皮様嚢腫とは?症状や原因を解説します!

このような症状やお悩みはありませんか?

  • 下腹部が張ったり膨れる感じがする
  • 下腹部の痛腰痛が改善しづらい
  • 以前より便通が悪くなった
  • 妊活をしているけど、なかなか妊娠しない
  • 排卵をしているかわかりづらい

皮様嚢腫とは?

皮様嚢腫とは、卵巣嚢腫の中の一つの症状となります。卵巣の中に髪の毛や歯、脂肪などが溜まってしまい、こぶ状になってしまった状態です。「奇形腫」とも呼ばれ、卵巣嚢腫全体の15〜25%を占めます。卵巣嚢腫は、卵巣の中に液体が溜まる嚢胞性卵巣嚢腫と、硬い塊が大きくなる充実性卵巣腫瘍に分かれます。皮様嚢腫は嚢胞性卵巣嚢腫に含まれ、若い方に見つかることが多いです。

原因

皮様嚢腫の明らかな原因は解明されていませんが、受精しなかった卵子が細胞分裂が起き、その分裂が途中で止まってしまうことで、未完成の髪の毛や歯などが溜まって腫瘍化してしまうと考えられています。

症状

皮様嚢腫の多くは無症状のことが多いです。

自覚症状としては

  • 腹部の膨満感
  • 下腹部痛
  • 便秘
  • 頻尿
  • 腰痛
  • 下腹部の腫れ
  • 月経不順
  • 不性器出血

などが出てきます。

ただし、腫瘍が大きくなり6㎝以上になってくると、茎捻転を起こす可能性があります。茎捻転とは、卵巣の付け根辺りにある血管を含む茎のようになっているところが捻じれてしまった状態です。茎捻転の強度によっても症状が変わります。軽度であれば、一時的に血行不良の状態となり、卵巣がうっ血するために、鈍い痛みが出ますが、捻転が戻れば血行不良も改善され、痛みも消失します。しかし茎捻転の症状がひどいと、激しい痛みや嘔吐、ショック症状のような状態になることもあります。茎捻転が起こり、そのままにしておくと、卵巣が壊死してしまいます。茎捻転発症後、24時間経ってしまうと、卵巣の温存は難しいと言われています。症状がでたら、早めに診療を受けることが大切です。

検査法

皮様嚢腫は、超音波検査やMRI、CT、腫瘍マーカー検査などを用いて、診断をします。

 

皮様嚢腫と卵巣嚢腫(卵巣腫瘍)の違いとは?

皮様嚢腫と卵巣嚢腫を別のものだと思っている方もいらっしゃいますが、二つは同じものを意味します。大きく卵巣嚢腫という病気があり、その中の分類の一つに皮様嚢腫があります。卵巣嚢腫は、卵巣の中に液体が溜まる嚢胞性卵巣嚢腫と、硬い塊が大きくなる充実性卵巣腫瘍の2つに分かれます。嚢胞性卵巣嚢腫は、漿液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫、成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫など)、チョコレート嚢胞の4つがあります。卵巣嚢腫全体の80~90%になります。充実性卵巣嚢腫は、良性腫瘍、悪性腫瘍、境界悪性腫瘍の3つです。10~20%の割合となります。

卵巣嚢腫(嚢胞性卵巣嚢腫)の分類

卵巣嚢腫は皮様嚢腫以外にも分類分けができます。卵巣嚢腫を理解するために、皮様嚢腫以外の分類の特徴もみていきましょう。

漿液性嚢胞(漿液性嚢胞腺腫)

サラサラの液体が溜まった状態を言います。卵巣嚢腫全体の15~25%を占めます。まれにがん化することがあります。

粘液性嚢胞(粘液性嚢胞腺腫)

ドロドロやネバネバした液体が溜まった状態を言います。卵巣嚢腫全体の5~30%を占め、30㎝を超えるほど成長することもあります。まれにがん化することがあります。

チョコレート嚢胞

子宮内膜症が卵巣内にできた状態を言います。チョコレートのように茶色のドロドロした液体が溜まってしまいます。まれにがん化することがあります。

一般的な治療法

卵巣嚢腫は見つかったとしても、時間の経過とともに消えてしまう「機能性卵巣嚢腫」もあり、何度か周期をずらして確認する必要があります。また、チョコレート嚢腫についてはホルモン療法が適応となりますが、その他の嚢腫については、薬での治療法がありません。嚢腫の大きさが4~6㎝ほどになった時に、手術を検討します。手術の場合は、腫瘍のみを摘出し卵巣は残す温存治療と、腫瘍と一緒に卵巣や卵管も摘出するやり方があります。また、開腹手術か腹腔鏡下手術かも選べますが、体に負担の少ない腹腔鏡下手術が多くなっています。また腹腔鏡下手術にも種類があります。

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術とは、腹部の2~4ヶ所に5~10mmほどの穴をあけ、炭酸ガスを入れてスペースを作り、そこから腹腔鏡や器具を挿入して行う方法です。開腹手術に比べ、傷が少ないため、体への負担も少なく、術後の回復も早いです。

 

単孔式腹腔鏡手術

お臍か恥骨上縁の一か所のみに穴を開けて行う方法です。腹腔鏡下手術よりもさらに手術による傷を減らすことができ、美容面での負担も軽減できます。恥骨上縁からアプローチをする場合は、2~3㎝ほど切開をするので、直接手技での治療もでき、お臍からのアプローチでは対応できなかった大きな嚢腫も取り除くことができます。

経腟腹腔鏡手術

腟の一番奥に小さい穴をあけ、腹腔鏡や器具を挿入して行う方法です。お腹に傷をつけなくてすむので、美容面での負担が最も少ないです。膣からのアプローチとなりますが、術後自然妊娠することも、経腟分娩も可能です。

皮様嚢腫が改善しない理由

皮様嚢腫が発症する原因は解明されていないこともあり、再発率も高い疾患となっております。手術により一時的に症状の改善はできますが、その症状が起きてしまいやすい体質や原因が変わっていなければ、症状の再発を繰り返してしまいます。

本八幡鍼灸での治療法

本八幡鍼灸院では、東洋医学の観点も使い、症状の改善と再発防止のアプローチをしています。東洋医学では、皮様嚢腫をはじめとして卵巣嚢腫は血流の悪さが大きく関係していると考えています。一人ひとりに血流不全が起きている原因を見抜き、鍼治療をベースに血流を促していきます。また、血行不良になる体質も変えるため、再発防止にも繋がります。

皮様嚢腫が改善する理由

本八幡鍼灸院では、鍼の治療以外にも、様々な治療法を組み合わせるコンビネーション療法を行っています。鍼でも治療効果はありますが、より症状の改善を早めるために色々な角度からのアプローチを入れていきます。

ハイパーナイフ

機械を使ったアプローチ法です。皮膚に機械をあてると、1秒間に100万回の振動を体に入れることができます。それにより、奥の凝り固まっている筋肉がゆるみやすくなり、血液が流れやすくなります。

よもぎ蒸し

よもぎを煎じて、その蒸気を下半身を中心に浴びることで、全身を温める温熱効果があります。体を温めると血流を促進することができます。またよもぎ蒸しは直接陰部に蒸気をあてることができるので、婦人科への効果がより高くなります。

オイルトリートメント

血流を改善するには、筋肉が凝り固まっていないことが大切です。オイルトリートメントによって、筋肉に溜まっている老廃物を流して、筋肉を柔らかい状態にして、血流の改善をしていきます。

まとめ

皮様嚢腫は、卵巣のう腫の中でも比較的なりやすい疾患です。無症状で気付かないことも多いですが、悪化をすると卵巣が壊死してしまう疾患です。下腹部の痛みなど違和感を感じたら、早めにクリニックで診察をしてもらうようにしましょう。また、ならないように体質を作っていくことも大切です。血流をよくするために、体を動かしたり温めたりする機会を普段から作るようにしていきましょう。

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監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)

2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院