チョコレート嚢胞の症状によるお悩みを解消しませんか?

チョコレート嚢胞とは

チョコレート嚢胞とは本来子宮の内側にある子宮内膜が、卵巣に発生することで起こる子宮内膜症の症状の一種です。女性の3%〜10%が発症するとされるポピュラーな疾患ですが、痛みを伴ったり不妊症の原因に繋がります。 今回はチョコレート嚢胞の症状や治療法について解説いたします。

不妊症の原因?チョコレート嚢胞があると妊娠できないの?

いいえ、そんなことはありません。しかしチョコレート嚢胞の中でも軽症の場合は50%、重症では5%ほどの妊娠率と言われております。手術した場合はほとんどの方が2年以内に妊娠に至っています。

チョコレート嚢胞の症状

月経痛がひどく、月経のたびに悪化していくのが特徴です。更に悪化していくと月経ではない時も下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛などが出る可能性があります。また、チョコレート嚢胞が破裂する場合もあり、その場合は急激に非常に強い痛みが発生します。

チョコレート嚢胞ができる原因

明らかな原因はわかっておりません。女性ホルモンが関連しているのではないかと考えられています。本来卵巣にできた子宮内膜病巣も月経時に剥離して経血として排出されるのですが、排出できなかった血液がチョコレートのような状態で溜まっていき嚢胞を作ってしまうのがチョコレート嚢胞です。

血行不良

東洋医学ではチョコレート嚢胞は『瘀血(おけつ)』と考えます。瘀血は血液の流れが悪くなり血液が滞った状態を言います。運動不足や糖質のとり過ぎにより血液がドロドロになるのを防ぐ必要があります。

水分代謝異常

東洋医学では瘀血の他に『痰湿(たんしつ)』とも考えます。痰湿はドロドロとした余分な水分が滞った状態を言います。内臓の調子が悪くなると水分の代謝が悪くなるのが原因のため内臓をしっかり休ませることが重要です。

自律神経の乱れ

ストレスや過労、睡眠不足などにより自律神経が乱れることによりホルモンバランスや本来の卵巣の機能などの低下なども関係すると考えられます。東洋医学では『肝鬱気滞(かんうつきたい)』といい、気の流れが滞った状態です。生活習慣を改めて気血水のめぐりのバランスを整えることが大切となります。

チョコレート嚢胞と子宮内膜症の違い

大きな違いは限定された場所と重症化するかしないかです。

子宮内膜症は卵巣、ダグラス窩、仙骨子宮靱帯、卵管など子宮の内側以外に子宮内膜と同じような組織ができるものです。チョコレート嚢胞は卵巣に限定され、卵巣に血液が溜まりだんだんと大きくなり痛みなどの症状が重症化して行きます。時には癌化する可能性もあるのがチョコレート嚢胞と子宮内膜症の違いといえます。

まずは婦人科を受診しよう。医師による検査と治療法について

月経痛が強い方、月経にドロっとした塊がある方は早めの検査をおすすめします。月経痛はあることが普通だと思っている方も多いのですが、本来月経痛はないのが普通です。月経痛は子宮内膜症だけではなく、多くの婦人科疾患を引き起こす原因の一つであると考えられてきています。疾患を引き起こす前に検査をしてください。

超音波検査

超音波検査は大きさや位置を知ることができます。超音波検査には『経腹超音波法』と『経膣超音波法』の2つがあります。経腹超音波法はおなかの上から超音波の探触子をあてる方法です。経膣超音波法は探触子を膣から挿入する方法です。経膣超音波法がより詳しい所見が得られます。

MRI検査

MRI検査は特にチョコレート嚢胞を正確に画像診断することができます。

 その他の検査

他には血液検査や腹腔鏡検査があります。血液検査は主に薬や手術での治療後の経過観察として用いられます。腹腔鏡検査は確定診断として用いられます。

薬物療法

薬物療法は『対症療法』と『ホルモン療法』に分けられます。対症療法は痛みに対しての治療で鎮痛剤を処方します。ホルモン療法はエストロゲンの分泌を抑制して子宮内膜症の病巣を萎縮させます。

手術療法

手術療法は『保存手術』と『根治術』の2つに分けられます。保存療法は子宮や卵巣を温存する手術です。未婚の方や妊娠を希望される方に用いられます。根治術は子宮や卵巣を全て摘出します。妊娠の希望がなく薬物療法では効果を得られない症状の強い方が対象です。

チョコレート嚢胞が改善しにくい理由

薬物療法では痛みやエストロゲンに対しての処置、手術ではその病巣を取り除くことから、その根本にある生活習慣や自律神経を改善するわけではないからです。

本八幡鍼灸院の治療法

本八幡鍼灸院では西洋医学的観点と東洋医学的観点、それから2人以上の先生でその方の体質やチョコレート嚢胞になった背景を診ていきます。

西洋医学的観点

自律神経をメインにホルモンバランスを整えていきます。良い状態の月経は良い状態の排卵が必要です。つまり卵胞の質を高めることで月経の周期や痛みを改善し、エストロゲンの過剰な分泌を防ぎます。そのために後頭下筋群や起立筋、お腹の緊張を指標にそれを取り除く鍼を行います。

東洋医学的観点

気血水のバランスを整えて行きます。気はストレスや胸のモヤモヤを解消するように太衝や合谷などの気の分散が得いなツボを用います。血に対しては血海や中封などの瘀血を取り除くツボを用います。水に対しては豊隆や大包などの痰湿を除くようなツボを用います。その人によってどういう体質なのか腹診や脈診、舌診などを用いて判断し選穴いたします。

チョコレート嚢胞でも妊娠できる理由

チョコレート嚢胞では前述した通り何も対策をしなくても50%ほどの確率で妊娠いたします。鍼灸治療では病院やクリニックでの治療を邪魔することなく自律神経や東洋医学的観点から施術が出来るため妊娠の確率は格段と上がります。

ハイパーナイフで瘀血を除去

当院ではハイパーナイフという簡単にいうと身体を温める施術器具を用いて瘀血の除去を図ります。瘀血は熱に弱いためお腹からしっかり熱を伝えていきます。

よもぎ蒸しで徹底的に温める

よもぎ蒸しによって膣内からよもぎの薬効成分を吸収させると同時に身体全体を徹底的に温めて瘀血の除去、また汗をかくことで痰湿の除去を図ります。

抗酸化成分(SOD)で炎症を抑え癌化を阻止する

SODは医者が癌患者に対して使用するほど抗酸化作用が強いサプリメントです。炎症を抑えることで月経痛の痛みや繰り返される炎症によって癌化するリスクを減らすことができます。

チョコレート嚢胞でも妊娠するまとめ

  • チョコレート嚢胞でも妊娠できる
  • 気血水のバランスを整えることが重要
  • 自律神経やホルモンバランスを整える事が肝心
  • 根本にある生活習慣を整えていくことから始める
  • 生理痛が強い場合は早めの検査

執筆者:市川市 本八幡鍼灸院 中嶋 宝

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