男性不妊によるこのようなお悩みはありませんか?
- 子どもを望んでいるが、パートナーとの間になかなか妊娠に至らない
- 精子の数や運動率が低いと病院で言わた
- 精子の質が悪いことで自尊心を失っている。
- 周囲の友人は子どもがいるのにと比較して落ち込む
- パートナーとの間に気まずさがあり申し訳ない気持ちになる
- 男性不妊と言われたが何をしていいかわからない
- 親からのプレッシャーがかかって辛い
- 勃起障害がある
- 生活習慣の乱れから精子の質が悪いきがする
男性不妊とは
男性不妊とは 定期的な性交渉を持ち避妊していないにもかかわらず1年以上妊娠成立しないカップルで、主たる原因が男性側にあることと定義されます。
基本的には男性不妊は主に精子の問題とされていますが、ここでは性交障害や勃起不全、中折れなどの性機能障害といった男性因子を含んで男性不妊として説明します。
不妊って女性が問題じゃないの?
確かにひと昔前は女性だけのせいにされた時代や、大昔の中国では不妊女性のことを「石女」と呼んでいたこともありました。
しかし、今や不妊は女性だけの問題ではなく男性の割合が着実に増え、一般男性20人に1人が何らかの不妊因子を持っているのです。
女性を原因とする「女性不妊」のケースは41%と比率が大きいものの、男性を原因とする「男性不妊」のケースも24%と全体の約4分の1を占めており、現代において不妊症は女性だけが抱える悩みとは言えなくなっているのがお分かりいただけると思います。
それでも僕は関係ない
食事も3食とって、運動もしているし、コリやストレスもあまり感じない。勃起も夫婦生活も特に問題なくできているし、精液もしっかり出ているから僕には関係ないと思っていませんか?
実は当院に来る方のほとんどが自覚症状がなく通われています。
たとえ精液が出ていても精子がいないことは少なくないのです。また、妊娠は卵子と精子が出会ってそこから細胞分裂をして赤ちゃんになっていきます。その分裂に精子は深く関わりがあります。
精液検査によって運動率や奇形率の数値が良くても、DNAレベルでみてみると、年齢を重ねるごとに精子の質は確実に落ちていき受精後の成長や流産に関わってきます。
それでも僕は関係ないと言えるでしょうか?
男性不妊の種類と原因
男性不妊の種類は主に5つです。
- 造精機能障害
- 性路通過障害
- 性機能障害
- 抗がん剤や抗うつ剤の影響
- 性病によるもの
造精機能障害(精子が作れない)
造精機能障害とは、精巣自体で精子を作る機能に障害があり、量、数、濃度、運動率、奇形率など精子の機能が弱まってしまう状態のことを指します。
造精機能障害によっての精子所見は以下の4つがあります。
- 精子無力症(精子運動率が42%未満の状態)
- 精子不動症(精子はいるけど全く動かない状態)
- 乏精子症(精子濃度が1600万/ml未満の状態)
- 無精子症 (精液検査で精子が見つからない状態)
造精機能障害の割合は、男性不妊患者 全体の82.4%と高い割合を示しております。
原因の約半分は不明なのに対し、精索静脈瘤は36.6%で、ホルモン低下によるものは、1.2%です。精索静脈瘤とホルモン低下は治療可能な疾患です。
性路通過障害(精子が通れない)
精路通過障害(せいろつうかしょうがい)とは、精子が通る道がふさがっている、なんらかの原因で狭くなっている場合に診断される症状のことです。
精子は精巣で作られ、精巣のすぐ上にある「精巣上体」という場所に貯蔵されます。
そして、性的刺激を受けると、精管➡精嚢➡尿道に入り、興奮が絶頂に達すると陰茎(ぺニス)から射精されます。
精管は、精巣上体に蓄えられた精子を射精管まで運ぶ、直径3mm、長さ40~50cmの管のことで、この一連の流れのどこかにトラブルが起こっているのが「精路通過障害」です。
通過できなかった精子は体内に取り残されてしまいます。
先天性の場合には、「先天性両側精管欠損症(CBAVD)」、後天性には、尿道炎や外傷、射精管閉塞症、前立腺嚢胞、小児期両側鼡径(そけい)ヘルニア術後、
などが原因として考えられます。
性機能障害(勃起できない。中折れしちゃう)
性機能障害(勃起障害、中折れなど)は「満足いく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できないこと」と定義されています。
日本人全体で軽度のEDを含めると1800万人を超えているといわれ、3人に1人がEDという割合です。
EDは決して40代以降の話ではなく20代でも起こりえます。ましてや近年急激な増加傾向にあり20代の若い世代の方が悩みは深く大きいのです。
勃起障害(ED)は大きく分けると心因性ED、器質性ED、混合性ED、薬剤性EDの4つの種類があります。
20~30代では心因性EDの割合が高く、40代以降では器質性EDや薬剤性EDの割合が高くなります。
勃起障害の詳しい記事はこちら
抗うつ剤や抗がん剤の影響(常用薬の副作用による男性不妊)
抗うつ剤や抗がん剤の男性への影響として、性欲減退、勃起不全、射精遅延、無射精などの性機能障害と乏精子症や無精子症などの造精機能障害が起こる可能性があります。
抗うつ剤は性機能障害に強く影響し、抗がん剤は造精機能障害に強く影響が出るといわれています。
抗うつ剤が男性に与える影響
SSRIはうつ病や不安障害の治療の第一選択薬とされ以下の薬が代表的な例です。
- パロキセチン塩酸塩水和物(パキシル®)
- セルトラリン塩酸塩(ジェイゾロフト®)
- エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ®)
これらの薬によって性欲減退、勃起不全、射精遅延、無射精などの性機能障害が25〜73%の男性で経験するとされています。また、動物およびヒトでの研究のすべてで、SSRI使用が精液の質の低下を示したという研究結果もあります。
つまり、性機能障害に強く影響を示すが精液の質の低下にも関係してきます来るということです。
SSRI服用者74名と健常者44名の精液所見および精子DNA断片化を比較した研究では、SSRI服用者は、精子数、運動率、正常形態率が有意に低く、精子DNA断片化率も高くなるという研究結果もあります。また、抗うつ薬の使用期間が長い方が悪影響を及ぼします。
抗がん剤が男性に与える影響
抗がん剤治療は直接精巣を障害することにより、精巣の萎縮や乏精子症、無精子症をきたすなど精子の質に影響を与えると言われています。
精巣は細胞分裂をさせないようにする抗がん剤や放射線の影響を受けやすい臓器で、精子を作る能力が低下して無精子症や乏精子症に至るのです。
精細胞に影響しやすい抗がん剤の代表例は以下のようなものがあります。
- シクロホスファミド
- イホスファミド
- ブスルファン
- プロカルバジン
- シスプラチン
治療開始から1~2か月で精子数は激減し、精子への遺伝子の損傷が強いので抗がん剤開始後の妊活は医師の指導のもと行う必要があります。
抗がん剤の量や期間によって精巣や精子の状態は変わりますが、性腺毒性のリスクが少ない薬剤では治療後無精子症になることはなく3~4か月で回復することが多いです。
性腺毒性のリスクの高い薬剤では、しばし無精子症を引き起こし回復には数年を要する場合があります。精子保存をする一つの手といえます。
性感染症によるもの(クラミジア)
性感染症による不妊症は、女性ではクラミジアや淋菌が有名ですが、男性不妊においても関係してきます。
性感染症に関係するものとして以下の病原菌があります。
- クラミジア
- マイコプラズマ/ウレアプラズマ
- ヒトパピローマウイルス(HPV)
- トリコモナス
- 肝炎ウイルス
- HIV
クラミジア
クラミジアは精管という精子の通り道を逆行性に感染して精巣上体炎を引き起こすことにより、精管が詰まってしまい、閉塞性無精子症になると言われています。
ただ、実際にこの説で精管が詰まったという報告は少なく、閉塞性無精子症の人にもクラミジアが存在しない場合が多いことからこの説は間違いだったかもしれないと最新の研究で分かってきました。
しかし、クラミジア感染を起こしていると、精液所見が悪くなるというデータもあります。クラミジア感染を起こした男性454人と、感染していない707人を比較すると、感染していたほうが精子濃度、精子運動率、精子正常形態率が低いということがわかっています。
精管を詰まらせることによって無精子症になるわけではなく、直接精巣に感染を起こすことにより、精子の形成を阻害する可能性があると言えます。
マイコプラズマ/ウレアプラズマ
マイコプラズマ/ウレアプラズマは、とてもたくさんの種類があり、
「マイコプラズマ・ホミニス」と「ウレアプラズマ・ウレアリチカム」は男性不妊に関係すると言われています。
尿道炎の原因の「マイコプラズマ・ジェニタリウム」は男性不妊症とは関係がないですが、女性不妊症は起こりうることがわかっています。
精巣上体炎にまで進行し重症化すると、将来無精子症を起こすことがあり、男性不妊に繋がる可能性があります。
一般的な検査法と治療法
男性不妊の一般的な検査法と治療法には以下のようなものがあります。
検査法
・精液検査
・超音波検査
治療法
・治療薬による処方
・手術療法(TESE)
・代替療法
・睾丸注射療法
・人工授精/体外受精
精液検査
男性不妊において精液検査は非常に重要で、射精は出来ていても精子が一匹もいないという人は少なくありません。
精液検査では主に、精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを検査していきます。
検査の流れは2~7日間禁欲し、病院もしくは自宅でマスターベーションにて精液を採取し提出します。
検査結果は基本的な検査項目のものなら1時間程度で出ますが、乏精子症など極めて精子が少ない場合は遠心分離を行うためもう少し時間がかかります。また、症状や病院によっては数日かかることもあります。
費用は基本的な検査項目なら1,000円前後でうけられます。
保険適用外の場合は5,000円~30,000円と病院によって変わります。
男性の精液性状は日に日に変動するため、悪い結果が出た場合でも、再度検査をし
て問題ないとされることもあります。
超音波検査
男性不妊では自覚症状が少ない疾患が隠れている場合が多く存在します。
超音波検査では精巣、精巣上体、精巣内部、精体、精管を観察し、精巣腫瘍や微小結石がないかを確認します。
また、男性不妊の約4割を占める精索静脈瘤の有無も確認します。
方法としては基本的に男性の技師が一対一で検査します。プローブを陰嚢に当てるだけで精巣(睾丸)がモニター上に描出され、精巣の上下、前後、左右の観察をしていき問題がないか調べます。
料金は病院によってまちまちで2000円から10000万円です。初診時の超音波検査のみ保険適応になるケースもあるそうです。
超音波検査で見つかる疾患は手術する必要があるものも隠されているため一度検査をお勧めします。精索静脈瘤は手術を受けることでかなり男性不妊の改善が見られます。
治療薬による処方
男性不妊の治療薬についてはホルモン剤、漢方薬、サプリメントが一般的で、造精機能障害や性機能障害などによって異なります。
造精機能障害では一般的に以下のような薬が使用されます。
・ホルモン剤(クロミフェン)
・漢方薬(補中益気湯)
・サプリメント(コエンザイムQ10、亜鉛、Lカルニチンなど)
性機能障害では一般的に以下のような薬が使用されます。
・PDE5阻害薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)
・漢方薬(柴胡加竜骨牡蛎湯)さいこかりゅうこつぼれいとう
・サプリメント(コエンザイムQ10、亜鉛、Lカルニチンなど)
持病やほかの疾患によって男性不妊が引き起こされている場合は優先的にその疾患に対応する薬を使います。
薬は根本的な治療にはならないため使い方が重要になってきますので医師と相談して決めることが望ましいです。
また漢方は体質やその時の状態によって処方が変わるため経験豊富な漢方医を訪れることをお勧めします。
サプリメントについてはあくまで健康補助食品であるため、食事を徹底したうえで使用することが必要になってきます。
手術療法(TESE)
男性不妊の中でも無精子症の方や精管が詰まっている方に行う精巣内精子採取術(TESE)というものがあります。
陰嚢を0.5cm~1.0cmほど切開し、精巣内の精細管と呼ばれる小さな組織を採取する方法です。日帰りでできる簡単な手術で、採取したのち精子を探し凍結します。病院によっては採卵日と同日に行い凍結せずに顕微授精するところやケースもあります。
無精子症の場合、薬を使うよりもTESEを行ったほうが精子を得られる可能性が高いため、最初から手術を選択するケースが多いです。
また、パートナーの女性の年齢が高く、男性不妊の治療をしている時間があまりない場合もTESEの対象になりえます。
しかし、その日に帰れる簡単な手術とはいえ陰嚢を切るというのは男性にとってものすごくショックで不安や恐怖を伴うと思います。
パートナー、将来の子ども、未来の家庭のことを考え最善がなにか決断する必要があるのは確かです。
代替療法
男性不妊における代替療法として以下のようなものがあげられます。
鍼灸
→自律神経を整え血流促進、ストレス軽減、気血津液の調整、体質改善するのが目的
マッサージ療法
→リラックス効果によって緊張を緩和し血流やリンパの流れを促進するのが目的
運動療法
→適度な運動によって陰部の血流の改善、ストレス軽減、ミトコンドリアの活性化が目的
心理療法
→特に性機能障害の心因性EDに効果的な療法。精神的な問題を取り除くのが目的
人工授精・体外受精
人工授精
男性不妊の場合は精子減少症、精子運動率低下、射精量減少、精子頸管粘液不適合、抗精子交代保有夫人の方に適応します。
流れは2~7日間の禁欲をしたのち採精を行い、精子洗浄濃縮法などにより厳選された元気な精子を。排卵日当日にパートナーの子宮の中に戻します。
成功率は5~10%です。
体外受精
男性不妊の場合、乏精子症、精子無力症、精子不動化抗体のあるパートナーがいる場合が適応です。
また、精子の前培養として精子が卵透明帯を通過して授精が起こるためには、精能獲得と先体反応の段階を終了する必要があります。
マスターベーションによる採精をしたのち30分ほど放置し、培養液を加え洗浄し良質な精子を集め卵子と授精させたのち子宮内に戻します。
成功率は20~40%です。
人工授精や体外受精は特に年齢によって成功率が大幅に変わります。
40歳を超えて体外受精を何回受けても子どもを授からないことは大いにあります。
しかし、体外受精をやめタイミングに切り替えてから子どもを授かるパターンは少なくありません。
なぜ男性不妊が改善しにくいのか
男性不妊に限らずほぼすべての疾患や症状は生活習慣に由来します。
暴飲暴食、喫煙、加齢、アルコール、心理的ストレスなどが男性不妊のリスクを上げているため、その生活習慣をそもそも変えられないのも改善しにくい要因の一つです。
また、仕事上での精神的ストレスや、デスクワークなどの同じ姿勢による血流障害、激務による過労なども改善しにくい原因の一つと考えられます。
男性不妊に対する現代医学的な鍼灸治療
造精機能障害においては脊柱や末端の手足に鍼灸施術を行い自律神経の調整と、下腹部や陰部神経等に鍼灸施術し精巣への血流量をアップさせることで精子の質を上げていきます。
性機能障害においては脊柱や末端の手足に鍼灸施術を行い自律神経の調整と、骨盤神経の一部でもある海綿体神経(勃起神経)に鍼灸施術を行うことで性機能の向上を図ります。
鍼灸は病院の検査では調べることのできない自律神経の乱れが引き起こす体の反応を施術していくことが得意としています。
東洋医学的な男性不妊の原因
東洋医学では、肝、心、脾、肺、腎を五臓といいます。
男性不妊症のうち精子に最も関わるのが『腎』と捉えます。
腎の機能は、生きるために必要なエネルギーや栄養の基本物質である精を貯蔵し、人の成長・発育・生殖、ならびに水液や骨を司ることです。
精子の数や運動率、形態などは、まさに腎の状態に大きく左右されることになります。腎の状態がよければ、精子の状態もよくなります。
男性不妊症のうち男性機能に最も関わるのが『肝』と捉えます。
肝の機能は、気の流れを通じて感情の調節をしたり、臓腑の活動をのびやかに円滑に保つことです。血液を貯蔵し、精神・運動・性機能、ならびに血や筋肉を司ることです。
勃起や性欲などは、まさに肝の状態に大きく左右されることになります。肝の状態がよければ、男性機能もよくなります。
東洋医学的には次の6つが男性不妊におもに関わってくる状態です。
自分に合ったパターンはあるでしょうか?
精子無力症・精子不動症(腎陽虚症)
東洋医学では『腎陽虚証』の状態です。
- 精子の運動率が50%以下
- 数値や機能面で何らかの問題がある
- 冷えが強い
- 腎の陽気が不足している体質です。
加齢や、生活の不摂生、過労、慢性疾患による体力低下などによって人体の機能が衰え、冷えが生じてこの証になります。
また、『陽』には動きという概念があります。
腎陽が虚弱になると、精子の機能やホルモン内分泌機能が低下し、男性不妊症になります。
治法は温補腎陽(おんぽじんよう)といい、腎の気を補い体を温めていく施術をしていきます。
特に下腹部や腰、下腿の内側でアキレス腱側のツボを使います。
陽を足すときは陽中求陰(ようちゅうきゅういん)といい少し陰を足すことがポイントです。
乏精子症・無精子症(腎陰虚症)
東洋医学では『腎陰虚証』の状態です。
- 精子の数が少ない(精液1mlあたりの精子の数が2千万〜2億)
- 精子が見当たらないような場合
腎の陽気ではなく、腎の陰液が不足している体質です。陰液とは、人体の構成成分の内、血、津液、精を指します。
また、『陰』には何か作り出すという概念があります。
過労、不規則な生活、大病や慢性的な体調不良、性生活の不摂生、加齢などにより精子が上手く作れず、男性不妊症になります。
陰液の不足により相対的に陽気が亢進し空焚きのやかんのようになるため、のぼせ、手足の火照りなどの熱証が生じます。腎の精気など腎陰を補う方法が得策です。
治法は滋補腎陰(じほじんいん)といい、腎の陰液を補うような施術を行います。
特に下腹部や腰、下腿の内側でアキレス腱側のツボを使います。
陰を増やすときは陰中求陽(いんちゅうきゅうよう)といい少し陽を足すことがポイントになります。
勃起障害・中折れ(肝鬱気滞症)
東洋医学では『肝鬱気滞証』の状態です。
ストレスも男性不妊と関係があります。
仕事や人間関係、性交渉のプレッシャーなどがストレスとなり男性機能障害を引き起こしてしまいます。
身体の諸機能を調節する臓腑である肝の機能がスムーズに働いていない体質です。
ストレスや緊張が持続することによりこの証になることがよくあります。
肝気の流れの悪化がホルモンバランスの失調に及び、男性不妊となります。
生活背景として仕事の激務による疲労やストレスの蓄積、深夜残業による不規則な生活、家族や周囲からのプレッシャーなどがあります。
肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、男性不妊症を治していきます。
治法は疎肝理気(そかんりき)といい、肝の気を動かすような施術を行います。
特に側腹部や横隔膜沿い、脛の上のツボを使います。
明確に瀉法を行うことがポイントで該当するツボに強めの刺激を入れます。
精索静脈瘤(瘀血症)
東洋医学では『血瘀証』の状態です。
精索静脈瘤など、血流が悪いために精子の状態がよくないようなら血瘀証です。
血流が鬱滞しやすい体質で、精神的ストレスや、冷え、体内の過剰な水液、生理機能の低下などが原因です。
疾患や体調不良が慢性化して血流が悪くなり、血液の鬱滞が起こることで血瘀証になります。
血流の悪化により腫れが生じて精索が圧迫され、睾丸の温度が上昇したり、精巣に十分な酸素や栄養が供給されなくなると、精子を造る機能(造精機能)が低下し、男性不妊症になります。
治法は活血化瘀(かっけつかお)といい、滞った血を動かすような施術を行います。
特に血液に関わるようなツボを使ったり、痰湿や気を流す作用のあるツボを使います。
気の鬱滞によるものか、血の不足によるものか、気の不足によるものか、寒によるものなのかを見極めるのがポイント。
肥満・浮腫・糖質過多による男性不妊(痰湿症)
東洋医学では『痰湿証』の状態です。
食事の不摂生が原因で体内に不要な水分が溜まり循環や代謝が悪くなるのが原因です。
血液がドロドロの人や中性脂肪が多い人、浮腫みやすいような人が多いです。
そのせいで精子の元気がなくなってしまうようなら痰湿証です。
痰湿が精巣の機能を阻害するため、男性不妊症になります。
治法は燥湿散寒(そうしつさんかん)といい、冷えて動きが滞った水分を温め動かすような施術を行います。
特に水分をコントロールしている腎のツボや脾のツボをメインに使用し水分の拡散をはかります。
補うツボと瀉すツボを使い分けるのがポイントです。
暴飲暴食・アルコール飲みすぎ(湿熱症)
東洋医学では『湿熱証』の状態です。
痰湿症が熱を帯びてさらに造精機能を低下させる湿熱証もあります。湿熱は体内で過剰な湿と熱が結合したものです。
脂っこいもの、刺激物、味の濃いもの、生もの、アルコール類の日常的摂取や大量摂取でこの証になります。
湿熱が精巣の機能を阻害することにより、男性不妊となります。
また、肥満の人はそうじゃない人に比べると精巣の温度が高く精子が少ないという報告もあります。
更にアルコールは精巣内に毒物であるアセトアルデヒドを充満させます。男性不妊だけではなく、死産や流産の可能性が増えます。
赤ちゃんや大切な奥さんのことを考えると妊活中のアルコールは控えなければなりません。
治法は清利湿熱(せいりしつねつ)といい、熱を出してしまっている水分を捌けさせるような施術を行います。
特に水分をコントロールしている腎のツボや脾のツボをメインに使用し、水分の拡散と熱を冷やしていくことを狙います。
補うツボと瀉すツボを使い分けつつ熱を取っていくのがポイントです。
本八幡鍼灸院での男性不妊の施術方法
本八幡鍼灸院ではコンビネーション療法という鍼だけではなく手技療法や補助療法を組み合わせた治療を行っています。
鍼の効果を高めるため、オイルマッサージや活法整体、頭蓋調整やハイパーナイフなどを組み合わせていきます。
治療は自律神経をメインに体の状態に合わせて西洋医学的な考えと東洋医学的な考え両方含めて見立てを立てます。
また、当院では副担当制を起用しておりメインは担当が施術を行いますが、副担当やほかのスタッフも施術に関わることで、いろんな角度から患者さんを診ることによってより早い効果の実現をしております。
本八幡鍼灸院での治療の流れ
- 予診票の記入
- 院長からのヒヤリング(患者さんにあった担当を決める)
- 担当からの医療面接
- 歪みの検査、治療・料金説明
- 仰向けの施術
- うつ伏せの施術
- 治療計画と注意点についての説明
施術料金
メイン施術 (鍼治療) | 5,830円 |
手技療法 (オイルマッサージ・活法整体・ハイパーナイフ・頭蓋調整) | 1,650円 |
補助療法 (お灸・温石・スーパーライザー) | 550円 |
男性不妊が改善する理由
男性不妊はいろんな因子によって引き起こされていますが、ほとんどの場合生活習慣に起因する自律神経の乱れが原因です。
鍼灸は自律神経の乱れを改善するのが得意で、当院では特にお腹と首の硬さを指標とし自律神経の調整を行います。
いろんな因子によって引き起こされる男性不妊に当院でのコンビネーション療法はいろんな角度から施術できるため改善の可能性が高いといえます。
不妊の原因になる男性不妊まとめ
- 不妊は女性だけの問題じゃない
- 男性不妊には造精機能障害、性機能障害、性路通過障害、抗がん剤や抗うつ剤の影響、性感染症が原因となる。
- 検査法には精液検査と超音波検査がある。
- 治療法は治療薬、手術、代替療法、人工授精、体外受精などがある
- 生活習慣がほとんどの原因になる
- 東洋医学的には腎と肝が特に男性不妊に関与する。
ご予約はこちら
監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)
2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院