季節の変わり目に出る咳の原因とは?治し方を教えます!
季節の変わり目になるとこのような症状にお悩みではないですか?
- 咳が止まらなくなる
- 息苦しい
- 咳が出てしまい眠りにくい
- 熱など、咳以外の症状は出ていない
- 鼻水や鼻づまりも出ている
- 皮膚のかゆみやなどの症状も一緒に出ている
咳の原因と症状
咳にも様々な原因があります。近年ではコロナの影響もあり、咳をすること自体に引け目を感じることも少なくないのではないでしょうか?特に季節の変わり目に出る咳の原因と症状を詳しく見ていきましょう。
喘息
気管に炎症が起こった状態です。炎症が起きている気管はとても敏感になっていて、ほこりやたばこなどの外的要因や、ストレスなどの内的要因でも、少しの刺激でも気管が狭くなり、アレルギー性気管支炎や気管支喘息などの発作が起きてしまいます。また、季節の変わり目や気温や湿度の大きな変化によって引き起こされる咳は、カビやダニの影響があります。湿度が高くなると空気中にあるカビや、そのカビをえさにしているダニの数も増えてきます。それを体内に吸い込んでしまうことで、喘息の症状が出やすくなったり、悪化することがあります。
症状
喘息の咳は症状の出方に波があります。一日中続くことはなく、明け方や深夜など、決まった時間になると発症することが多いです。「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」といった喘鳴が出たり、息苦しさ、胸や喉のあたりの痛みや違和感が出ることもあります。
発症しやすい時期
喘息が発症しやすい時期は、季節の変わり目など、気温や湿度が大きく変動するとき、台風など天候が不安定なとき、疲れがたまっていて免疫が落ちているときが挙げられます。また、時期とは別に、夜中から明け方にかけてや、タバコや強い臭いなどにより、発症の可能性が高まることもあります。
喘息の病院での治療法
喘息を治す根本的な薬は、現代にはまだありません。喘息は治すよりも、発作が出ない状態をキープしていくことが、薬を使う目的となります。気管の炎症を抑える薬を使用することで、徐々に咳が出なくなり、夜も眠りやすくなってきます。診断された症状が落ち着いてたからと言って、勝手に薬をやめてしまうとまた症状がぶり返してしまうので、自己判断はせず、必ず医師の指示通りに薬を続けるようにしましょう。
喘息が出たときの対処法
喘息が起きた場合には、すぐに吸入による薬を使いましょう。そこで発作が治まるようであれば、そのまま様子を見ます。それでも改善しない場合は、救急車を呼んだり、救急外来のある医療機関を受診し検査するようにしましょう。
風邪と喘息の違い
風邪はほとんどが、ウイルス感染による、のどや鼻の上気道の急性炎症です。鼻水、鼻づまり、のどの痛み、熱、痰のない咳などが症状として出てきます。炎症が気管支にまで及ぶと、咳に痰が絡むようになります。
一方喘息は、元々過敏になっている気管支が、様々なアレルゲンから刺激を受けたときに発症します。ほこりやたばこの煙などを吸い込んだとき、気温や湿度の変化、ストレスがかかったときなどに起こります。発作が起きると、気道がせまくなるので、息をするときに「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」と音が鳴り、痰の絡んだ咳も多くなります。
喘息と気管支炎の違い
気管支炎は、気管支が原因物質に感染することによって、粘膜に炎症が起き、咳や痰、発熱などの症状が出る病気です。風邪と同じような症状が出て、対処の方法も同様になります。
一方喘息は、気管支が何らかのアレルギー物質から刺激を受けたときに発症します。咳や痰、呼吸困難などの症状が出ます。気管支炎は対処療法による自然治癒を目指していくのに対して、喘息は発作が起きないように予防をし、症状が出ない状態を維持していくことが治療の目的となります。
鍼灸治療での喘息治療
東洋医学では、喘息の原因を胸にある「痰」としています。痰とは、体に必要な津液が滞ってできたものです。この痰が発生するのに大きく関わる臓器が「脾胃」「肺」「腎」です。この3つの臓器について、詳しく説明していきます。
脾胃の症状
津液の生成と関わりが強い脾の機能が低下して、水の流れが悪くなり痰が生じた場合は、「脾気虚(ひききょ)証」となります。胃に入った食べ物は消化され、体に有用な状態(清)になって脾に渡ります。脾はもらった清を肺に持ち上げ、気・血・津液を生成し、全身に運ぶ役割を持ちます。この働きが弱まり、津液が停滞して痰が生じ、その痰が肺に留まった状態が喘息体質です。
肺の症状
肺の機能が低下することで起こる喘息も多く見られ、「肺気虚(はいききょ)証」と言います。肺は呼吸によって酸素などの有効成分を体内に取り入れ、体内からは二酸化炭素などの不要な老廃物を出し、気の生成に大きく関与してます。そして、気と津液を全身の隅々まで届け、呼吸を調整して津液を下方に落としていきます。この気と津液を隅々まで届けて下に落としていく体液の調節機能が弱ると、肺に痰が留まり、喘息体質になります。
腎の症状
腎の働きが低下することにより喘息は「腎虚(じんきょ)証」と言います。腎は生きるために必要なエネルギーである「精」を貯蔵し、成長、発育、生殖を司る臓器です。また、体液の代謝の調整にも関わっています。疲労や不摂生、加齢などで腎の働きが弱り、体液の代謝調整がうまくできなくなると、水分を温めて蒸気のように全身に巡らせる機能(蒸騰気化)が作用せず、痰が留まり、喘息体質になります。
また、腎だけでなく、肺と一緒に働きが弱くなる「肺腎陰虚(はいじんいんきょ)証」や脾と一緒に働きが弱くなる「脾腎陽虚(ひじんようきょ)証」もあります。肺腎陰虚証は、黄色く粘り気のある痰が出たり、のどや鼻、皮膚の乾燥も現れます。脾腎陽虚は、白くて薄い痰が出て、冷えやむくみの症状が出やすくなります。
熱の症状
痰が熱を帯びて肺に停滞して起こる喘息を「痰熱(たんねつ)証」と言います。ストレスや暴飲暴食などで生じた熱が痰と合わさり発症します。特徴として、痰が黄色く粘り気が強かったり、尿の色も濃くなります。
喘息以外で咳が起きる理由
喘息以外でも咳が出る症状はあります。喘息かどうかを見極めて対処することが大切なので、咳が出る原因や症状を確認していきましょう。
寒暖差
寒暖差アレルギーとは、約7度以上の温度差によって引き起こされるアレルギー症状です。寒暖差アレルギーは血管運動性鼻炎とも言われていて、発症すると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出ます。その他にも、咳や頭痛、蕁麻疹などの症状が出ます。寒暖差アレルギーの原因は明確にはなっていませんが、自律神経の影響が大きいと言われています。自律神経は恒常性という働きを保っており、体温などを常に一定に保っていられるように調整をしています。なので、大きな温度変化があると、それに対応しなければならなくなり、自律神経が乱れやすくなります。気温差によって自律神経が乱れ、鼻粘膜の血管の収縮・拡張が対応しきれなくなり、症状が出ると考えられています。
アレルギー反応
アレルギーとは、特定物質(アレルギー反応を引き起こす物質)に対する自己免疫を介した副反応のことを言います。アレルギー反応を起こす物質は、ほこりや花粉、ペットの毛、食物など人によって様々です。この原因物質を何らかの形で体内に取り込んでしまうと、異常な免疫反応が起こり、咳、鼻水、皮膚のかゆみなど、全身に様々な症状が出てきます。場合によってはアナフィラキシーというショック状態を起こすこともあり、呼吸困難や意識障害など、重篤な症状となることもあります。
咳が出たときの対処法
咳が出てしまったときにできる対処法を覚えておきましょう。適切にケアすることで、症状の緩和を早めたり、悪化せずに済むこともあります。
喉を温める
寒暖差がある時は、できるだけ温度差をなくすことが必要です。寒いところではできるだけ体を温めておくことで症状を抑えやすくできます。特にのど周りを冷やさないように、マフラーなどで防寒対策を行いましょう。また、体が温まると副交感神経が働きやすくなり、筋肉が緩み呼吸がしやすくなります。体が緊張状態にならないようにしておきましょう。
水分・蜂蜜を補給する
冬場や湿度が低い季節は、乾燥によっても咳は引き起こされるので、水分補給やはちみつなどで保湿をすることもおすすめです。ただし、アレルギーが原因となっているものに関しては、根本的な食事の見直しなどが必要となってきます。特に腸が汚れるとアレルギー症状が出やすくなるので、小麦や砂糖などを多く摂っている方は改善が必要です。
まとめ
咳が出る原因は多岐に渡ります。
- 呼吸をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がなっていないか
- 呼吸困難の状態になっていないか
- 咳以外に鼻水などの症状があるか
- 皮膚のかゆみなど全身症状が出ていないか
- 気温差に大きな変化があったか
など、咳が出たときの環境や状態を確認して、適切に対応できるようにしておきましょう。
監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)
2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院