家に相談することが重要です。妊娠中は特に安全な治療が求められるため、定期的な妊婦健診を欠かさず受け、必要に応じて適切なアドバイスをもらいましょう。また、本八幡鍼灸院では、妊婦特有の症状に対応した施術を行い、体調改善をサポートします。専門家の力を借りることで、妊娠生活をより安心して過ごすことが可能になります。
その他妊娠時に気を付けること
妊娠中は低血圧以外にも注意すべき健康リスクがいくつかあります。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病は、母体と胎児の健康に大きな影響を与える可能性があるため、早期の予防や管理が重要です。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に血圧が140/90mmHg以上になる状態を指し、重症化すると母体や胎児に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に胎児の発育遅延や早産のリスクが高まるため、注意が必要です。この症候群の予防には、塩分を控えたバランスの良い食事や適度な運動が効果的です。また、妊婦健診で定期的に血圧を測定し、早期発見に努めることが大切です。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊娠中に血糖値が高くなる状態を指します。この症状は、胎児の巨大児化や出産時の合併症を引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。妊娠糖尿病の予防には、炭水化物の摂取量を調整し、血糖値を安定させる食事が有効です。また、適度な運動を行うことでインスリンの働きを促進することも推奨されます。
まとめ
妊娠中の低血圧は、母体だけでなく胎児の成長に影響を与える可能性があります。そのため、日々の生活習慣を見直し、妊婦健診を欠かさず受けることが大切です。また、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった合併症にも注意を払い、早期の予防や対応を心がけることで、母体と赤ちゃんの健康を守ることができます。本八幡鍼灸院では、妊婦特有の症状に対応した施術を提供し、体調の改善や安定をサポートします。定期的なケアを取り入れることで、赤ちゃんの健やかな発育を支えながら、安心して妊娠期間を過ごせる準備を整えましょう。
監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)
2004年3月 鍼灸師国家資格取得(https://www.harikyu.or.jp/)
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院