多嚢胞性卵巣症候群でも生理を順調に!鍼灸治療で体質改善を目指す方法

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、不妊や生理不順の原因となることが多い症状です。しかし、適切な診断を受けた上で治療を進め、生活習慣を改善することで、生理を順調にすることは十分に可能です。診断を通じて症状の原因や程度を把握し、それに基づいた適切な治療計画を立てることが重要です。本記事では、PCOSの特徴やその改善方法について詳しく解説します。

特に鍼灸治療がホルモンバランスを整える上でどのように効果を発揮するかに焦点を当て、自然なアプローチで体質改善を目指す方法を紹介します。PCOSと向き合い、健康的な生活を取り戻すための参考にしてください。

 

多 嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは何か

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、ホルモンバランスの乱れによって卵巣内に多数の小さな嚢胞が形成される症状です。これは、排卵が正常に行われないことが原因で、結果的に生理不順や不妊の原因となります。さらに、PCOSは女性ホルモンの過剰分泌やインスリン抵抗性の影響も受けるため、ホルモンバランスを整える治療が必要です。以下では、PCOSの特徴について詳しく見ていきます。

嚢胞性卵巣症候群の特徴

PCOSの主な特徴として、生理不順、排卵障害、多嚢胞卵巣、男性ホルモンの増加による症状(ニキビや体毛の増加など)が挙げられます。これらの症状は、体内のホルモンバランスが崩れることで引き起こされます。例えば、排卵が不規則になるため、妊娠しにくい状態が続くことがあります。また、インスリン抵抗性がある場合、体重増加や糖尿病のリスクが高まる可能性もあります。

 

鍼灸治療は、これらの症状を改善するための自然なアプローチとして注目されています。体内の血流を改善し、自律神経やホルモンバランスを整えることで、排卵機能を正常化し、月経を順調にする効果が期待できます。これにより、PCOSによる不妊の悩みを軽減し、健康的な体を取り戻すサポートをします。

 

嚢胞性卵巣症候群の原因

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因は、複数の要因が複雑に絡み合っています。特に、遺伝的な影響、インスリン抵抗性、ライフスタイルや環境要因が主な原因として挙げられます。これらの要因が体内のホルモンバランスを乱し、排卵障害や多嚢胞卵巣といった症状を引き起こします。以下に、それぞれの要因について詳しく解説します。

 

遺伝的要因の影響

PCOSは、遺伝的要因が大きく関与していると考えられています。家族内にPCOSや不妊の既往がある場合、発症リスクが高まることが分かっています。ただ、この場合の遺伝は遺伝子レベルの遺伝ではなく、食生活などが家族で似てくるための生活遺伝と言われるものと考えます。特に、女性ホルモンや男性ホルモンの分泌を調節する遺伝子の異常が、ホルモンバランスの乱れにつながります。本八幡鍼灸院では食事の徹底とホルモンを運ぶ血液と血流の改善を行い改善に導きます。

 

インスリン抵抗性が引き起こす問題

インスリン抵抗性は、PCOSの主要な原因の一つとされています。インスリン抵抗性が高まると、血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されますが、この状態が男性ホルモンの増加を促し、排卵障害を引き起こします。また、インスリン抵抗性は体重増加や糖尿病のリスクを高める要因にもなります。鍼灸治療は、インスリン感受性を改善する効果が期待されており、血糖値やホルモンバランスの調整を助けることができます。

 

ライフスタイルと環境要因の関係性

不規則な生活やストレス、偏った食事、運動不足などのライフスタイルは、PCOSの発症や悪化に深く関与します。特に肥満は、PCOSのリスクを大幅に高める要因とされています。肥満が進行すると、インスリン抵抗性が悪化し、ホルモンバランスの乱れを助長する可能性があります。また、環境ホルモンと呼ばれる化学物質が体内に蓄積すると、エストロゲンの作用を模倣し、さらにホルモンの不均衡を引き起こすことが指摘されています。

これらの要因を見直すことで、PCOSの症状を緩和する可能性があります。特に重要なのが乳製品と悪質な油です。乳製品の常用摂取はエストロゲンを過剰に増やすことがわかっております。また、悪質な油は細胞膜を硬くするため卵胞自体の膜を硬くし排卵できず多嚢胞になります。生クリームや酸化した油、マーガリンなどはもってのほかです。鍼灸治療は、ストレスの軽減や自律神経の調整を通じて、ライフスタイル改善を強力にサポートします。特に、鍼灸による代謝促進効果は、肥満の改善にも役立ちます。定期的な施術と健康的な生活習慣を実践することで、体質が徐々に整い、PCOSの影響を軽減することが期待できます。

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を放置するリスク

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を適切に治療せず放置すると、さまざまな健康リスクを伴います。特に不妊症、子宮体癌、糖尿病といった重篤な疾患のリスクが高まるため、早期の対応が重要です。PCOSは放置するほど症状が悪化しやすいため、適切な治療と生活改善を行うことで、これらのリスクを軽減できます。以下では、PCOSを放置することで生じる具体的なリスクを解説します。

 

不妊症

  • PCOSの主な症状である排卵障害は、不妊症の原因となります。排卵が不規則または完全に停止することで、妊娠の可能性が大幅に低下します。さらに、PCOSに関連するホルモンバランスの乱れは、子宮内膜の状態や卵子の質にも影響を与える可能性があります。不妊治療を進める中で、鍼灸はホルモンバランスを整え、卵巣機能を改善するサポートを提供します。早期の鍼灸治療を取り入れることで、妊娠しやすい体質への改善が期待できます。PCOSの方でも妊娠はできます。ただ、本八幡鍼灸院に来られている方でPCOSの方は排卵時期が難しくタイミングをとりづらいなどの理由から妊娠するまでの期間がやはり長い傾向にあります。妊活を始める前からPCOSの治療はしておいた方が賢明だと感じます。

子宮体癌

PCOSを放置すると、子宮体癌のリスクが高まるとされています。排卵が起こらない場合、黄体ホルモンが不足し、エストロゲンが過剰に作用する状態が続きます。このホルモンの不均衡が子宮内膜の異常増殖を引き起こし、最終的に子宮体癌のリスクを増加させます。鍼灸治療を通じてホルモンバランスを調整することで、子宮体癌のリスクを低減する予防効果が期待されます。子宮体癌の本質的な原因としてはPCOSというよりも糖質のとりすぎだったり、体温が低いことにあります。本八幡鍼灸院ではその根本的なところからアプローチしていきます。

 

糖尿病

PCOSと関連の深いインスリン抵抗性は、2型糖尿病のリスクを高める要因です。インスリン抵抗性が続くと、血糖値の管理が難しくなり、糖尿病を発症する可能性があります。また、糖尿病は心血管疾患や腎臓病などの合併症を引き起こすリスクもあるため、PCOSの段階で適切に対処することが重要です。鍼灸治療は血糖値のコントロールやインスリン感受性の向上をサポートし、糖尿病予防に役立ちます。定期的な施術と健康管理で、リスクを最小限に抑えましょう。糖尿病もPCOSからなるわけではなく、やはり糖質の取りすぎや取り方に問題があります。そこからまずは改善していきましょう!

 

PCOSが生理不順を引き起こす理由

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、ホルモンバランスの乱れや卵巣機能の低下によって引き起こされます。PCOSがどのように生理不順に関係しているのかを理解することで、適切な治療や対策を講じることができます。以下では、ホルモンバランスの乱れと卵巣機能への影響という2つの主要な原因について詳しく解説します。

ホルモンバランスの乱れ

PCOSでは、エストロゲン、プロゲステロン、そしてアンドロゲン(男性ホルモン)といったホルモンのバランスが崩れることが特徴です。このホルモンの不均衡が、正常な排卵を妨げる原因となります。特にアンドロゲンの過剰分泌は、卵胞の成熟を阻害し、排卵が起きない状態を引き起こします。その結果、生理周期が不規則になり、生理が数カ月に一度しか来ない、あるいはまったく来ないといった症状が現れることがあります。本八幡鍼灸院ではそれらのホルモンを出せるようにする、受け取れるようにする、運べるようにするという観点から、鍼やサプリメントを用いて治療していきます。

卵巣機能への影響

PCOSでは、卵巣内に多数の未成熟な卵胞が形成されるため、卵巣の機能が低下します。通常、1つの卵胞が成熟し排卵するのに対し、PCOSでは多くの卵胞が成長途中で停止し、排卵が起こりません。このような卵巣機能の低下が、生理不順や無排卵を引き起こす大きな原因となります。また、卵巣機能の低下はホルモンバランスの乱れをさらに悪化させるため、悪循環に陥りやすくなります。鍼灸治療では、血流を改善し、卵巣の働きを活性化することで、卵巣機能の改善を目指します。これにより、排卵を促し、生理周期の正常化をサポートします。

 

PCOSによる生理不順への治療方法

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による生理不順は、さまざまな治療方法で改善が期待できます。医療的アプローチとしてホルモン療法や排卵誘発剤の使用があり、加えてライフスタイルの改善が重要な補助療法として挙げられます。これらの治療を組み合わせることで、体質改善や妊娠の可能性を高めることができます。以下で、それぞれの治療法について詳しく解説します。

ホルモン療法

ホルモン療法は、PCOSによる生理不順の基本的な治療方法の一つです。経口避妊薬やホルモン補充療法を使用することで、ホルモンバランスを調整し、生理周期を安定させる効果があります。これにより、無排卵による不規則な生理を正常化し、子宮内膜の健康を保つことが可能です。ホルモン療法は一時的な対症療法として有効ですが、根本的な体質改善には至りません。そのため、鍼灸治療を併用し、自律神経や内分泌系のバランスを整えることで、より持続的な改善を目指すことが推奨されます。

 

排卵誘発剤の使用

排卵障害が主な原因の場合、排卵誘発剤の使用が効果的です。クロミフェンやゴナドトロピンなどの薬剤は、卵巣を刺激し、排卵を促す役割を果たします。これにより、妊娠の可能性が大幅に向上します。しかし、排卵させたからといってPCOSが治っているわけではありません。PCOSを治すには徹底的な食事改善と鍼灸治療での自律神経やホルモン調整です。 

 

ライフスタイルの改善

PCOSによる生理不順を改善するには、ライフスタイルの見直しが不可欠です。適切な食事、定期的な運動、十分な睡眠は、ホルモンバランスを整え、インスリン抵抗性を改善する上で重要な要素です。また、ストレス管理も大切で、ストレスを減らすことで自律神経が安定し、生理周期が整いやすくなります。鍼灸治療は、これらの生活習慣改善をサポートする方法として効果的です。血流を促進し、ストレスを軽減することで、自然な体質改善を目指します。これにより、ライフスタイルの改善と相乗効果を生むことが可能です。

 

生理を順調にするための注意点

生理不順を改善し、周期を整えるためには、日常生活の中でいくつかのポイントに注意することが重要です。適切な体重管理やストレス軽減は、ホルモンバランスを整え、排卵を促進するうえで欠かせない要素です。これらの注意点を意識することで、体質改善と生理周期の安定化を目指すことができます。以下で詳しく解説します。

適切な体重管理をする

適切な体重を維持することは、生理周期を正常化するために非常に重要です。過剰な体重増加や過度な体重減少は、ホルモンバランスを乱し、排卵障害や生理不順の原因となります。特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、インスリン抵抗性の改善に役立つ健康的な食生活と適度な運動が推奨されます。鍼灸治療は、代謝を促進し、体重管理をサポートする自然な方法として効果的です。鍼灸を取り入れることで、体内の循環が改善され、体質そのものを整える助けとなります。

 

ストレスを軽減する方法を取り入れる

ストレスは、ホルモンバランスに悪影響を及ぼし、生理不順の原因となることがあります。特に過剰なストレスは、自律神経を乱し、排卵や生理周期の調整機能に影響を与えます。ストレスを軽減するためには、リラクゼーション法を日常生活に取り入れることが重要です。深呼吸やヨガ、マインドフルネスなどの習慣は、心身をリラックスさせる効果があります。また、鍼灸治療はストレスを軽減する方法として非常に有効です。ツボを刺激することでリラックス効果を促し、自律神経を整えることで、ストレスによるホルモンの乱れを改善します。これにより、生理周期を安定させることが期待できます。

PCOSに関するよくある質問

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、不妊症やホルモンバランスの乱れに悩む女性にとって大きな課題となる症状です。この症状に関する疑問は多く、特に妊娠への影響や治癒の可能性についての質問が多く寄せられます。以下では、これらの疑問に詳しくお答えします。

妊娠への影響は?

PCOSは、排卵障害を引き起こすため、自然妊娠が難しくなることがあります。排卵が不規則または完全に停止することで、妊娠に必要なタイミングをつかむのが困難になるのが主な原因です。しかし、適切な治療を受けることで妊娠の可能性を高めることができます。ホルモン療法や排卵誘発剤の使用に加え、鍼灸治療は自然な体質改善をサポートする有効な方法です。本八幡鍼灸院ではPCOSの多くの方が妊娠されています。PCOSがどんな習慣から起きてしまったのか一緒に見つけて改善していきます。

完全に治る可能性はあるのか?

PCOSは慢性的な症状であり、現時点では「完全に治す」とは言い切れません。あと、鍼灸師として治るという言葉を使えません。まずは症状をコントロールすることが治療の目標となります。ホルモンバランスを整えたり、ライフスタイルを改善したりすることで、症状の改善や生理周期の正常化が期待できます。本八幡鍼灸院ではPCOSの方の妊娠や周期の改善の症例が多くあります。何度も言いますが徹底的な食事改善と鍼灸による体質改善が必要となります。

 

まとめ

PCOSは、不妊症や生理不順の原因となる複雑な症状ですが、適切な治療と生活改善により管理が可能です。妊娠への影響を抑え、症状を緩和するには、ホルモン療法や排卵誘発剤、そして鍼灸治療の併用が効果的です。また、PCOSは完全に治すことが難しい一方で、適切なケアによって症状をコントロールし、生活の質を向上させることができます。本八幡鍼灸院では、個々の症状に応じた施術を行い、体質改善をサポートします。早期に対策を講じて、健康的な生活を取り戻しましょう。

監修 本八幡鍼灸院院長 峯岸里美(鍼灸師歴18年)

2004年3月 鍼灸師国家資格取得
2003年4月 心身健康堂入社
2007年4月 けやきの杜鍼灸接骨院赤坂入社
2008年6月 住吉鍼灸院勤務
2013年2月 本八幡鍼灸院開院