妊活中のカフェイン摂取は不妊に繋がる!?注意点を解説します。
妊活中のカフェインとの上手な付き合い方
妊活中にカフェインを摂っていいのか、いけないのか?
毎朝のコーヒーが欠かせない方。必ず緑茶やコーヒーを飲む方。一日何倍も飲んでいる方。カフェインを日ごろから摂っている方にとっては、気になるところですよね?
妊活中にカフェインとどう付き合っていけばいいのか、正しい情報をお届けします。
妊娠における悪影響はあるの?
不妊治療を行なっている期間のカフェインの摂取は、妊娠自体には影響はあるのでしょうか?
結論からいうと、摂取すること自体は問題ありません!
妊活をしているからと言って、カフェインを一切やめないという事ないので、適量であれば飲んでも問題はありません。
ただし、飲みすぎは妊娠だけでなく健康にも悪影響が出てしまうので、どれくらいの量を飲むかが大切です。
妊婦の過剰摂取には注意
1980年アメリカの研究で、妊娠中のカフェインの過剰摂取で流産率が上昇するというデータが発表されたことで、意識をされるようになりました。他にも、1日3~5杯以上のコーヒーを飲むと、妊娠率が下がったり、妊娠までの期間が長くなる。抗ミュラー管ホルモン(AMH)の数値が低くなる。というデータも出ています。
一方で、カフェイン摂取が排卵障害や卵胞発育障害、精子の運動率などに影響しないといった報告もされています。現在では妊活におけるカフェインの影響はまだ明確になっていません。しかし、過剰摂取は体のバランスを崩し、妊娠しにくい状態にする可能性があるため、注意が必要です。
カフェインにはどのような作用があるのか?
では、そもそもカフェインは一体どのような作用があるのでしょうか?
体に対してどのような反応があるのかを知って、なぜ過剰摂取することが妊娠しづらい体になってしまう可能性があるのか見ていきましょう。
覚醒作用
カフェインには眠気を覚ます働きがあります。脳内で眠気を作り出す「アデノシン」という物質が存在し、アデノシンが受容体に結合することで眠気が生じます。このアデノシン受容体にカフェインが結合することで、アデノシンの働きをブロックし眠気を感じにくくします。
興奮作用
アデノシンは神経を鎮静する働きを持ちます。カフェインによって、アデノシンが受容体に結合できなくなると、鎮静のはたらきが弱まり、神経が興奮しやすくなります。
利尿作用
本来体内の水分は、腎臓で99%が再吸収され、不要な水分は尿となり体外へ排出されます。カフェインには、この水の再吸収する働きを阻害し、必要な水分まで体外排出してしまいます。
代謝亢進
ミトコンドリアは、酵素を使って糖や脂質をエネルギーに変換する働きがあり、体内の代謝に大きく関わります。カフェインにはミトコンドリアを活性化する働きがあるため、新陳代謝も活発になります。
血管収縮
カフェインには血管を収縮する働きがあります。そのため、血管が拡張して起こる「片頭痛」には、痛みを抑えるのに効果的です。逆に血管が収縮することで血流が悪化し、筋肉が凝り固まった「緊張型頭痛」を悪化させる可能性があります。
なぜ妊活中にカフェインは良くないのか?
妊活中にカフェインを過剰摂取してしまうと、上記の作用が顕著に出てしまいます。十分な睡眠が取れない。睡眠の質が下がる。神経の興奮が過剰になるため、自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れる。血流量の低下。水分不足により、血液の質がドロドロしやすいなど、様々な症状を引き起こす可能性が出てきます。
睡眠不足
覚醒作用の影響で、寝付けなくなったり、睡眠が浅くなる可能性が上がります。睡眠不足は自律神経の乱れや、心身の疲労の解消がしづらくなります。男性では、睡眠が7時間以下になったり、睡眠の質が下がることで、精子の質が下がってしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
興奮作用が働きすぎることで、神経は興奮状態でいることが多くなり、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経はホルモンのバランスを調整しているため、乱れるとホルモンの分泌が不調になります。また、睡眠不足からも自律神経は乱れやすいので、ホルモンバランスも影響を受けます。
冷え
血管が収縮することにより、血流が悪化します。血液は熱を運ぶため、体が冷えやすくなってしまいます。卵子や精子は、他の細胞よりも多くの栄養とホルモンを必要とします。その栄養やホルモンを運ぶのは血液の仕事なので、血流が悪くなることで、卵子や精子の育ちや質にも影響をしてきます。
水分不足
カフェインの利尿作用により、本来体内で再吸収されるべき水分が排出され、水分不足の状態になります。水分不足は、血液もドロドロしやすくなり、必要な栄養やホルモンも運べなくなってしまいます。
カフェインが入っている主な飲み物
カフェインはどのような飲みものに入っているでしょうか?コーヒーを含む代表的な飲み物をご紹介します。
コーヒー
カフェイン摂取における代表的な飲み物がコーヒーです。100mlに60mgのカフェインが含まれています。コーヒーカップだと、1杯約120mlなので、70mgのカフェインが入っています。摂取してから約30分後に脳に届くので、そのくらいから目が覚めるなどの効果が出てきます。
お茶
お茶の中でも含有量はそれぞれ異なります。一番多く含まれているのは玉露。60ml中120mg含まれています。次が抹茶。70ml中に48mg含まれています。その次が紅茶で100ml中に30mg。緑茶やほうじ茶、ウーロン茶は100ml中に20mgとなっています。
緑茶を飲むときは、玉露や抹茶が入っていないものの方が、摂取量は抑えられますね。
エナジードリンク
エナジードリンクは、元気を出したいときや疲れているときに飲む方もいるでしょうか?この中にもカフェインは含まれています。100ml中30~300mgとなり、商品によってかなり差があることが分かります。選ぶ商品によっても変わりますが、コーヒーなどよりもさらに多くのカフェインを含むものもあります。習慣的に摂取するのはできるだけ控えましょう。
カフェイン摂取の目安は?
では妊活中は、どれくらいの量のカフェインだったら摂取しても問題ないでしょうか?
目安としては、コップに1〜2杯くらいまでに抑えておけると良いでしょう。それでも心配な方は、デカフェやノンカフェインのものを使ってみるのもいいですね。
まとめ
妊活中でもカフェインは摂っても問題ありません!!ただし、量には気を付けなければなりません。目安はコップに1〜2杯にしていきましょう!
ある程度自分の好きなことを続けながら、妊活をしていくには、必要以上のストレスがかからなくなりますね。
うまくカフェインと付き合いながらいち早い妊娠を目指していきましょう。
監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)
2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院