無精子症について原因から治療手術まで徹底解説!
男性特有の無精子症とは
無精子症とは精液中に精子が全く見られない状態を無精子症といいます。 正式な診断としては、2回の精液採取検査で2回とも精⼦を確認できない場合に、無精子症と診断されます。
無精子症と不妊の関係
妊娠に必要な要素として「卵子の質」「子宮環境」「精子の質」が必要
不可欠な要素です。その中で無精子症というのは精子の質に大きく関わり、精子がいなければ妊娠することは出来ません。
無精子症の原因
精路の閉塞(炎症、手術、先天性)によるものや、両側停留精巣、クラインフェルター症候群、Y染色体微小欠失などの先天性のもの、
両側停留精巣、クラインフェルター症候群、Y染色体微小欠失などの後天的なものがあります。
2種類の無精子症と症状
無精子症には精管が詰まってしまっている「閉塞性」と、精管のつまり以外の原因で精子がいなくなっている「非閉塞性」の2種類があります。それぞれ治療法が異なりますので正確な診断が求められます。
閉塞性無精子症
精巣(睾丸)の機能は正常で、精子はたくさん作られているにも関わらず、精子の通り道が何らかの原因で閉塞しているため、精子が出て来られない状態を閉塞性無精子症とよびます。一般的に男性不妊患者の15%程度は無精子症とされますが、閉塞性無精子症は無精子症患者のさらに15%程度で、全男性不妊患者の2%程度の頻度と言われています。
閉塞性無精子症の原因
原因は主に3つあり「精管の閉塞」「射精管での閉塞」「精巣上体での閉塞」です。
- ・精管の閉塞は男性避妊の為のパイプカット、幼少期の鼠経ヘルニアの手術によるもの、先天性のものが挙げられます。
- ・射精管での閉塞は嚢胞によるもの、尿道感染などによる炎症や傷の治癒で出来た癒着が挙げられます。
- ・精巣上体での閉塞は、精巣上体炎による瘢痕、慢性の気管支炎や副鼻腔炎と同時に起こる原因不明のヤング症候群が挙げられます。
非閉塞性無精子症
何らかの原因により精巣(睾丸)で精子を作る能力が低下してしまったため、無精子症になった状態、これを非閉塞性無精子症と呼びます。無精子症の内3分の2は非閉塞性と言われております。
非閉塞性無精子症の原因
成人になってからのおたふくかぜによる精巣炎、染色体異常(クラインフェルター症候群)、原因不明の造精機能障害が挙げられます。
無精子症の見た目や自覚症状
無精子症だからといって必ずしも精子の見た目や睾丸、陰嚢の見た目に変化があるとは限りません。自覚症状が無いことも多く妊活を始めて気づく人がほとんどです。無精子症に限らず陰嚢や精子の見た目に異常がある場合には出来るだけ早く泌尿器科への受診をお勧めします。
陰嚢(いんのう)の見た目で見わかること
- ・精巣サイズに左右差がある
- ・陰嚢サイズに左右差がある
- ・陰嚢が常に垂れている
- ・陰嚢表面がデコボコしている
- ・陰嚢内にミミズが這っているように見える
- ・陰嚢内にうどんのようなものがある
精液の見た目でわかること
- ・精液量が少ない(乏精子症)
- ・血液が混ざる
- ・透明な精液(白く濁っていない)
自覚症状でわかること
- ・陰嚢が腫れている・デコボコしている
- ・陰嚢に熱を持っている
- ・陰嚢に痛みや違和感がある
クリニックでの検査方法・治療方法
クリニックでは検査を元に医師が治療していきます。治療といっても無精子症を治す治療は現在のところなく、精巣内から数少ない精子を取り出し顕微授精する事で妊娠に繋げることをしていきます。
無精子症の検査
無精子症は慎重に検査をしていきます。また、診断には2回の検査をして2回とも精子がいなかった場合確定します。
エコー検査
エコー検査では主に陰嚢内の状況を観察します。精巣の大きさや位置、内部環境について異常がないか調べます。
ホルモン検査
ホルモンは精巣に指令を出して精子を作るのを促します。下垂体ホルモンと言われるFSHやLHが高く、テストステロンの値が低い場合精子が正常に作られていない可能性があります。
感染症検査
クラミジアや淋病、尖圭コンジローマ、梅毒、肝炎ウイルス、エイズなどを調べます。特にクラミジアは症状がない事が多く気付かず進行してしまいます。
精液採取検査
精液の量や濃度、運動率、形態などを調べます。精子が1匹もいないのか、1匹でもいるのかで治療方針が変わるため最も重要です。
無精子症の治療
無精子症と診断された場合、射精された精液ではなく精巣上体や精巣内から取り出す事を目的とします。
MESA(精巣上体精子回収法)
精巣を覆う陰嚢にメスを入れて、精巣と精管の間にある精巣上体という部位にガラス製のピペットを刺して、精子を回収します。 精巣から採取するMicro-TESEと比べて、良質な精子を多量に得ることができる可能性があります。 精子が採取できれば、顕微授精の診療に入ります。
Micro-TESE(顕微鏡下精巣内精子回収法
精巣を切り開き医療用の顕微鏡を使い、精子がいそうな(太く白濁している)精細管を探して摘み取って、その中から精子(精子細胞)を探し出します。 射出精液中に精子が認められない無精子症であり、かつ閉塞性でないと診断された場合に行う治療の方法です。
無精子症になりやすい生活習慣
- ・喫煙、飲酒
- ・長風呂
- ・サウナ
- ・締め付けの強い下着
- ・過労働
- ・ストレスの溜め込み
- ・睡眠不足
無精子症の予防方法
無精子症になりやすい生活習慣をせず、喫煙は完全に禁止、飲酒はほどほど、長風呂やサウナによって陰嚢を温めすぎないこと、過労働や人間関係によってストレスを溜めないことが大切です。
無精子症でも妊娠できる理由
先天性を除けば、無精子になった原因があります。それを1つずつ改善していくことで精子が作られるようになる可能性があります。1匹でも作られていれば造精機能が生きているため鍼灸での改善が期待できます。
無精子症の東洋医学的視点
無精子症は東洋医学的にみると「腎陽虚」「腎陰虚」「気滞血瘀」などが考えられます。腎陽虚は腎のエネルギー不足と言えます。腎陰虚は腎の水分や栄養不足と考えてください。気滞血瘀はストレスなどにより気の滞りが起きて血も停滞してしまっている状態です。
本八幡鍼灸で無精子症の方への治療法
本八幡院ではクリニックでの治療を邪魔せず、東洋医学的観点と西洋医学的観点両方から治療していきます。自律神経をベースにまずは身体全体のバランスを整えることが重要です。
鍼灸
鍼灸では自律神経を整えることをメインに身体全体のバランスを整えていきます。また、下腹部に鍼を刺すことにより骨盤内の血流量を増やし造精機能向上をサポートします。
ビジリス
本八幡鍼灸院ではビジリスという治療機器を導入しております。鍼ではアプローチのできない骨盤底筋を刺激することで骨盤内の血流をあげ精巣に栄養を送ります。
按腹
お腹のマッサージを行うことで骨盤内の血流をあげられます。また、お腹の硬さはストレスによるもので自律神経の乱れを示唆するのでどんな方でも柔らかくする必要があります。
まとめ
- ・無精子症は閉塞性と非閉塞性に分けられる
- ・閉塞性と非閉塞で治療内容が変わる
- ・先天性を除けば無精子症になった原因が必ずある
- ・原因を見つけ改善ポイントにしていく
- ・鍼灸、ビジリス、按腹が効果的