子宮内膜炎とは?婦人科疾患のプロが解説します!

このようなお悩みはありませんか?

  • 移植をしてもなかなか着床しない
  • 着床をしても流産を繰り返してしまう
  • 軽度の腹痛や、性交痛がある
  • 少量の性器出血がある

子宮内膜炎とは?

子宮内膜炎とは、子宮に何らかの細菌が入り込んで、軽度の炎症が子宮内膜に起き、それが慢性的に続いている疾患です。本来は月経の際に子宮内膜は剥がれ落ちるため、炎症を起こすことはないのですが、細菌などに感染すると炎症を起こす場合があります。自覚症状がないため、なかなか発見されにくいですが、女性の約10%が発症しています。

子宮内膜の原因

原因は、大腸菌や結核菌、ブドウ球菌などの菌や、性感染症として増加しているクラミジアや淋菌などに感染することで発症します。また、出産や流産、子宮内膜症なども原因の一つだと言われています。その他に、CD138という抗原を持つ免疫細胞が、内膜に炎症を起こしている可能性があるとも言われています。

子宮内膜炎の症状

子宮内膜炎になると、下記の様な症状が出やすくなります。元々自覚症状が出にくい疾患であるため、ちょっとした症状でも慎重に体の状態を観察していく必要があります。

下腹部の痛み

子宮内膜での炎症なので、下腹部に痛みが出やすくなります。進行すると、子宮の筋肉の層にまで炎症が広がる子宮筋層炎になることもあります。また、骨盤内に炎症が及ぶことにより、膿瘍が形成され、強い下腹部痛が生じます。

慢性的な腰痛

子宮内膜炎が悪化した際に、骨盤内にまで炎症が広がり子宮付属器炎を引き起こす可能性があります。慢性期だと、腸や骨盤壁と子宮が癒着を起こし硬くなるため、下腹部痛や腰痛を起こしやすくなります。

排便時や性交時の痛み

腰痛の時と同じく子宮内膜炎は上行感染をするため、膣から細菌などが侵入した場合、子宮、卵管と広がっていきます。卵管の先は卵管采と言って、腹腔内へ広がっているため、感染は腹腔内にも及びます。すると骨盤腹膜炎などを発症しやすくなります。骨盤腹膜炎は、骨盤内の臓器に癒着が残ることがあるため、性交痛や排便痛などの症状が出やすくなります。

子宮内膜炎と不妊

子宮内膜炎は不妊症の原因になります。子宮内膜は、受精卵が着床し育っていく場所です。そこで炎症が起きている状態となります。移植をしてもなかなか着床をしなかったり、着床をしても、流産を繰り返してしまうような状態だと、子宮内膜炎の可能性もあります。

子宮内膜炎の検査

19世紀に子宮内膜炎が発見されていますが、その病態や定義などは明確になっていません。なので、検査法も様々な方法があります。

内診

子宮内膜で炎症が起きているため、内診をすると圧痛が確認できます。

子宮鏡検査

3mm程度の細くて柔らかいカメラを使い、子宮内を観察します。痛みも少なく5分程度の診察で終わり、すぐに結果を聞くことができます。子宮内膜炎だけでなく、子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫など、着床障害の原因となる症状の有無もみることができます。子宮内膜炎になっていた場合、小さなポリープの多発や、発赤、多数の赤斑点、内膜のむくみなどを確認することができます。

ALICE検査(感染性子宮内膜炎検査)

次世代シークエンサという高度な遺伝子分析技術を使う検査です。子宮内膜の組織から細菌の遺伝子を検出して、子宮内の細菌叢(フローラ)を分析します。分析の結果から、最適な薬を選択することも可能です。この技術を使えば診断漏れが少なく、今までの検査法では発見が難しかった内膜症の診断もすることができます。

病理検査

子宮内膜を採取して、免疫組織化学という病理検査を行う検査です。子宮内膜の基底層にCD138という表面抗原を持つ免疫細胞が、感染の末期や月経中の子宮内膜間質に現れます。このCD138陽性細胞の有無を確認することで、子宮内膜炎の診断ができます。ただし、細菌の種類は特定できず、ALICE検査に比べると、診断の感度や正確性が低いため、正しい診断がしづらい面もあります。

子宮内腔細菌培養検査

子宮内膜の分泌液を採取し、数日かけて培養し、細菌を調べる検査です。ただし、検体を採取する際に、どうしても膣内細菌も混入してしまうため、正しく判断ができないこともあり、多くの病院では行っていない事が多いです。

子宮内膜炎の予防法

子宮内膜炎を予防するには、膣の周辺を清潔に保つことが大切です。便座についている温水洗浄機能は雑菌が入りやすいので、膣周辺にかからないようにしましょう。細菌の繁殖を防ぐためには、ナプキンやおりものシートをこまめに変えたり、通気性の良い下着をつけるようにしましょう。また、性行為の際にはコンドームを着用し、できるだけ感染を防ぐようにしましょう。

子宮内膜炎と診断されたら?一般的な治療法

子宮内膜炎はほとんどの場合が、子宮内に細菌やウイルスの感染が起きているので、以下の方法で治療を行っていきます。研究によると、反復着床不全の方が子宮内膜炎の治療をきちんと受けた場合、子宮内膜炎がない方と同じような臨床妊娠率・生児獲得率を得られるようになったことが報告されています。きちんと診療をしてもらい、いち早い妊娠を目指しましょう。

抗生剤

細菌が原因になっている場合は、抗生物質を服用していきます。抗生物質は一種類だけでなく、複数服用する場合もあります。適切な抗生物質の治療を受ければ、99.1%の方が症状の改善をしています。さらに、子宮内膜炎の改善だけでなく、生児獲得率の上昇も報告されており、抗生物質は、子宮内膜炎による反復性着床不全の治療に有効であると考えられます。

プロバイオティクス

善玉菌を取り入れることで、体内の微生物環境を整える方法です。比較的新しい治療法で、抗生剤のように科学的根拠が証明されている訳ではありません。ですが、抗生物質の耐性を持つ、耐性菌の出現を防ぐ効果があるとされています。また、抗生物質の副作用やアレルギーのある方にも推奨できる治療法です。

子宮内掻爬術

薬の服用で効果が得られなかった場合は、細菌やウイルスの感染が関係しない場合があります。その場合、炎症が起きている内膜を人工的に掻爬する事が有効と言われています。掻爬とは、子宮内膜をかき出す方法です。子宮内膜掻爬術を行った方の約6割が子宮内膜炎が改善しており、掻爬術を行わなかった場合と比べても、倍以上の妊娠継続率となりました。

子宮内膜炎が改善しない理由

子宮内膜炎は、何らかの細菌やウイルスが膣から体内に侵入し、子宮内膜に炎症を起こしてしまう病気です。膣の周辺を清潔に保つことや、性行為の際にコンドームを使用するなど、今までやっていたことを変えていく必要があります。また、細菌やウイルスが侵入してきた際に、それに対応できる免疫や体の状態がなければいけません。症状が出たときに薬だけ飲んでいるだけでは、何度も再発をする可能性があり、改善しづらい状態となります。

本八幡鍼灸院での治療法

本八幡鍼灸では、できるだけ自分の免疫を上げて、そもそも細菌やウイルス感染をしづらい体質を作っていったり、感染してしまった場合も、炎症を抑えるように施術をしていきます。

鍼灸治療

鍼やお灸を使って、免疫力や自然治癒力の向上を図り、体が本来持っている力を引き出します。血流を促進する働きも高いため、細胞の隅々まで必要な栄養やホルモンを運んだり、逆にいらなくなった老廃物を回収することができ、疲れを取って元気な状態に回復します。また鍼灸刺激によりサイトカインが減少し、抗炎症作用をもたらします。

手技療法

免疫を上げるには血液が不可欠。そしてその血液を全身に運ばなくてはいけません。筋肉を緩めて血流を上げるオイルトリートメントや、骨格の歪みを整えて血流を改善する活法整体など、その時々で体にあった手技療法を組み合わせていきます。

子宮内膜炎が改善する理由

鍼灸治療や手技療法の他にも、サプリメントの提供もしています。できるだけ体の治す力を引きだしていくために、様々な角度からアプローチを入れるので、症状の改善が早いのです。

まとめ

子宮内膜炎は、自覚しづらく非常に見つかりづらい症状です。ですが、不妊に大きく影響をしている為、放っておくわけにはいきません。また、治療法もほとんどの方が内服薬で改善できます。できるだけ早く体の変化に気付いて適切な処置をすれば、症状の改善も妊娠の確立も上げることができます。少しでも体調がいつもと違う時は、一度検査をしてもらいましょう。

 

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監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)

2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院