子宮筋腫と妊活|不妊症との関係についても徹底解説

そもそも子宮筋腫とは

子宮筋腫とは子宮の壁に出来る良性の腫瘍です。生命を脅かすことはありませんが、複数個出来ることが多く、数や大きさによって症状が違ってきます。

子宮筋腫の原因

子宮筋腫の原因ははっきりしていませんが、女性ホルモンの過剰分泌だと言われています。そのため閉経後は小さくなる傾向があります。

子宮筋腫の症状

症状は、子宮筋腫ができている場所や大きさ、しこりの数によって異なります。また、しこりが小さい場合には症状が出ないこともあります。主な症状として以下のようなものがあります。

貧血

子宮筋腫が子宮内腔にできる粘膜下筋腫になると、筋腫が小さくても過多月経などを引き起こし、月経血の多さから貧血の原因になります。

腰痛

子宮筋腫が大きくなると様々な器官を圧迫します。その時に脊柱周辺の神経を圧迫すると、腰痛に繋がります。

月経痛

子宮筋腫が月経痛困難症を引き起こすことはあまり一般的ではありませんが、月経痛を引き起こすことはよくあります。場所や人によりズーンというような重い痛みや、陣痛に似た押し寄せるような強い痛みを感じる方もいます。

下腹部痛

子宮筋腫は基本的には無症状ですが、大きくなってくると下腹部を圧迫していきます。それが酷くなると下腹部に痛みを感じることがあります。

月経異常

子宮筋腫による月経異常は月経量の増加と塊の量が増えることが多いです。それにより月経が止まりづらく、慢性的に鉄分が失われることから貧血になりやすいです。

子宮筋腫になりやすい人の特徴

女性ホルモンの中でも卵巣から分泌されるエストロゲンによって成長するため、30代以上の若年層に多く発症します。また、月経の始まりが早い方にも子宮筋腫になりやすいと言われています。

3種類の子宮筋腫

子宮筋腫には3種類あり、子宮の内壁に出来る「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできる「筋肉内筋腫」、子宮の外側にできる「漿膜下筋腫」に分けられます。

粘膜下筋腫

粘膜下筋腫は子宮の内側で内膜の直下にできるものをいいます。子宮筋腫の5〜10%を占めます。ひどい月経痛や過多月経の症状が起きやすく、不妊症や流産の原因になることもあります。

筋層内筋腫

子宮は平滑筋と言われる自分ではコントロール出来ない筋肉で出来ています。その筋肉にできるのが筋層内筋腫です。子宮筋腫の70%を占め最も多いです。月経量が増えたり、不妊の原因になることもあります。

漿膜下筋腫

子宮の外側で腹腔側に成長するものを漿膜下筋腫と言います。内膜側への影響はありませんが、まれに激痛を及ぼすことがあります。子宮筋腫の10〜20%を占めます。

子宮筋腫を放っておくと?

放置しても生命を脅かすことはほとんどありませんが、生理期間が長引いたり、不正出血、貧血によるめまいや倦怠感を感じるようになります。更に巨大化すると周りの臓器を圧迫するため排尿障害や便秘、下腹部痛などに発展します。人によっては10キロ以上に及ぶことがあり、双子を妊娠しているかのようなお腹に膨れあがります。

クリニックでの検査・治療

子宮筋腫は良性の腫瘍であるため検査で見つかったからといって、過度な心配は不要です。とはいえ、大きくなりすぎると諸症状が出て来たり、場所によっては妊娠にも関わりますので検査は受けた方がいいです。

子宮筋腫の検査

子宮筋腫の検査は超音波検査、血液検査、子宮内視鏡検査、MRIがあります。初期の検査としては経膣超音波検査が一般的です。

超音波検査

腟内にプローブと言われる細く長い器具を挿入し、超音波を当てて腟内、腹腔内の状態を確認します。 子宮筋腫の大きさや数、位置や種類に加え、卵巣に異常がないかも発見できますので、ぜひ子宮頸がん検査の際に合わせて超音波検査を受けて頂くことをお勧めします。

子宮内視鏡検査

子宮の内腔に生理食塩水を入れてふくらませ、子宮鏡と呼ばれる直径3~5ミリの細い管のような内視鏡カメラで調べる検査です。 内視鏡を腟から子宮に入れて観察するので、子宮内部の状態を確認することができます。 子宮筋腫の中でも、月経量などに影響を及ぼしやすい、粘膜下筋腫の診断に適しています。

MRI

強い磁力を発生するMRI装置を用いて、子宮筋腫を画像化し診断する検査です。 確定診断には用いることが出来ませんが、子宮筋腫を疑う根拠にはなります。 子宮がんの早期発見には、本検査ではなく細胞診検査がおすすめです。

子宮筋腫の治療

クリニックでの治療は主に手術と薬物療法があります。手術では子宮全摘出もしくは筋腫核手術があります。薬物療法の場合、エストロゲンの分泌を抑える薬や、鎮痛剤やピルにより様子を見ることがあります。

薬物療法

薬の治療では閉経状態にしてしまう治療(偽閉経療法)が行われます。治療薬には飲み薬と4週間に1回の注射薬の2種類があります。しかし、この治療では女性ホルモンの分泌が少なくなるので更年期の症状がでたり長期的には骨粗鬆症、心疾患のリスクを上げるため半年以内しか治療できません。また、治療初期には不規則な出血を認めることもあります。治療中は子宮筋腫が小さくなりますが、治療を中止するとまた大きくなってくることが多いです。筋腫を小さくするために、手術前に一時的に使用するか、閉経に至るまでの一時的治療として行われています。

手術

手術は子宮全摘術と筋腫核出術があります。

将来子供がほしい人では筋腫だけ取る手術を実施しますが、手術の際、出血が多くなるのが難点です。また、筋腫をとる手術をすると、出産の際に帝王切開が必要となる場合があります。子宮筋腫は複数個できることが多く、子宮の表層から見てもわからないような小さな筋腫は手術でも取り残すことになります。そのため数年後には取り残した筋腫がまた大きくなってくることもあります。

子宮筋腫と不妊症の関係

一般的には子宮筋腫があっても自然妊娠できます。ただ、粘膜下筋腫や筋層内筋腫は大きさや量によっては不妊になる可能性がありますので、月経量が増えた場合クリニックや産婦人科への受診をオススメします。

子宮筋腫が妊娠しづらい理由

自然妊娠できることが多いですが、子宮筋腫が妊娠の妨げになる場合としては以下のようなものがあります。

・筋腫の圧迫によって卵管の内腔を細めてしまう

・卵管が引き伸ばされ精子や卵子の輸送に影響が出る

・子宮内腔に突出すると着床の妨げになる

子宮筋腫でも妊娠できる理由

子宮筋腫は大きさや量によるところではありますが、内膜や卵管には影響を及ぼすことはほとんどないため自然妊娠することがほとんどです。

子宮筋腫のクリニックでの妊活治療

クリニックでの子宮筋腫による不妊治療は手術が一般的です。不妊の原因になっている部分を取り除くことで妊娠しやすい身体にします。

子宮筋腫の東洋医学的視点

東洋医学的に子宮筋腫を見ると「気滞」や「瘀血」の症状と考えられます。イライラしたりモヤモヤした時に喉につっかえる感じや、お腹が張るような感覚が、気が滞った状態だと思ってくださいそれが気滞です。月経血に塊が混ざっていたり、鼻血を出した後、血が固まった物が鼻に残ることがあると思います。それが瘀血だと思ってください。それらが子宮の中で起きたものを東洋医学では子宮筋腫と考えます。

本八幡鍼灸で子宮筋腫の方への治療法

本八幡では西洋医学的観点と東洋医学的観点の両方から症状を見ます。東洋医学的に気滞や瘀血を治療するとともに、西洋医学的に気滞はストレスの現れなので自律神経を整え、瘀血は血行障害によるものと考えるので患部にも鍼を刺し血行障害を改善していきます。

鍼灸

鍼灸では鍼をした周囲を緩めるだけではなく、血を集めることや散らすこともできます。瘀血として集まった血を散らし、綺麗な血を集めます。気滞に関してはパルス治療を行い運動に似た効果を出し気の滞りを取っていきます。

よもぎ蒸し

気滞や瘀血は冷えから来ることも多く、子宮筋腫の方も冷え性などに困っている方が多いです。身体全体かつ子宮を直接温められるよもぎ蒸しは効果的です。

ハイパーナイフ

ハイパーナイフはお腹から子宮や卵巣を温めることのできる物療器具です。ハイパーナイフは脂肪を溶かす働きもあるため脂肪による癒着などもとることができます。

まとめ

  • ・子宮筋腫でも自然妊娠できることがほとんど
  • ・月経量が増えた時はクリニックを受診する
  • ・子宮筋腫は瘀血や気滞によるもの
  • ・子宮筋腫には鍼、よもぎ蒸し、ハイパーナイフがおすすめ

 

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監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)

2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院