鍼灸治療による精子数の増加と精子運動率の上昇について
男性の不妊鍼灸
鍼灸治療による精子数の増加と精子運動率の上昇
精子が作り上げられるまで大体70~80日かかります。
乏精子症や重度の精子無力症などの異常がある場合、長期的な鍼灸治療(70-80日)が必要になります。鍼灸を始める時期は結果を出さなければならない大切な日から逆算して70~80日前です。
ただし、原因が精漿の質の場合は、数回の治療で結果が出ます。
精液は全体の約90%を占める精漿と約10%の精子細胞成分の割合です。
その約10%の割合の中に通常精子数は1億/ml前後あります。
精漿には様々な役割がありますが、妊娠成立にとても大切です。精漿の役割はこちら。
1、精子を輸送する働き。
2、タイミング後に腟からの精子の流出を防止する働き。
3、射精後に卵子へ向かって運動する精子運動のペース配分をして、受精に必要なエネルギーを蓄積する働き。
4、精子が受精する能力を失わないようにする働き。(実は、精液中の精子はそのままでは卵に受精することはできません。子宮・卵管において精子表面と精子内の代謝がなされて変化していきます。その変化によって受精する能力を得るのです。せっかく得た能力を失わないようにするための働きを精漿が担っています。)
5、腟内の酸性環境に対してのPH調整をする働き。(精子は酸に弱くアルカリ性です。膣内の酸に負けないようにアルカリ性のバランスを保つために働きます。)
6、 運動性やDNA損傷を予防する働き
特に、精子の運動性を高める役割を果たす前立腺特異抗原濃度を改善することできれば、運動率の改善が見られます。
勃起機能の改善
勃起に関与する陰部神経や副交感神経と腰椎に存在する勃起中枢を鍼で刺激することで効果を発揮します。
射精機能の改善
タイミングを取る場合の方は、心因性の射精障害でない限りですが、射精をするために働く神経に鍼刺激を加え、さらに自律神経のバランスを取ることで射精機能の改善をします。