不妊症の定義とは?原因や治療内容、検査方法なども解説!
このようなお悩みはありませんか?
- タイミングを取り始めて半年以上たった
- 低温期と高温期の差がはっきりしない
- 高温期が短く、14日以内で生理がきてしまう
- 生理が始まってから排卵するまでに14日以上かかる
- ご夫婦どちらにも原因がない
- 排卵日を伝えることが苦痛に感じる
- まだ人工授精や体外受精はやりたくない
- ご主人の生活習慣が悪い
不妊症とは?
不妊とは、「妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで性交をしているにも関わらず、一定期間妊娠しないもの」を言い、期間は一年です。
ただし、カップルどちらかに妊娠しづらくなる何かしらの原因があれば、一年未満であっても不妊症となる可能性が高まります。
女性因子
女性は体の構造が複雑なため、様々な原因で不妊症を引き起こす可能性があります。大きく5つの原因があり、原因によって治療法やケアのやり方なども違ってきます。まずは自分がどの分類に当てはまるのか、確認をしていきましょう。
排卵因子
月経が正常に起こっている女性は、月経から約2週間で排卵が起きます。排卵をすることで精子と出会い、受精ができ、受精卵が子宮内膜に着床して妊娠に至ります。
排卵が起こらない場合は、視床下部-下垂体-卵巣のいずれかに問題が生じている可能性があります。
排卵が起こらない原因は、
・女性ホルモン分泌に影響を与える働きのある、自律神経や甲状腺などの低下や病気
・極度の肥満や体重低下
・男性ホルモンの値が高くなることによる、ホルモンバランスの異常
・ホルモンを運ぶ血液がドロドロしている
・骨格の歪みがあり、血流が悪い
・細胞膜が硬くなり、細胞自体がホルモンを受容しづらい
などが挙げられます。
卵管因子
卵管因子は、女性側の不妊の原因で一番多いです。
卵管は、精子が卵子と受精するために向かう道であり、受精した卵が子宮へ向かうための道でもあります。
その卵管が詰まったり、狭くなっている状態や、卵管や卵管采に癒着が起きている状態だと妊娠には至りません。
・クラミジアなど、感染症による卵管内の炎症
・子宮内膜症による癒着
などが原因として考えられます。
子宮因子
子宮の形に問題があり、受精した卵が子宮内に着床・着床継続がしづらい状態です。
・子宮筋腫がある
・子宮奇形がある
・子宮内に癒着が起こり、子宮内腔がふさがっている
などが原因として考えられます。
子宮への血流が悪く、内膜が十分に育たないことも着床を妨げる原因になります。
頸管因子
子宮頸管は、通常外部からの異物や細菌などの侵入を防ぐために、バリアを張った状態になっていますが、排卵日が近づいてくると、子宮頸管内の粘膜量が増え、精子が通りやすい状態になります。
異常があった場合、粘膜量が増えず、精子が頸管を通ることができない状態となります。また頸管の形状に変化がある場合も問題となります。
・頸管内の粘液量が少ない
・頸管内の炎症により、粘液の質が変化する
・頸管内にポリープがある
・頸管が狭くなっている
上記によって精子が子宮頸管を通りづらい状態があると不妊になりやすいです。
免疫因子
外部からのウイルスや細菌などから身を守るためには、免疫機能が重要です。しかし、抗精子抗体を持っていると、精子の受精への侵入が妨げられ、妊娠が難しくなる状態が生じます。
また、卵子と出会う卵管膨大部まで精子がたどり着いても、抗精子抗体により受精自体が阻害されてしまいます。
男性因子
不妊に関しては、多くの人が女性に原因があると考えがちですが、現在では男性も約4割のケースで不妊の原因があると言われています。
男性も妊活を考えたら、初めのうちに検査を受けて、問題がないか確認しておきましょう。
造精機能障害
造精機能障害とは、精巣で精子を作る機能に異常があり、精子の数、量、運動率、濃度、奇形率などの状態が弱ってしまう状態です。
造精機能障害による精子所見は以下の4つが挙げられます。
精子無力症(精子運動率が42%未満の状態)
精子不動症(精子はいるけど全く動かない状態)
乏精子症(精子濃度が1600万/ml未満の状態)
無精子症 (精液検査で精子が見つからない状態)
造精機能障害の割合は、男性不妊患者さん全体の82.4%と高い割合を示します。
原因の約半分は不明ですが、精索静脈瘤は36.6%、ホルモン低下によるものは1.2%です。精索静脈瘤とホルモン低下は治療可能な疾患なので、原因がわかったら早めに治療していきましょう。
性機能障害
性機能障害(勃起障害、中折れなど)は「満足いく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できないこと」と定義されています。
日本全体で、軽度のEDも含めると1800万人以上いると言われており、人口の約3人に1人がEDという割合です。
EDは決して40代を過ぎてからの話ではなく20~30代の若い世代でも起こります。
勃起障害(ED)は大きく分けると心因性ED、器質性ED、混合性ED、薬剤性EDの4つの種類があります。
20~30代では心因性EDの割合が高く、40代以降では器質性EDや薬剤性EDの割合が高くなります。
精路通過障害
精路通過障害(せいろつうかしょうがい)とは、精子が通る道が何らかの原因でふさがっているか、狭くなっている時に診断される症状を言います。
精子は精巣で作られ、精巣のすぐ上にある「精巣上体」に貯められます。
性的刺激を受けると、精管→精嚢→尿道に入り、興奮が絶頂に達すると陰茎(ぺニス)から射精されます。
精管は、精巣上体に蓄えられた精子を射精管まで運ぶ、直径3mm、長さ40~50cmの管のことで、この流れのどこかに問題が起きているのが「精路通過障害」です。
原因は、先天性の場合では、「先天性両側精管欠損症(CBAVD)」、後天性では、射精管閉塞症、尿道炎や外傷、前立腺嚢胞、小児期両側鼡径(そけい)ヘルニア術後などが考えられます。
原因不明不妊
クリニックで検査をしても、男性側、女性側ともに数値的な問題がなく、原因がわからない状態のことを言います。不妊全体の10〜25%を占めます。
原因はわかりませんが、加齢生活習慣による、精子の質の低下や卵巣予備能力の低下、体本来の機能低下による影響が考えられています。
クリニックの治療内容
クリニックではどのような治療をしているのでしょうか。治療内容をご紹介していきます。
タイミング
クリニックで卵胞の大きさやホルモン値などを確認し、排卵日を予測して、性交をとる期間を指導してもらう方法です。
妊娠率を高めるために、卵子の発育を促す排卵誘発剤を使用して、卵巣を刺激する場合もあります。
タイミング法の指導期間は約4〜6周期くらいですが、年齢や体の状態によって、早めに人工授精や体外受精へのステップアップをする場合があります。
人工授精(AIH)
タイミング法で妊娠しない時や、精子の数値が悪い時、抗精子抗体により自然妊娠が難しい時に行います。
精子をとった後、洗浄・濃縮し、良い状態の精子だけ子宮内腔に注入します。
女性側も排卵に異常がある場合は、排卵誘発剤を用いて、卵子が発育・排卵しやすいようにアプローチをかけます。その際に、薬が効きすぎて卵が育ちすぎることによる、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠に注意しながら行います。
人工授精(AIH)を行う周期は、3〜6周期が目安となり、それでも妊娠に至らない場合は、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)へのステップアップをするケースが多いです。
体外受精(IVF)
自力での受精や人工授精(AIH)が難しい場合や、卵管に異常がある場合に行います。
採卵手術し、体外で精子と受精をさせた後、培養液の中で培養していきます。精子・卵子の状態や年齢にもよりますが、培養の段階は、初期胚か胚盤胞かのどちらかになります。
その後培養した胚を凍結し、体の状態を着床しやすく整えてから子宮内に戻します。
ホルモン剤を用いて卵巣を刺激し、1回の採卵で複数の卵子を採取することが一般的です。刺激量の強さや刺激の種類によって採卵できる卵子の数に違いがあるので、質の良い卵子を取るには、自分の体質に合った刺激方法で卵子を育てていくことが重要です。
顕微授精(ICSI)
採卵から採精までは体外受精と同じ流れですが、受精をする時に顕微鏡を使用しながら、卵子に精子を直接注入する方法です。
女性の年齢が高く卵子の数が少なかったり、精子の状態に問題があり自力での受精が見込めない場合、または受精障害がある場合に行います。
本八幡鍼灸院の治療内容
本八幡鍼灸院では、不妊になっている体質を変えるための施術を行っています。
【鍼治療鍼】
鍼を用いて、必要なツボや筋肉にアプローチをかけていきます。場所によっては響きという感覚が出ますが、鍼の効果の一つです。ただ好き嫌いが分かれる刺激なので、つらさを感じるときは刺激量を調整します。
【手技療法】
オイルトリートメント、整体、ハイパーナイフ、ヘッドなど、スタッフの手を用いて行う施術です。様々な手技をその日の体調や症状に合わせて組み合わせていきます。
【補助療法】
お灸、温石、サンビーマー、よもぎ蒸し、デトックスなど、スタッフの手を用いらずに行う施術です。治療効果を高めるために、鍼治療や手技療法と一緒に行います。
周期に合わせた治療
【卵胞期】
卵の育ちが悪い、良い卵子を育てたい!
このようなお悩みのある方は、卵巣機能の活性化とホルモンの調節、血流改善が重要になります。
E2とFSHの分泌を助ける+卵巣へ届けるアプローチを行います。
※E2・・・エストロゲン。卵子の発育を助け、内膜を増殖して妊娠の準備をします。
※FSH・・卵胞刺激ホルモン。卵胞の発育とエストロゲンの分泌を促します。
【排卵期】
卵子が十分に育った後は、骨盤内の血流改善、血液の渋滞の緩和、自律神経を調整することでリラックスの促進を行います。
LH分泌+卵巣に届けるアプローチをします。
※LH・・・黄体形成ホルモン。分泌が一気に増えることにより排卵が起こります。
【黄体期】
排卵が終わり、子宮内膜に受精卵が着床し、着床を継続していく時期です。
高温期の基礎体温がガタガタしたり、短くなる方には特に重要な時期となります。
LH分泌を促して、子宮内膜を厚くフカフカな状態で維持できるようにアプローチをします。
※LH・・・黄体形成ホルモン。排卵後は子宮内膜の調整や、妊娠維持に関与します。
東洋医学的観点での治療
東洋医学的な観点で診る際は、内臓の働きにもアプローチをして、体質の根本を変えていきます。
【腎を補って生殖器の働きを上げる】
「腎」というのは、東洋医学的に生殖器や婦人科、生命力などを司っている臓器です。
この腎の働きが低下すると、生殖能力が衰えたり、婦人科の疾患の症状が出たり、老化をしていきます。
腎の働きを上げていくことは、生殖能力を高め、加齢や老化による不妊症の改善や不妊にならないための体つくりにもなります。
また、冷えやむくみ、疲れやすさ、睡眠の質の向上にも影響があります。
【肝の働きを改善し自律神経を整える】
「肝」は自律神経の働きと大きく関わる臓器です。
肝の疏泄(そせつ)作用によって、メンタルバランスを安定させたり、内臓の働きを良い状態で保つ働きがあります。
その機能が阻害されると、体の力が抜きづらい、イライラしやすい、ストレスを感じやすいなどの症状に繋がります。
緊張している状態が強いので、血流も悪くなり、ホルモンバランスが崩れやすく、卵子の発育が悪かったり、なかなか排卵できないなどの症状が出てきます。
【脾胃の機能を上げて体力をつける】
「脾胃」は栄養の吸収と分配に大きく関与する臓器です。
脾胃の機能が低下すると、体に必要な栄養が吸収できず、さらに供給もできなくなるので、エネルギーが枯渇した状態になります。
生殖器というのは生命維持に直接関与しない臓器です。
自分の体がエネルギー不足になっている状態だと、自分の命を最優先にするので、生殖器にエネルギーが送られない状態となります。
常に体が疲れている、食欲が出ない、月経が何周期も来ないなどの症状が出やすくなります。
妊娠された患者さんの声
本八幡鍼灸院に通われて妊娠された患者さんの声をお届けします!
▼33歳 女性 「初孫なので義母がとても喜んでくれており、良かったです。」患者さんの声はこちらをクリック
▼42歳 女性 「体と心のリラックスとなり前向きに取り組めました。」患者さんの声はこちらをクリック
まとめ
不妊の原因は自分だけではわからないことも多くあります。西洋医学でわかること、東洋医学でわかること、それぞれ違うので、まずは自分の体の状態がどうなっているのかを知っていくことが大切です。
本来は妊娠する力はみんな持っています。でも何か不具合が起きて、それがうまくいっていないだけなので、その不具合を一緒に見つけていち早い妊娠の実現と、その先にある家族の幸せを手に入れましょう。
監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)
2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院