妊娠高血圧症候群の方
妊娠高血圧症候群(PIH)とは?
高血圧に加え母体の血管障害や様々な臓器障害が発生する全身疾患のことです。
妊娠20週以降~産後12週までの期間に高血圧や蛋白尿があり、合併症の疑いがない場合、
このような診断をします。妊娠の7~10%の確率で起きます。
治療の基本は「妊娠の中断」です。分娩誘発したり、帝王切開によって、妊娠を人為的に終了させます。
※中絶ではありません。
妊娠高血圧症候群(PIH)は妊娠に対する母体の適応不全とも言えます。
正常では、血圧は妊していない時に比べて少し低下するのに対しPIHでは血圧が上昇してしまいます。
血圧上昇による頭痛、急激な体重増加、尿酸値上昇、足の浮腫などが起こります。
原因として、胎盤の血管の形成異常および血管内皮の増殖、腎障害などが挙げられています。
妊娠高血圧症候群は、はっきりとした原因は不明です。しかし
日本人の妊娠高血圧症候群の原因として最も考えられているのは、胎盤の血管の形成異常および血管内皮の増殖、腎障害です。
ヒトの胎盤は、胎盤が作られる過程で子宮側の血管(らせん動脈)を一度破壊して、血管壁の構造を作り直すという特性があります。(妊娠10~15週頃)
より多くの血液が赤ちゃんの脳や体全体に行き渡るように血管壁のリフォームをするのです。
しかし、妊娠高血圧症候群になってしまう方はこの血管壁のリフォームが不十分に終わってしまうからなのではないか?と考えられています。
血管壁のリフォームが不十分の場合、胎盤を経由して赤ちゃんに到達する栄養素や酸素の供給が不十分になり、
母体は、栄養や酸素の供給を何とか十分にできるようにしようとして、体を高血圧状態にするのではないか。と考えられています。
これが現在考えられている妊娠高血圧症候群の原因です。
下記にわかりやすい図がありますのでご覧ください。
この様に考えると、
妊娠高血圧症候群の特徴であるタンパク尿も、浮腫みも血液濃縮も、血圧上昇も関連性が出てきますね。
高血圧症候群にならないための注意点
「食べない」のではなく「必要以上に食べない」ことが大切。
PIHは食事制限でリスク減少できるという根拠はありません。
食事制限をすることによってむしろ生まれてきた赤ちゃんが小さくなる可能性が高まります。
体重増加の目安
BMI18.5~25.0の場合、7~12㎏程度の増加に収めることが望ましいとされます。
また、PIHは極端な塩分制限をしても予防する効果はありません。
PIHを確実に防ぐ効果的な予防法はまだ見つかっていません。
しかし、効果が期待できるものは以下の3点です。
- 休養と睡眠
- 適度な運動
- リラックス(精神安定)
鍼灸治療でリラックス!!
自律神経を整え、睡眠の質を改善していきましょう。
運動で使う筋肉の拘縮を取り、可動域などを改善します。また、家庭で出来る筋トレの指導、ストレッチの指導を行います。
鍼灸やオイルトリートメントを駆使してリラックスできます。(とっても気持ち良いです!!)